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第三話
二人で外が見渡せる廊下のベンチに座る。
十日ほど、僕らはお互いのことを覚えている。
もしかすると、僕がカナのことを忘れて、悲しい思いをさせたこともあったのかもしれない。
でも、今は、今なんだから…。
「冒険、したいな…」
カナが言った。
「冒険?」
「例えば、私たちの脳がいじられる理由を突き止める、とか」
「何度もしたからなあ…」
何か断片をつかんだことは何度となくある。しかし、もう内容は消されている。思い出すのは、同じことの繰り返しの疲労感ばかり…。何かを突き止めようとしたことだけは、記憶に残しておいてくれている。無駄なことだ、と言わんばかりに。
「確かにしたいな。冒険」
僕は言った。消されなさそうな冒険。何かあるかな?
「しよう。冒険」
カナが笑った。
…笑いたいよな。
それが、大事。