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日めくりカレンダー  作者: 流美
6月の日めくりカレンダー
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狭い世界

 学校、というのは、どうしてこんなにも檻に近いんだろう。無理やりたくさんの人と生活を共にさせられて、無理やり役にも立たない授業を受けさせられて、無理やり集団行動をさせられる。

 学校の規則を守れなければ厳しく罰せられる。先生は規則を守らないのに、私たち生徒はひとつでも守らないとすぐに注意されて、その場で直すように指示される。


 先生は言った。授業をやりたくてお前らに授業をしてるんじゃない。じゃあどうして先生になったの、なんて言ったのは、その授業が終わって、先生が教室を出て行ってからだった。

 私はこんな檻の中、いつ先生に注意されるか怯えて、じっと息を潜めて過ごしている。いつか終わる卒業を目指して、独りぼっちで本を読んでいる。

 ここは、狭い世界。狭い檻だ。けれども1日の半分をここで過ごすことを強いられていて、拒めばまともな社会人になれる保証はない。……って学校が勝手に決めつけてる。


 誰にも話しかけず、誰にも話しかけられず、私だけを除いて皆で楽しそうにする声を聞きながら、私はただ、本を読んでいた。

 檻に入れられてから、私は独りぼっちのままだった。檻の中で、他人とどう付き合うのが正解なのか分からなかったし、勇気さえ無かったのだ。


 独りぼっちで、よく生きているなと思う。これからどんどん広がっていく世界で、私は独りぼっちのまま、生きていけるのだろうか。

 独りぼっちで生きていられるのはきっと、不本意ではあるが、この檻にいるからだろう。無職が、刑務所生活のほうが良いと言う、まるで今の現実世界みたいに。

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