第3話 考え事整理
呆然としてても状況は変わりません。
とりあえず冷静になってこの状況で、分かる事について考えていきましょう。
なぜか異世界転生を果たしていた私は、妖精さんになって彼らの事を観察してます。
魔法があるこの世界では、人間や特殊な生物は、不思議な力を使う事ができます。
妖精もそうです。目立つ魔法は使えませんけど。物を隠したり、ちょっと人間を元気にしたりできます。
私は……おそらく隠密っぽい魔法が常時発動しているのでしょう。
牢屋の中の彼らは、私がいることに気が付いていないようです。
実は先程から、彼らの回りをくるくる回ってるんですよ。
でも、誰も反応してくれない。
死んだ目で虚空を見つめてます。
私が長々と考え事にふけっていても、誰も喋ってません。
ええ?
この状況でやる事といったら、あれしかない?
つまり私、救済装置?
バッドエンドになった世界の登場人物達が可哀そうだからなんとか救いたい。
そんな皆の願いが奇跡を起こした。
みたいなアレなんですか?
ええー、嫌ですよ。
よりによって何でチョイスを私にしたんです?
かよわい私が何でそんなことに巻き込まれなくちゃいけないんですか。
そう思ったなら、自分で何とかしてください。
自分で奇跡起こしといてくださいよ。
妄想とか夢の中でもかいてでもいいから、そのフラストレーション解消してて。
一時間、えんえんと愚痴をこぼす私。