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緑のドラゴン!?

「では、これより授業を始めます。」


1人の女性教師が挨拶をし、先ほどまで騒がしかった学生が静かになる。


この世界、グランブルセクターは竜騎士と呼ばれる者たちが支配する世界


ここ、王立バハムート学園。竜騎士を目指す若者たちが集う学校だ。


竜騎士の歴史は深く、2000年前に大地を破壊し尽くしていた邪神龍(レイブン)を倒すために人と龍が協力し、誕生したと言われている。


その時のリーダー出会ったこの学園の創立者であり、英雄であるグレス・レイラーが使役していた竜。白龍王(バハムート)から取ったといわれている。


かくして、レイブンは地下の奥深くの神殿へ封印されれ、グランブルセクターは平和を勝ち取った。


以来、竜騎士は全国民の憧れである。それゆえ、若者が我先にと志願してくるのである。


竜騎士に憧れる者もいれば、金のためという輩も沢山いる。


この世界において、竜騎士は貴族の分類に値する。将来は安泰が約束され、男性となればモテモテになれる。


だが、竜騎士になるには生半可な気持ちでは慣れない。


そもそも人と契約を交わす竜が少なく、契約を出来るのは純粋な子供ではないとならない。例え、子供であっても契約に失敗すれば、命の保証はない。1発逆転のギャンブルである。


