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L村の怪異  作者: 厠谷化月
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今移住がアツいL村案内(「ナチュラルライフ(如水書房)」)

今移住がアツいL村案内(「ナチュラルライフ(如水書房)」 2013/5月号)


 Q県北部に位置するL村は山に閉ざされているが、Q急電鉄の全線開通によって、Q市街へのアクセスが改善し、近年では約百世帯の移住者を受け入れている。限界集落と呼ばれていた村が今では活気を取り戻しており、村唯一の小学校である南L小学校では全校生徒が80人にも満たなかったが、現在では各学年20人前後の編成となっており、昼休みになると校庭では子供たちの元気な声が響いている。


―村のルールを押し付けるのではなく、都会のルールと共存していく―

 L村鬼転地区自治会長の刀ヶ谷一郎さんは、移住した家族との交流を通じて、彼らなりのルールを知り、それを村の慣例と共存させていくために活動している。


「今まで祭りは絶対参加でしたが、移住してきたご家族の話を聞いて、都会では違うということを知りました。自治会では祭りへの参加が前提という考えを捨て、どうやったら楽しく祭りに参加してもらえるかなど、皆さんと一緒に考えています。」


 自治会が屋台を設置するなどして、今ではほとんどの人たちが何らかの形で祭りに参加できるようになっている。


―子育てのしやすい村づくり―

 L村では、I,Uターン促進のための財源を大幅に拡大している。子育て支援のための予算は10年前の約8倍に増加しており、対象の子育て世帯の同時期の増加率が約5倍ということからも、行政による子育て支援は充足していることがわかる。


「近所のことを気にせずに遊べるのが田舎の良い所。」


 というのは、最近Iターンをしてきた田中さん。田中さん一家は7歳の瞳ちゃんと一緒に3年前に引っ越してきたという。都会では近隣住民が公園の子供の歓声を嫌がって、自治体から公園の使用を自粛するよう求められることもあったという。


―自然が豊かなL村―

 L村は古くからの里山が残されている。田んぼのあぜ道を歩けば昔の人の建てた石像や石塔がたくさん見受けられ、人々の営みの積み重ねが感じられる。


「都会の喧騒を離れてこういうところで静かに暮らすのが夢でした。」


というのは並木さんご夫婦。二人はQ市から引っ越してきたという。旦那さんはQ市に勤めているが、鉄道のおかげでそれまでと変わらない暮らしをしているという。


「むしろ引っ越す前よりもゆとりができたように思えます。」


 今お二人は休日にそば作りに励んでいるという。こういう余暇の過ごし方を実現できるのも、L村ならではの良さなのかもしれない。


如水出版 戸川文夫

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