完璧な人生
ちゃんと昨夜に書いたんですけど投稿忘れてました見逃してください。
一言で表すならば、私は完璧だ。誰からも、完璧だね。羨ましいね。と言われる。私自身もそう思う。産まれる前から何一つ、選択を間違えることがなかった。
例えば家族。有名な企業の社長である父親と、なんでも出来てしまう母親。一流大学を卒業して、父親の跡を継ぐ予定の兄と、周りとは圧倒的にかけ離れた知能を持つ私。
私は特別扱いされたわけでもなく、学校生活などで言えば一般家庭と何も変わらないはずだ。家での食事だって、毎日がフランス料理フルコースだとか、デザートにケーキバイキングだとか、そんな次元の違うことは無い。欲しいものはすぐに買ってくれるだとか、私立の高校に通わせてもらっただとか、それくらいのことは余裕でできてしまう家庭ではある。しかしスパルタ教育を受けるなんてことはなかったし、誰かに虐待されたりとか、逆にお姫様のように甘やかされたりもなかった。
それでも私は、世間から見てどれだけ頭良い学校であろうと、授業での先生の説明は瞬時に理解して問題を解くことができたし、テスト結果は学年1位を譲ったことはない。それに容姿はどこもかしこも整っていて、外見だけで告白された思い出ばかりある。
だけど私は不満だった。何も不自由しない。何をしても許される。何かを努力する間もなく手に入る。これが完璧な人生であろうと、私の望む人生ではなかった。それだけのことなんだ。
つまり私は、一言で表すと。
失敗作になりたかった。




