大変な事になるって本当ですか?
もし誰かに
「大変な事になるんだぞ!」
って言われたら、ものは試しに
「大変な事って、具体的にどんな事ですか?」
って聞き返してみてください。
具体的にどんな事になるのかをきちんと説明できる人はまずいません。
これには2通りのパターンがあって、1つは『言ってる本人も実は良くわかってない』場合。
こっちの場合は「なんだ、そんな事だったのか(w」で終わる事が多いんで、概ね大した問題にはなりません。
もう一つは、『大して問題にならない事を、取り返しのつかない大トラブルであるかのように装って、有利な立場を得ようとしている』場合。
“大して問題にならない”には、“そもそも問題が存在しない”が含まれます。
こっちの場合は遥かに悪質で、いわゆる“特殊詐欺”でよく使われる手口もこちらに該当します。
落ち着いてやり取りを追いかけると、「どうしてこんな筋の通らない事を受け入れちゃってるんだよ!?」というような事例が山ほどありますが、どうしてなんでしょうね?
混乱してるからと言えば確かにその通りなんですが、では、そもそもなぜ混乱するんでしょうか?
「大変なことになるぞ!」って言われると、“考え得る最悪の事態”ってのを記憶の中から勝手に探し出そうとします。脳が。
だいたいそんな物は見つかる筈がありませんが、見つからなければ見つからない程不安になっていきます。
「何か悪い事をしでかしていたんじゃないか?」という、有りもしない可能性を捏造してしまうんですね。何かしらの罪悪感を常に抱えている人ほどそのような傾向が強く出ます。
「自分が覚えていないところで、何か取り返しますつかない失態があったのではないか?」という懸念が一度生まれてしまうと、後は雪だるま式に大きくなっていきます。
得体の知れない大きな不安を抱えたままでは、落ち着いた生活が送れません。
だから、例えば「○○万円払えば大事にしないでおいてやる」とかって言われると、払える金額なら払ってしまうんです。
仮にそれが全財産だったとしても、命に関わるような気がする正体の分からない大きな不安から逃れられるのであれば、払ってしまう人は確実に出ます。
実際には、事を荒立てない為に要求される対価が金銭ではなくて譲歩だったり服従だったりする場合も多いんですが、いずれにしても命懸けになるほどには追い込まないのがポイントです。
追い詰め過ぎると、「あなたを殺して私も死ぬの!」とかが普通にあり得るんですから。
簡単にまとめてみましょう。
“得体の知れない大きな不安”と“致命的にはなりそうにない損失”を天秤にかけさせられると、『そのくらいならまあいいか』と思って損失を受け入れてしまうんです。
あぁ、“面倒臭い”というのも“得体の知れない不安”に入ります。『いつまで相手をしなければならないか分からない』というのは、非常に大きなストレスですからね。
多少の損失があっても、早いところストレスまみれの状態から逃れられる方を選びたくなります。
『ここで○○損しても、□□を△△して取り返せばいいか』とかいう計算を始めたりすると、相手の思う壺にはまったも同然です。
事ほど左様に、何がどうしてどうなるのかが具体的に提示されない「大変なことになる」は非常に胡散臭い物だらけです。
ただ、ここまで言っておいてなんなんですが、「大変なことになる」を片っ端から全て弾き飛ばしていればいいかというと必ずしもそうではありません。
ピンポイントでクリティカルな物が混ざっていたりするのが厄介ですね。
すぐ次回とはいかないかもしれませんが、胡散臭い方もそうではない方も、いくつか具体的な例を紹介する事にしましょうか。