狭い世界
学校、というのは、どうしてこんなにも檻に近いんだろう。無理やりたくさんの人と生活を共にさせられて、無理やり役にも立たない授業を受けさせられて、無理やり集団行動をさせられる。
学校の規則を守れなければ厳しく罰せられる。先生は規則を守らないのに、私たち生徒はひとつでも守らないとすぐに注意されて、その場で直すように指示される。
先生は言った。授業をやりたくてお前らに授業をしてるんじゃない。じゃあどうして先生になったの、なんて言ったのは、その授業が終わって、先生が教室を出て行ってからだった。
私はこんな檻の中、いつ先生に注意されるか怯えて、じっと息を潜めて過ごしている。いつか終わる卒業を目指して、独りぼっちで本を読んでいる。
ここは、狭い世界。狭い檻だ。けれども1日の半分をここで過ごすことを強いられていて、拒めばまともな社会人になれる保証はない。……って学校が勝手に決めつけてる。
誰にも話しかけず、誰にも話しかけられず、私だけを除いて皆で楽しそうにする声を聞きながら、私はただ、本を読んでいた。
檻に入れられてから、私は独りぼっちのままだった。檻の中で、他人とどう付き合うのが正解なのか分からなかったし、勇気さえ無かったのだ。
独りぼっちで、よく生きているなと思う。これからどんどん広がっていく世界で、私は独りぼっちのまま、生きていけるのだろうか。
独りぼっちで生きていられるのはきっと、不本意ではあるが、この檻にいるからだろう。無職が、刑務所生活のほうが良いと言う、まるで今の現実世界みたいに。




