『メガロポリスパトロール』
ーーー『王都奪還作戦』
概要：4年前、不死人の魔の手に堕ちた王都を奪還すべし。尚、本依頼は戦時条項1章の2項により国難に認定され各位強制参加とする。
報酬：等級及び戦果を査定しその旨は戦時条項1章の3項に準拠するものとする。
期日：獅子王の月内必着とし、各位携行食糧7日分持参の上、完全武装において参加せよ。
備考：本作戦の前段階において偵察任務有り。希望者は散華の月までに別途ギルド窓口にて確認せよ。
依頼主：暫定諸公連盟
ーーー
エイダ「ジジ…もう一回読んでくれ…」
ジジ「何回読んでも一緒ですよ…」
ランマル「ど、どうされたでごさる？戦でござるか？」
エイダ「あーもう！クソッタレ！！」
「アタイらまだ銀等級に上がってねぇんだぞ！！」
「オッサンのせいだかんな！あの宝玉がありゃあ今頃…」
ロベルト「…」ガタン
ジジ「ちょ、ちょっとロベルトさん」
「エイダさん！ロベルトさん怒って出て行っちゃいましたよ！」
エイダ「やっべ…」「お、おいオッサン！待てよ！」バタン
ジジ「はぁ…浅慮遠望とはこの事ですね」
ランマル「果たしてそうでごさろうか」
ジジ「ランマルさん？」
ランマル「あの顔は…」
「まるで戦に赴く武士の顔でござった…」
エイダ「…ハァハァ」
「オッサン！待ってくれよ！」
ロベルト「…」
エイダ「悪かったってば！」
ロベルト「…なんの事だ」
エイダ「へ？だってアタイが変な事言っちまったから怒ってんだろ？」
ロベルト「…違う」
エイダ「じゃ、じゃあどうしたってんだよ」
「いつも無口だけど今日のオッサン、なんか違うんだよ」
ロベルト「…お前達には関係ない」
エイダ「…関係ないってなんだよ！」
「アタイ達パーティーなんだぞ！」
ロベルト「…昔の話だ」
「…俺とアイツのな」
エイダ「だから！アタイらパーティーだっつってんだよ！」
「あのケチ猫ならこう言うぜ！」
「ロベルトさん死なば…死なば…何だっけ？モロキュー？？」
「とにかく！」
「アタイらパーティーが戦で成り上がるにはオッサンが必要なんだよ！」
ロベルト「…偵察任務に志願するつもりだ」
「…王都は今『死のメガロポリス』と化してやがる。下手すれば死ぬぞ」
エイダ「へっ！望む所だってばよ！」
「本作戦前に銀等級に上がれるかも知れないしな！そしたら犬死にしなくて済むってもんよ！」
ロベルト「…アイツとケリをつける」
「…協力してくれ」
エイダ「あたぼーよ！」
ジジ「あ！ロベルトさん戻ってきたんですね」
「エイダさんが失礼な事を言ってすみませんでした」
ロベルト「…いいんだ」
「…それより」
エイダ「おっと！こっから先はアタイから言うぜ！」
「アタイらは偵察任務に志願する！」
「そんで成り上がって一気に銀等級目指すぜ！」
ジジ「ふぅ」
「やっぱり言うと思いましたよ」
ランマル「戦は武士の本懐でござる！戦場にはきっとあのお方も居られるに相違ない！」
エイダ「だってよオッサン」
ロベルト「…感謝する」
ジジ「ヒューマンの諺で言うでしょう？」
「死なば諸共の木刀、ですよ」
エイダ「それだーー！！！」
次回 『一度きりのラブ・コール』
