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【連載】人形令嬢は悪魔紳士に溺愛される  作者: 茜カナコ


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22/64

22.帰宅

 御子の任命式が終わった。

 レイスは白色のローブをまとい、胸を張って笑顔で立っている。

「クリフ様、式典が終わったようなのでこれで失礼いたします」

 アルフレッドはクリフ達にそう言うと、トレヴァーに帰り支度をするよう指示した。

「アルフレッド様、今夜はお越しいただきありがとうございました」

 去ろうとするアルフレッドにクリフが声をかけた。


「土地を治めるものの仕事ですから」

 アルフレッドは笑顔でクリフに答えた。

「アルフレッド様、フローラ様は十分働いていらっしゃいますか?」

 レイスがアルフレッドに言った。

「ああ、よくやってくれているよ」


 レイスの目が冷たく光った。

「御子よりも、メイドのほうがお似合いのようですわね」

 フローラはレイスの言葉に笑顔で返した。レイスの表情が醜くゆがんだ。

「……私をバカにするのは楽しいですか? フローラ様」

 レイスの言葉にフローラは戸惑った。

「馬鹿になんてしていません。御子の仕事は大変だと思います」

 レイスは横目でフローラを見たまま、去っていった。

「さあ、いきましょう、フローラ」

「はい、アルフレッド様」

 帰りの馬車で、トレヴァーがアルフレッドに言った。


「アルフレッド様。レイス様を刺激するようなことは控えたほうがよろしいかと」

「え? 僕は特に何もしていないよ?」

「フローラに氷結の杖を渡して、雪を降らせたでしょう? レイス様のプライドを傷つけたのだと思いますよ」

 トレヴァーはため息をついた。


「そうか……式典が盛り上がったから良いとおもったんだけどな……」

「アルフレッド様、レイス様はもう御子様なのですから、余計な気遣いは逆効果かと思います」

「そうなのか? フローラ?」

「さあ……私は何も……」


馬車がアルフレッドの屋敷に着いた。

「ああ、寒かった。トレヴァー、フローラ、お茶の用意をしてくれ」

「かしこまりました」

「かしこまりました」


トレヴァーはアルフレッドからコートを受け取ると、洋服掛けに片づけた。

「さあ、フローラ、お茶をいれましょう」

「はい、トレヴァー様」

 二人はキッチンに入ると、アルフレッドのためにお茶とクッキーを用意した。


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