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創世の傍観者とマーリン  作者: 雪次さなえ
第八章 キャメロット闘技大会~曇天の決着~
216/398

page.215

      ***



「それではこれより第三回戦、準決勝イウェイン・アストラト卿対ネントレスの試合を開始する。両者数歩距離を取れ!」


 会場に集まった見物人の数は昨日の比では無かった。噂が噂を呼び、曇天という悪天候にも関わらず、一目女騎士を見ようとたくさんの人が集まっている。

 会場中央のイウェインの視線は、既に数歩離れたネントレスにしっかりと固定されていた。その表情には普段以上の楚々とした強さがある。


「イウェイン……!」


 佐和は胸の前で両手を組んだ。祈るぐらいしか自分にできる事はない。

 貴賓席のアーサーの腰には剣。ウーサーの席の裏にはエクター卿。万が一に備え、一般観覧席に距離を置いてケイとガウェインがそれぞれ隠れて配置されている。

 あえて会場の最前列ではなく、マーリンと佐和はなるべく貴賓席のよく見える一般観覧用の立ち見エリアの後ろに控えた。

 マーリンが魔術で援護する必要が出たら、すぐに隠れられる木陰のある場所だ。


「両者、準備は良いか?それでは―――試合、開始!!」


 試合開始の鐘が鳴り響いた。



       ***



 ……忠告は届かなかった。

 モルガンは一般観覧席の人ごみの中央で、ネントレスと真っ向から向き合う女騎士に目を向けた。

 見上げれば、曇天の空の雲は更に厚く会場を覆う。

 まるであの日と同じ空。

 目を閉じれば、蘇る優しい声。穏やかな笑顔。柔らかい水色の髪。細められたライトグリーンの瞳。


 アコーロン……。




本日も二話投稿いたします。

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