koko
ココはまだ
生まれたばかりの
おんなのこ
ここがどこだか
わかりません
もうずっと
暗いところにいるような
そんな寂しい
気分です
からだはずっと
痛いまま
どうして痛いか
わかりません
もういやだ
苦しい逃げたい
そうすると
きまって
からだが痛みます
だからもう
ココはじっと耐えました
耐えるほか
なすすべのない
闇のなか
ココはじっと
耐えました
すると遠くにちらちらと
淡い光がきざします
あれはいったい
なにかしら?
ココはもう
重たいまぶたをもちあげて
じっと光を睨みます
睨むと光は
ぴかぴかと
光って消えて
また光る
じっとココが
見ていると
光はすっかり
闇のなか
まったく見えなく
なりました
あそこには
わたしの知らない
なにかがある
光はもはやないけれど
闇はどくどく
うねります
うねりはココを
あそこへと
運んでいこうと
しています
なにかが光った
あそこへと
ココをぐんぐん
動かします
するとまた
光がちらちら
きざします
光のテンポは
ばらばらで
はやいテンポは
ぐっときて
おそいテンポは
ゆるゆるです
これはきっと時間です
ココはもう
光のテンポに
ゆらゆらと
目まいがするけど
がんばります
するとテンポはだんだんと
しっかり安定してきます
ココはもう
寂しくなんかありません
光のつよさも
ばらばらで
つよいと
近くに感じます
よわいと
遠くに感じます
これはきっと空間です
ココはもう
光のつよさに
ゆらゆらと
目まいがするけど
がんばります
するとつよさは落ちついて
光がくっきりしてきます
ココはもう
痛くなんかありません
ココはすっかり落ちついて
光のなかで安心です
だけどまだ
光の外は真っ暗です
ココはたちまち不安です
もう暗闇は
うんざりだから
さようなら
ココは光を広げます
しっかりテンポを刻むよう
はっきり辺りを照らすよう
ココは光を広げます
けれども闇は消えません
ココはすっかり息が切れ
力が尽きて目を閉じます
すると
ふたたび寂しくなり
苦しくなって
目を開けます
辺りの闇は深くなり
ココがどこだかわかりません
するとあそこに
また光が
ぱっと兆して
また消えます
光と闇は
キリがない
光は安心できるけど
どこかで息が切れてしまう
闇は痛くて寂しいけど
ぐんぐんココを運んでくれる
光と闇はおたがいに
手を取りあって
ぐるぐると
めぐってココを
ふりまわす
ココは不安を手放して
求める心も手放した
ココはココ
わたしはわたしと
目を閉じた
ココはもう
めぐる流れのまんなかに
しっかり座って
目を閉じた
目の前に
流れはずっと
めぐっている
だけどココは
落ちついて
わたしはわたしと
目を閉じた
もうすっかり
目を開いても
大丈夫
流れはつねにそばにある
だけどココは大丈夫