それゆえ、子供を竜騎士にはさせまいとする親が沢山いる。だが、一部の貴族や商人、貧しい者たちは名誉を求めて、強制てきに契約をさせる。


ここにいる者たちはその賭けに勝った者たちだ。


私をその1人、王族のです繁栄のためにこの学園に入学した、ヤルタ・カリアス・エミリア第1王女。


私の家計は全員竜騎士だ。もちろんこの学校の卒業生。


最初は両親から竜騎士になるのは大反対だった。特に父である、カリアス王国、ゼニス・カリアス・ジェンダー国王は私を溺愛していたらしく、猛反対していた。


私は王家の中で唯一の女性だった。私は6人兄妹の末っ子だった。5人の兄たちも全員竜騎士だ。


それゆえ、竜にまたがり、甲冑を纏い、槍を持つ兄たちに憧れてしまった。


必死の説得により、条件付きだが、なんとか竜騎士専門学校に入学を許可された。


ま、殆どは母上のおかげでしたけど……


そして、私がこの学園に入学して、半年がたった。まだ、苦手なことはあるけど必死で頑張り、成績は常にトップだった。才能ではない。努力の賜物だ。


今、わたしは竜騎士の歴史について学んでいる最中だ。進級テストが近いので、特に範囲が長い歴史を頑張らなくてはならない。


「では、ヤルタさん、初代竜騎士のチーム名を答えないさい。」


教師に名指されなので席を立ち、答える。


「はい。聖龍王の翼団です。」

「よろしい。そのリーダは誰だかわかりますね?」


この問題は簡単すぎる。ここに入学したなら誰でも知っている。


「はい。この学園の創設者グレス・レイラーです。」

「よろしい。」


答え終わったので席に座る。


あたりからは「流石、姫様だ。」「天才は違う。」などの声が聞こえてくる。


わたしは、確かにこの国の姫だ。だからと言って特別扱いされるのは嫌いだった。みんなはわたしのことを天才、天才っていうけどわたしは天才ではない。ただの努力家だ。


周囲の反応に戸惑いつつも、心を落ちつしかせ、授業に集中する。


キーンコーンカーンコーン。


「では、授業を終わります。」

「起立! ありがとうございました!」

「「「「「ありがとうございました!」」」」


授業終了のチャイムがなり、教師が出て行く。先程まで、静かだった教室が騒がしくなる。話を聞くと、全員が若いだけあって恋愛などファッションなどの話がこだましている。


私も混ざりたい。だけど、私には夢がある。そのためにもハメを外していられない。


放課であるにもかかわらず、教科書を開いて先ほどの授業を復習する。


すると1人の女性が近づいてきて……


「エミリア、また授業の復習をしているの?」

「ああ、進級テストが近いからな。私には才能がないから努力するしかない。」

「でも、この間のテスト全教科のミスが10点以下とかすごいよね。」


話しかけてきたのは、私の唯一の話し相手であり、親友であるマサリー・シリアス・エリス。カリアス王国の隣国のシリアス皇国の第二王女だ。


「たが、10点もミスをしてしまった。よく見れば簡単なミスだった……」

「私なら10点しかだよ〜。」

「と言ってるお前も、学年2位じゃないか。」

「えへへ、でも悔しいよ。」


エリスは私とは違い天才だ。成績は常にトップ5位入り、竜を操る腕も一流、剣の腕も達人級だ。


「でも〜、エミリアも勉強ばっかじゃなくて、息抜きが必要だよ〜?この後暇?」

「いや、まだ3ページ残って……」

「じゃー、昼放課にランチしに行こ?」

「あ、ちょ……」


ものを言わせず、エリスは自分の席に戻っていく。


もうそろそろ、数学の時間だ。私が不得意な教科だ。


不得意と言っても、最低点数が80とかなり高い点数しか取ったことがないのだが……エミリアにとっては20を取れなかったかとが相当悔しいらしい。






「ふぅ、今回も難しいな……」


数学の授業が終わり、昼放課となった。手作りの弁当を取り出し食べようとすると……


「あ、エミリア!また、1人で食べようとして!」

「あ、いや……」

「折角こんなにいい天気なんだから、外で食べるべきだよ!」

「あ、ちょっ……」


私の意見を聞かずに腕を引張て半ば強引に連れ出す。エリスは一度行ったことや約束は絶対に忘れないのだ。


多少強引な所はあるが、それがいいところだ。


連れて行かれたのは芝生が生い茂っており、一本の木が立っている。丘だった。


「ここは景色もいいし、昼寝には最高の場所なの!」

「お前、極たまに授業にいないと思ったら……まさかここで昼寝してたわけじゃないだろうな?」

「ドキ! はは、まさかね〜。」


とは言いつつも、冷え汗がびっしょりかいている。的中か。


「ま、それは置いてお弁当食べよ?ついでにおかずを交換しようよ!」

「おまえ……わたしのおかずが目当てだろ?」

「だって、エミリアの料理美味しんだもん。」


エミリアは王女でありながらも母から厳しい指導を受けていた。料理は勿論、紅茶の入れ方、敬語などの習い事をかなりやりこなしていた。


中でも料理にはずば抜けて才能があり、王城の専属料理人からもお墨付きだ。


「ま、よい。はやく食べるぞ。」

「も〜、エミリアはわかってないな〜。」


とは言っても私には時間がない。とっとと食べて、勉強をしなければならない。


お弁当をだし、食材に感謝を込めて、食べていると……


「おや〜、エミリアさんじゃございませんの?おーほほ!」


甲高い笑い声が聞こえてきた。確かこいつは……


