ノークレーム・ノータリーン?
タイトルの「ノータリーン」はワザとです(w
現実的な話をするなら、購入して頂いた品物に満足してもらっている限りクレームなんて付かないものですが、商法や民法の規定では「売主が知っていてもいなくても、後から見つかった不具合には売主が対応しなくてはならない」事になっています。
これは“瑕疵担保責任”といって、元は建築業界から発生した概念ですね。
新築住宅に住み始めて3年目で雨漏りがあったとか、家が傾いてしまったとかがあったら、売った業者や建てた工務店が責任を持って直すなり代わりを用意するなりしなさいよ。
ざっくりとした説明をするならこういう事です。
購入する側が当然期待するだろう満足度を満たす責任を販売側に求めているとも言えます。
故意や過失の“有る無しに関わらず”というのがポイントで、売り逃げ防止とも言えるのでしょうね。
ただし、中古の品物は状態が千差万別で新品のような保障対応なんてやっていられません。だから、
「現状渡しだから後の面倒は見ませんよ」
という宣言をする事でこの瑕疵担保責任を放棄する事が出来ます。
これがいわゆる“ノークレーム・ノーリターン特約”です。
これにもう一つ“ノーキャンセル”を付けている出品者もいますね。
σ(^_^)も現状渡しやジャンクの出品では付けています。
瑕疵担保責任の排除を宣言していないと、購入者の不満足に対して無限の責任を負わなければならなくなってしまう事もあり得ます。
実際には、安価な商品に対して無限責任を要求するような人はそうそういないでしょうが、どこにどんな不具合が隠れているか仕入れた方も分かるはずもない物にいちいちクレーム対応するのは面倒ですからね。
だけど、何でもかんでもノークレーム・ノーリターンと言えばそれで通るかといえば、実はそうではありません。
一般常識レベルの人が見て理解できるように書かれていないと効力を発揮しません。
例えば、時々見かけるのが「N•Nで」とか「3Nでよろしく」とか書いてある出品者。
σ(^_^)が『ノータリーンだなぁ』と感じるのはこういう例です。初めて見た時には何のことなのかさっぱり分かりませんでしたもの。
実際にトラブルになったら通らないですよ?
出品の度にいちいち書くのが面倒なのは良く分かります。トラブルになった事がないからそんな書き方なのかもしませんが、およそ誰にでも一目で分かるように書かれていないと上げ足を取られて痛い目に合うかもしれませんよ?
何事も、誤解を招くよう表現は避けた方が賢明です。できることなら、曲解も入る余地がないくらいにしておく方が望ましいのですけどね?
ただまぁ、どこまでやってあっても捩じ込んで来るやつぁ捩じ込んで来るものですが、そういう場合はビビったりオタついたりしたら負けです。
次回以降、実例を交えながらお話して行きましょう。