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L村の怪異  作者: 厠谷化月
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音声記録(2013/3/4)

音声記録(2013/3/4)

戸川文夫「如水書房の戸川と申します。この度は取材にご協力いただきありがとうございます。」

田中良子「とんでもない。私なんかでよかったのでしょうか。」

戸川「今回はL村への移住についての特集なので、田中さんがピッタリなんですよ。それで、今回お聞きしたいのは…」


(中略)


戸川「それでは、お困りのこととかはありませんか。」

田中「特にありませんね。村の元々いた住人の皆さんも本当によくしてくださいますし。こういう土地ってムラ社会の陰湿さとかありそうですけど、そういうのもなくって。」

戸川「ムラ社会らしさがないんですね。確かに皆さんちょうどいい距離感を保っているって感じがします。でもL村特有のルールというかしきたりもないんですか。」

田中「ああ、昔は犬を飼っちゃいけなかったみたいですよ。昭和の頃まではずいぶん厳しく守られていたとか。お隣の刀ヶ谷さんのご主人が随分と慣習に厳しい人で、引っ越してきたばかりの時はうちのトムを見てあまりいい顔はしませんでしたが、今は理解してくださったみたいですよ。」

戸川「犬を飼っちゃいけないんですか。」

田中「ええ、L村は昔犬に苦労したとかで。でも詳しいことは皆さん知らないのか、話してくださらなくって。これ内緒にしてくださいね。今では刀ヶ谷さんもトムを受け入れてくださったんで。」


(中略)


田中「瞳、お帰り。こちら出版社の戸川さん。あいさつしなさい。」

瞳「こんにちは。」

戸川「こんにちは。」

田中「こら。またおサルの人形をいじめてたの。やめなさいって言ってるでしょう。」

瞳「でもトムをいじめるから。」

田中「お人形がトムをいじめるわけないでしょう。」


(後略)


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