「リース様、お茶の用意ができました。」

「あら、ありがとう。ガイア。」


リース・アクティス・ウラリス。アクティス帝国の第1王女だ。成績はエリスより、劣るがそれでも常に学年5位だ。


「げ!ウラリスだ。」

「げ!っとはなんですか、エリスさん?」

「なんでもありません。気のせいです。」

「そうですか?」


エリスはウラリスの事が苦手らしい。お嬢様口調ですぐに調子にのるからだそうだ。


もし、彼女が普通の王女なら厳しく叱るはずだ。


だが誰もそれをできない。


彼女の帝国は世界一竜騎士を所持しているのだ。彼女にケンカを売る=アクティス帝国全勢力を敵に回すと一緒なのだ。


この学園の教師ですら彼女には敬語を話すし、何をしても怒られない。


「ところで……こんなところでお弁当なんて……シリアス王国の姫君は品がなくてよ。」

「あははは……」


エリスは笑っているが、血管が浮き出ている。


エリスを軽蔑したのち、私の方を見てきた。


「エミリアさん。こんな品がないところで食事より、私とランチしませんか?帝国一の料理人が作ったランチをご馳走しますよ?」


さー、どうぞと言わんばかりに手を差し伸べてきた。だが、私は……


「悪いが断る!」


その手を払った。その仕草にウラリスは唖然としていた。その隣のエリスも驚いていた。


「私は、エリスと食事をしている。親友を馬鹿にしたやつの誘いなどのれるわけがあるまい。」

「エミリア……」


親友という言葉にエリスは心を打たれていた。例え、帝国の王女だろうが魔王だろうが、私の親友を傷つけるなら許さない。」


だから、私はウラリスに向けて、強い眼差しを向けた。ウラリスはビビりながらも抵抗をする。


「まぁ!なんてこと! 私のような高貴な身分より、そこのちっぽけな王国の王女の方が大切だというんですか!?」

「もう一度言う。私の親友を傷つけると……」


懐にある刀に手をかける。これは悪魔で脅し。これで引き下がるだろう。


たが、ウラリスは負けずぎらい。これを決闘だと勘違いしてしまい……


「い、いいですわ!その決闘、乗りますわ!」


学園での生徒同士の決闘は禁止されている。

だが、今は御構い無しだ。


ウラリスはレイピアを抜刀し、私も刀を抜刀する。


2人の目が互いに重なり合い火花が散る。その様子を見たエリスとウラリスの従者は「あちゃ〜」とつぶやいていた。


「「いざ、参る!(参りますわ!)」」


2人の距離が一歩近づいたその時……



ゴゴゴゴココゴッ!!


あたり全体に轟音が響き渡る。あまりのうるささに、私は耳を塞いでしまった。それ同様にウラリスも「なんですの!?」叫んでいる。


上を見るとドラゴンのような影が見える。緑色で真ん中に赤い丸の様な文様がある小さなドラゴンだ。だが、何かがおかしい。


その影がだんだんと大きくなってきた。


「まずい!逃げろ!」


ドラゴンはこちらに向かってくる。恐らく私たちを狙っている。


私が叫ぶとエリスを始め、ここにいた全員が避難した。ただ、ウラリスに関しては……


なぜだか、固まったまま動かない。


「ち、世話のやける奴だな!」


エミリアはウラリスの元に近づき手を引っ張る。


「何をしている!逃げるぞ!」

「え、ああ、はい!」


手をつなぎながら逃げる。その間ドラゴンが私達に近づいてきてる。


とっさに私はくぼみを見つけ、その中にウラリスと共に隠れる。これならドラゴンの口も入らないだろう。


案の定、ドラゴンはエミリア達の頭上を過ぎていった。


その刹那……


ガガガガガガドーン!!


何かが落ちた様な衝撃が伝わる。


まさか、ドラゴンが墜落したのか?私は確認することにした。ウラリスには、ここにいる様にと、念を押した。


私は、くぼみから頭を出し、ドラゴンがまだ近くにいるか確認する。


私は目を疑った。


くぼみから出た数十メートル先の木に、緑色のドラゴンがバラバラになり煙を出している。どうやら死んでいる様だ。


だが、こんなドラゴンは見たことがない。体を触ってみるがドラゴンの鱗にしては驚くほどツルツルしていて、叩くと金属の様な音がする。音の状態からするとそこまで鱗は厚くないろうだ。


折れた翼からは血ではなく、泥色の臭い液体と金属でできた骨が見えている。


そして、頭に風車の様なものが付いている。


「変わったドラゴンだな。」


そう思い、くまなく調べて行く。多分、先ほどの衝撃音なら教師が来るはずだ。多分、そうなるとこのドラゴンは回収され、研究室に持ち込まれてしまうかもしれない。そうなると、一生見れなくなる可能性がある。


そうなる前に、私はこのドラゴンをしらべる。


その体に乗り、透明な目の様な所に立つとなぜだか赤く染まっている。


そして見つけた……


「ひ、人だ!しかも怪我をしている!」


中には肩から大量の血を流し、それを抑えるかの様に気絶している男性を発見した。


私は、その目を割り、中から男性を助け出す。見た目は15〜16歳くらいだろうか。茶色い服と帽子をつけ、大きな眼鏡をかけている。


すると、騒ぎを聞きつけた、教師が駆けつけてきた。


「怪我人だ!大至急、治療室へ!」


私は、教師が持ってきたタンカーに乗せ、治療室へと向かった。







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