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夢じゃなかった!?

「あ、ああ……」


ガイアからチートに近い能力を授かり、光が俺を優しく包み込んだ。


うっすらと天井らしいものが見える。


「は、ここはどこだ!?」


たしか、ガイアと別れた後に何かに包まれた感触が伝わっている。


あたりを見回すと、ベットがズラーリと並んでいる。おれは、ちょうど扉に近い位置のベットで寝ていたようだ。


「あ、傷が……」


これが現実なら肩に大怪我おおっているはずだ。とっさに右手を左肩に触れる。


「治ってる……」


包帯のような感覚が伝わる。だが、痛みはない。誰が治療してくれたのだろうが。


今、なんじだろうと思い、時計をみる。だご、おれの右腕には……


「……夢じゃなかったのか。」


ガイアと別れる際に俺の腕時計とブレスレットを交換した記憶がある。それは、夢でもなく、現実だった。


もし、あれが夢ならば俺の右手には時計があるはずだ。


だが、そこにあるのは神秘的に光るブレスレットがある。


ステータスを展開してみようと思ったが、開かない。


ここは、本当に異世界だろうか。


そう考えていると……


「あら、目覚めたみたいね。」


扉がガラガラと開き、女性が出てきた。白衣の衣装を着ており、メガネをかけておる。女医か何かかだろうか。


そして、何より目立つのは……


ボーン!!


美人な上に、二つの大砲玉があることだ。男ならあの胸で窒息死したいと誰もが思うだろう。


俺の目線には全く気づく素振りを見せず、俺のすぐそばの席へと腰掛ける。それと同時に胸が揺れて……いかんいかん。今はそんな状況じゃない。


「どこか痛いところはない?」

「い、いえ!」

「ふふ、よかった。」


なんだろう。すごく色気があって可愛い。俺たちと同年代に感じるな。


だが、俺は質問しなければならないことがある。


「あ、ここはどこですか?」


ここは、病院みたいだが……


こんなにもの沢山のベットがありながら俺以外に誰もいない。ここで入院するのは寂しい。


「ここは、王立バハムート学園の保健室よ。私は保険医のレインカよ。」

「王立バハムート学園?」


厨二臭い名前に少し笑いそうになった。ここは、異世界だ。変な名前があってもおかしくない。


「あら、知らないの?グランブルセクターに住む人なら全員が知ってはずなのに。」


俺は異世界人だ。知るわけがない。


だが、下手に答えて、怪しまれるのはごめんだ。


「記憶が曖昧で……名前はわかるんですけど」

「確かに、あの怪我なら無理もないわね。」


記憶喪失という形にしておこう。これなら、多分疑われることはない。頭にも包帯がしてあるし、どうやら出血もしていたようだし。


「それにしても残念だったわね。」


突然レインカがとても、悲しそうな目をしてきた。


「何がですか?」


残念なこと?確かに、大怪我もしてたけど、死んだわけじゃないし。現にこうやって生きてるんだ。何が残念なんだ?


「貴方のドラゴンよ。」

「ドラゴン?」


はて、俺にドラゴンなんていたっけな?


