転生する事になったし、最強スキルも貰った。だから俺の人生イージーライフだろ?
「それで……俺は死んだってことでいいのかな?」
何も無い真っ白な空間に俺と、自称女神と名乗るいかにもギャルって感じの胡散臭い少女がいた。
まぁ簡単説明すると、俺は今日ちょっとした手違いで死んだらしい。
「そうなるねぇ~。まぁ、どうせ人の人生なんて80年ちょっとなんだし、誤差の範囲と思っててよ♪」
「まだ50年も残ってるじゃないか! どうしてくれんだよ!」
全く悪びれる様子もなく、あっけらかんと言うものだから、俺は叫ばずにはいられず、大声を上げた。
「まぁ落ち着いてよ~。誰だってミスする時あるじゃん? それに、こう言っちゃあれだけど、君が特に消えても困らないような、社会の歯車的感じじゃん? 独り身だし特に問題は無いんじゃない?」
「そうだけどさ!? そこは言わなくてもいいだろ? てか、それで自分のミスは、問題ないとか思ってないだろうな!?」
この自称女神め! 俺の人生をそんなあっさりとぶった斬りやがって! こうなったら、何かお詫びしてもらわないとな!
それは少し考えてから、自称女神を睨みつけた。
「それで……俺とお前が今こうやって話してるって事は、ただ謝罪と説明に来たわけじゃないって、考えていいんだよな?」
「え……? あぁ……そうだね……も……もちろんそれだけじゃないよ?」
めっちゃ言葉に詰まってるし!絶対それだけだっただろ! と心の中で俺は叫びつつ、俺は長年対応してたクレーマーの真似事をするため、冷静さを装い、静かに話した。
「なら、どう責任とってくれるんだ? もしかして元に戻してくれるのか?」
「それは無理。さっきも説明したけど、君が乗ってた車は前後のトラックによって、いい感じにプレスされて、ぺったんこなんだからね? まるで発育が来なかった女の子みたいに、それはもうつるぺったんなんだからね?」
「世界のつるぺったんに謝れ!」
「まぁまぁ、謝ってもつるぺったんはつるぺったんな訳だし、コンプレックスに思ってる人がいるなら、神に頼らず、お金の力で解決してるよ♪」
「生々しい話するのやめろ! ……てか話が逸れてるだろ? もう一度聞くけど、どう責任取るんだ俺に?」
「特別大特価大サービスのスーパーお情けスペシャルDXで、君を転生させてあげようかなと、でもね君にその資格があるのかどうかは別の話なんだけどね」
「色々と物申したい部分が少し……いやかなりあるが、話を聞こうか」
俺がそう言うと、自称女神はニンマリと笑い、俺を見つめてきた。だが、その瞳から向けられる視線は、まるで品定めしてるようにも感じた。俺はそれがどんな内容なのか、不安と興味を感じていた。自称女神からの視線を感じながらも、目を逸らさず、視線を合わせ、俺の手には大量の汗が吹きでていたが、なにせあの世だ、服なんか着てるわけも無く、俺は誤魔化すように手を握りしめ、両手を拳にした。だが、俺の気持ちがバレてたらしく、自称女神は突如俺の後ろに現れ、そっと耳元で囁いてきた。
「そんなに警戒しなくても大丈夫だよ♪ 君と話すのがあまりにも面白いから、つい意地悪したくなっちゃった♪」
俺は背筋からゾクリと恐怖を感じ、咄嗟に数歩前にでて振り向いた。自称女神とか思ったり、話し方とかで、俺は勘違いをしていた事に気がついた。紛れもなく彼女は超人的な何かがあり……俺の知ってる常識とは違うベクトルの存在なのだと。
そう気がついた瞬間、脳からは警戒音が鳴り響き、体は僅かに震え出てた。
「いきなり後ろに現れてどういうつもりだ! それより転生とやらについて、説明してくれ」
俺は必死に体の震えを抑え、警戒音を誤魔化すように強気な口調で話した。
「はいはいわかりましたよ。まぁ簡単な話、君の魂をそのままに別の世界で新しく人生をやり直して貰おうってことだよ。もちろん君がいた世界とかなり違うから、色々決めて欲しいこともあるんだけどね」
「つまり、記憶をそのままで、人生やり直しができると……それで、決めて欲しいことってなんだ?」
「決めて欲しいのは、スキルについてなんだ。 今から君が転生する世界は、剣と魔法とスキルに溢れた世界! アレだねフアンダズィーって君たちの世界では言うやつかな」
「ファンタジーな!」
俺が訂正すると、女神は「それそれ!」と俺に人差し指で指しながら、ウンウンと頷いてた。だが、俺の思考はそんな事よりも、どんなスキルに決めるか、自分の持ってる知識をフル活用して考えてた。
「と言っても……色々あって、全部説明するの面倒だから、あげるスキルはもう決めてるんだよね」
「は? 俺に選択権は無いのか?」
突然の言葉に俺は、思考を巡らせ考えてた事が一瞬で頭から消え、ただ呆然と女神を見ることしか出来なかった。
「選択権はあるにはあるし、ないといえば無いかな」
「なんだそれ? なぞなぞのつもりか? わかるように説明してくれ」
「今から君にあげるスキルは、英雄でも、魔王でも、金持ちでも貧しくも、なんにでもなれるんだよね」
「まじかよ! そんなすごいスキルくれるのか!?」
俺はそれなら、死んでよかったなと、不謹慎にも思ってしまった。まぁ、それでも貧しい人生は嫌だけどな。
俺は早くそのスキルがどんなのか知りたくて、ウズウズしながら待った。
「スキルの名前は能力作成って言うんだ。どんなのかは、そのまんまの意味なんだけどね」
「つまり……俺自身で好きなスキルを作りまくれるってことか?」
「そう……だから使う人によってどんな事でもできちゃうんだよね」
何それ?俺最強じゃん……イージーライフまっしぐらじゃんか。
「ま……まぁ、俺はその辺常識あるから大丈夫だ! それじゃ早速転生させてくれ!」
俺はスキルを知って早く次の人生に向かいたかった。なにせ最高の人生が待ってるのだから。
「はいはい、転生先はランダムでコレばかりは決めれないけど、我慢してね。 それじゃ、行ってらっしゃい。 また死んだら会おうね♪」
「最後に不謹慎なこと言わないでくれ!」
気がついたら、体から光を発して、徐々に消えていくように、輪郭や視界が狭まってきた。視界が真っ暗になる瞬間、女神が不安そうにこちらを見て口を開いてた。何か話そうにも、喋る口ももう消えていたし、耳も消えてたから、何を言ってるかわからなかった。ただ……口の動きだけで俺には「頼みますね」と言ってるように感じたのは気のせいだったのだろうか?
無事転生を済ませ、女神はただ1人その場に残った。
さっきまでの雰囲気とは全く違い、膝をつき、静かに祈りを捧げてた。消えてった男性に、本当の事を告げず、転生を済ませてしまった……それでも……私が選んだ人だから、必ず気づいた成し遂げてくれる……だから……
「あの世界を……未来をどうか救ってください……」
そう小さな声で囁き、祈りを続けた。
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