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チンギス・ハン=源義経説の再考:東西を結ぶ英雄の実像  作者: 如月妙美


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第1章 時代背景と二人の出自

 平安末期(12世紀末)の日本は、源平合戦を経て源頼朝の鎌倉幕府成立へと向かう内乱期であった。一方、モンゴル高原では12世紀末から13世紀初頭にかけて部族連合が進展し、テムジンがチンギス・ハンとして大帝国を築いた。

 時代は重ならないように見えるが、義経没年(1189年)からハン即位(1206年)まで17年の空白が存在し、その間の義経の消息は不明瞭である。なお、モンゴルの版図拡大の広大さを考慮すれば、日本の東北地方からモンゴルまでの距離は、十分に移動可能な距離である。

 さらに義経側近の多くが東北地方へ逃れ、伝説的な足跡を残す中、同時期のモンゴルではテムジンに従った将軍が東北アジアを平定している。両者の出自には、父祖の没落と復興を志す若き武人像、さらには北方への遠征という共通のモチーフが認められる。

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