ケース1・天使生き方
プロットの状態では、実にシリアスかつ感動的な話だったのに、実際文章に起こしてみると、無惨なまでのコメディー。
しろうの(いい加減な)人間性がうきぼりにされました。
一昔前の、そう、まさにファミコンでロールしたようなありがちRPG世界観に仕立てました。楽しんで読んで頂けると幸いです。
ケース1・天使の生き方
ある日、とある世界に事件がおきた。
全ての主にして、全智全能たる神が、しもべたる天使に、一つの命を下した。
曰く、
「人間の中から一人勇者を選び、地上にはびこる闇、悪魔の長たる魔王を討伐させよ」
と。
*
「……以上が、神のさたである。皆速やかに勇者の選考を行うように」
空たかくに存在する天界の城の広間には、白き羽を持つ天使たちが集まっていた。
空気はリンとすみ、城のあちらこちらに続く長い廊下は、真っ白で一点のくもりもない。
誇り高き聖なる天使は、神に仕えるものとして、また、人々より敬意と敬愛を受けるものとして、皆同様に穏やかかつ冷静な種族であった。
しかし彼らは今、神の言葉を伝えた三対の羽を持つ天使の言葉に驚き、戸惑っていた。
「天使長!それは真でございますか!?」
一人の年若き天使は、広間を去っていく大勢の天使たちをかき分け三対の羽を持つ天使長に駆け寄った。
「私が、神に直接お会いし、この耳で確かに拝聴しました。間違いありません」
天使長は、若き天使を諭すようにつげた。
しかし、若き天使の勢いはとどまる事を知らず、さらに詰め寄った。
「そんな!確かに彼らは地上の民に対し、神の御心にそむく行為はいたしますが、それは、年に2・3度の事!しかも、この行為は、我等天界と地上の王それに魔王自らの協定によって決められた事でしょう。それを今になって彼らの心を裏切るような形で・・・・・・!!」
天使長は、苦しげに眉をひそめ、そしてゆっくりと首を横にふった。
「神の移り心は今に始まった事ではありますまい。神にもわれ等が計り知れぬほどの思いがあられるのでしょう」
若き天使は、その言葉にふっと肩の力を抜いた。
「あぁ・・・・・・、では、神はまた・・・・・・・・・」
二人の天使は、互いに胸の前で指を組み、祈りをささげる様につぶやいた。
「全ては神の御心のままに・・・・・・」
彼らの頭上には純白のベールが幾重にもひろがり、光が揺れながら降り注いでいた。
さながら、彼らの祈りが届くようにと差し伸べられた、神の手であるように。