俺のであったドラゴンというとヴリトラとガイアだけだ。それ以外でいうと……


「あの、緑色のドラゴンの事よ。血だらけで、骨が飛び出してたわ。痛かったでしょうに……」


緑色のドラゴン?もしかして……


「零戦の事ですか?」

「ゼロセンというのね。残念でならないわ……貴方を守るためとはいえ、自らを犠牲にするなんて……」


どうやら、零戦の事をドラゴンと勘違いしているようだ。そりゃー、飛行機を見たことがない。物は、怪鳥かドラゴンだと思うだろう。


「あ、俺のゼロはどうなりましたか?」


俺は、零戦の事をゼロと読んでいる。なんとなくかっこいいから。


「あれなら回収されて、今頃火葬されてるでしょうね。出来れば、貴方にも参加して欲しかったわ。」


なるほど。でも、ドラゴンと違って機械で金属で出来てるから灰にはならない。


幸い、ガイアからもらった能力でまた、召喚すればいいだろう。一週間も会えないのは少し寂しいが。


「失礼します。」


コンコンと扉を鳴らす音。声からして女だろうか?レインカは「どうぞ〜」と軽い感じだ。


入ってきたのは、これまた美形の女子だ。胸はレインカに劣るが、かなりの美人だ。


「レインカ先生。怪我人の様子はどうですか?」

「ちょうど今、目覚めたところよ。」


俺と目があう。綺麗なエメラルド色の目が美しく、ひらりと揺れる金髪がこれまたいい。


レインカの事を先生と呼んでいたからここの生徒だろう。腰には刀らしいものを帯刀している。


「私の名前は、エミリアだ。怪我の方はどうだ?」


レインカの話によると、第一発言者の彼女が、俺を零戦から取り出してくれたらしい。取り敢えず礼を言わなくてはならない。


「はい。お陰で直りました。助けていただきありがとうございます。」

「私は、ただ発見したにすぎん。お前の怪我を治したのはレインカ先生だ。」


ちょっと言葉遣いが酷いが悪い人では無さそうだ。


「ドラゴンの事は残念だったな。ご主人思いのいい奴だっただろうに。」


どうやら、エミリアも零戦をドラゴンと勘違いしているようだ。


どう説明したらいいのか迷う。あれは、ドラゴンじゃないって言ったらどうなるんだろうか?


「何があったかは知らないが、お前をかばって死んだんだ。ともっなてやるんだ。」

「わかりました……」


説明するべきだったのかもしれない。だが、俺はここの学生ではない。ただの、一般人だ。変な気は起こさないでおこう。


俺の返答に、エミリアは「それがいい。」といい、席を立つ。


「怪我が治ったら早く出ていくことだ。ここは、お前のいていいところじゃない。それに……」


何かを言いかけたその時……


「ごきげんよう!」


扉をバーン!と思いっきり開け、病室に響く。余りの衝撃に、俺を含め、レインカが「ひゃっ!」とびっくりしてしまった。エミリアだけは「あちゃ〜」と言わんばかりの表情でこめかみに手を当てる。


「怪我人が目を覚ましたというのできましたわ!それより、エミリア!私との決闘がまだですわ!」


お嬢様口調の女子生徒が現れた。こちらもなかなかの美形だ。ただ、レインカとエミリアと比べて胸が寂しい。


「何を言ってるんだ、ウラリス。あの決闘は中止したはずだ。」

「わ、私は決闘を諦めた訳ではありませんわ!」


何やら、この2人はかなり中が悪そうだ。犬猿の仲って言葉が似合う。この場合はウラリスといったお嬢様系が一方的にエミリアに喧嘩を売ったように見える。


「あの時、私が止めなかったら2人とも死んでいた。」

「た、確かにそうですわね!?」

「お前は、私が避けろといったのにボーっとして動けなかったじゃないか。」

「そ、それはそうですわ……」


エミリアが圧倒的に優勢だ。当のウラリス

が段々小さくなって行くのが見えるな。女のケンカは怖いものだ。


「そ、そういえば、あの怪我にが目を覚ましたと聞きましたわ!」

「ああ、こいつがそうだ。」


エミリアが俺を指差す。


俺とウラリスの目があう。俺は「ど、どうも?」と戸惑いながらも挨拶をした。


「ふーん。よく見たら平民じゃない。」


平民で悪〜ございました。でも、彼女は明らかに俺たちとは雰囲気が違う。


雰囲気は生意気だが、腕につけているブレスレットやピアス、アクセサリーはどれも宝石が付いていて輝いている。髪もサラサラの茶髪で綺麗だ。


お姫様。それが一番似合う言葉だ。


おれが、そうも思うと彼女は突然レイピアを抜刀した。


それは、明らかに俺に向けられたものだ。


「あなた!私と決闘しなさい!」


………


辺りに沈黙が走る。ここにいる誰もが「何言ってんだこいつ。」と思うだろう。


「は?」


その言葉に俺はただ、そうとしか言えなかった。





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