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創世の傍観者とマーリン  作者: 雪次さなえ
第十一章 聖剣エクスカリバー
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page.305

       ***



 エクスカリバーの鞘を手に入れ、マーリンはひたすら霧の中を歩き回った。

 うまく行っていればアーサーが剣の方を手に入れているはずだ。

 だいぶ島の中央まで来たみたいだ……。

 壁の残骸の間隔が広い。恐らく建物があった時は、ここが聖堂だったのかもしれない。それぐらい開けた場所にたどり着いた。

 その時、反対側の霧の中からアーサーがゆっくりと姿を現した。


「アーサー」

「……マーリン」


 その表情は暗い。

 どうやら剣の方はまだ見つかっていないようだ。


「鞘を見つけた。後は剣だけだ」


 その言葉にアーサーの瞳孔が開く。

 マーリンに先を越されたのがよほど悔しいのだろうか。

 けど、多分こういうのに順番は関係ないと思う。

 それどころか手に入りづらい物の方が、威力が絶大な物の事の方が多いと考えられる。封じ込められている力が強大であればあるほど、使い手を選ぶのは慎重になるはず。おいそれと手に入る物ではないのだろう。


「剣に触れるのはアーサーだけだけど、俺も一緒に探して……」

「マーリン」


 アーサーは静かに、けれどマーリンに言葉を続けさせない何かを含んだ声で語りかけてきた。

 今まで感じたことのないその様子に、一歩踏み出そうとしていたマーリンは歩みを止めた。

 二人の間は約二メートル。

 近いような遠いような微妙な距離だった。


「何だ?」

「エクスカリバーを探す前に、俺はお前に聞かなければならない事がある。ここなら他の誰かに聞かれる恐れも無い」


 マーリンはアーサーの言葉を不思議に思いながらも、張り詰めた様子のアーサーの顔を見つめた。

 アーサーの表情には感情も温度も激昂も悲しみも何も無い。

 ただ淡々とアーサーはマーリンに問いかけた。


「お前は……魔術師なのか?」


 その言葉に、マーリンは言葉を失った。



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