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宝物の彼女  作者: 近江 由
手を取り合う
15/135

他国の影

 

 備蓄チェックしているサンズは首を傾げていた。


「どうしたんですか?数が合わないとか?」

 マルコムはサンズが持っているチェック表を覗き込んだ。


「違う。ライガのことだ。」

 サンズは首を振った。


「ライガ?何かしたんですか?」

 リランとアランが自分のチェックが終わったのか、走り寄ってきた。


「いや、ライガというよりも、ライガがヒロキさんと団長の会話を知っていそうな様子だったことだ。」

 サンズは三人を見た。


「別に気になりますけど、そこまででは…」

 マルコムはサンズが気になっているのを見て、苦笑いをした。


「俺の方がヒロキさんとの付き合いは長いはずだ。」

 サンズは胸を張って言った。


「別にヒロキさんが話したとは限らないですよ。」

「でも、団長が話すとは思えないですよね。」

 リランとアランも首を傾げていた。


「俺の予想では…ライガは二人が話している場面に遭遇したんだ。」

 サンズは人差し指を立てて説明した。


 マルコムたちは頷いて、サンズの話を聞いていた。


「そして…あの様子を見ただろ?…気まずそうな顔。」

 サンズの言葉に三人は頷いた。


「あの様子だと絶対話していた内容は悪口だ。」

 サンズは断言した。


「「「悪口?」」」

 マルコムたち三人は声を揃えた。


「ああ。あれは悪口を言われている奴がその場にいたから目を泳がしたとしか思えない。」

 サンズは胸を張って断言した。


「別に、悪口ぐらい気にしてどうするんですか?意外と細かいですね。」

 マルコムはサンズの様子を見て呆れたように言った。


「お前は気にならないのか?団長が言っている悪口!!」

 サンズはマルコムを指差して言った。


「気にならないわけないですけど、知ったところでですよ。だいたい、気にしていたら俺のような人はやっていけませんよ。」

 マルコムは溜息をついた。


「確かに。」

 アランとリランはマルコムを見て納得したように頷いた。


「俺は気になる。…どうにかしてライガから聞けないのか…」

 サンズは俯いて考え込んでいた。


「…仕事しましょう。」

 マルコムはサンズの持っていたチェック表を取り上げて、再び彼に押し付けた。




 

 アレックスはいかに不意を突かれて馬の糞を踏むはめになったのかをライガたちに訴えた。


「あの、少しよろしいでしょうか?」

 ライガたちに説明をした騎士がライガたちに恐る恐る話しかけてきた。


「なんですか?」

 ミヤビは笑顔で応えた。


「もうすぐ一族の方が来ると思うのですが…その、念のために街道沿いで待っていた方が…」

 騎士は部屋の出口に立って、外に出るように促した。


「そうだな。…一族は国内とはいえ…」

 アレックスはそう言って立ち上がった。

 だが、表情を変えた。


「行くぞ。というよりも何で来てもらうんだよ!!迎えに行けばよかった。」

 アレックスは急いだ様子で部屋を飛び出した。


「アレックスさん?」


「隣国の奴らだ。」

 アレックスは眉を顰めていた。


「え?」


「どうしてわかるんですか?」


 ミヤビとライガは彼が分かることが分からなかった。


「お宝様の力は他国も喉から出が出るほど欲しいんだ。」

 アレックスは質問には答えずに言った。


 三人は慌てて外に出た。




 誰もいない。


 が、何か聞こえた。


「平和ボケしちまったな。」

 アレックスは剣を抜いた。


「ミヤビ、サンズさんたちを呼んできて。」

 ライガも剣を抜いた。


「わかった。」

 ミヤビはサンズたちのいる備蓄倉庫に向かった。


「あの、私は…?」

 案内してくれた騎士がライガとアレックスの後ろにいた。



「騎士らしく、他に被害が無いようにしろ。」

 アレックスは何が標的を見つけたのか目を光らせた。


「行きますか。」

 ライガもアレックスが見つけた標的を見つけた。



 二人の視線の先では揺らめく影があった。


「あの動き方は、忘れない。」

 アレックスは影を見て歯ぎしりをした。



「誰か…」

 助けを求める声が微かに聞こえた。


「ライガ、優先するべきは保護だ。その次に生け捕りだ。」

 アレックスはそれだけ言うと暗闇に揺れる影に向かった。


「はい!!」

 ライガはアレックスの動きを見て、揺れる影の出方を窺った。


 近付くと影は数人の人だった。

 屈強そうな男達だ。


 見たことのない服装で、身軽そうな武器を持っていた。

 おそらく異国の者だろう。


 鎧を着ているライガたちよりも動き易そうだが、アレックスの動きの勢いはすさまじかった。


 ギイン


 アレックスの剣が異国の男たちに防がれた。

 だが、それで隙を作るアレックスではない。


 弾かれたと思ったら、直ぐに体を逸らせたままのけぞらせて地面に転がり、移動しながら立ち上がった。


 ライガは異国の男達に囲まれていた人たちを見つけた。

「早くこっちへ。」

 ライガが数人の男達に手招きをした。


「は…はい。」

 男達はライガを見た。


 その目は真っ黒で吸い込まれそうなもので…

 ミラと同じだった。


「鑑目…」

 アレックスの言う通り、異国の者に襲われていたのは、ミラと同じお宝様の一族だった。



ライガ:

帝国騎士団の精鋭部隊に所属する。小さいころからミラを守る立場にいた。短い栗色の髪をした茶色の目をした青年。


ミラ:

「お宝様」と呼ばれ、鑑目を持つ少女。真っ黒な髪と真っ黒な目をしている。王子に嫁ぐことが決まっている。ライガとは相思相愛。


ジン:

帝国騎士団団長。最年少で団長に就く。精鋭部隊の隊長でもある。栗色の長い髪を束ねており、瞳の色は顔にかかる包帯のせいで分からないが、色が白く線の細い輪郭をしている。王族の人間。


ヒロキ:

帝国騎士団副団長。精鋭部隊の副隊長でもある。長い濃い茶色の髪で切れ長の目をしている。全体的に細長い印象のある顔の造りをしている。ジンが気を許している数少ない人物。ライガとミラの関係に好意的。


マルコム:

精鋭部隊の一員。穏やかな青年。瞳も髪も茶色で中性的で幼い顔立ち。オールバックの髪型で、優し気な眉毛とたれ目をしている。


ミヤビ:

精鋭部隊の一員。隊の紅一点。赤みがかかった金髪で、目はグレーで中々の美人。厚みのある唇がチャームポイント。


アラン:

精鋭部隊の一員。ライガの後輩。リランと双子。長い赤毛をポニーテールにして全部束ねている。瞳の色は茶色で髪を留めている紐の色は黒。弟。


リラン:

精鋭部隊の一員。ライガの後輩。アランと双子。長い赤毛をポニーテールにして全部束ねている。瞳の色は茶色で髪を留めている紐の色は赤。兄。


サンズ:

精鋭部隊の一員。ライガの先輩。硬そうな短い黒髪をして目も黒く、彫が深くて眉が太く骨骨しい輪郭をしている。


アレックス

精鋭部隊の一員。ライガの先輩。長い金髪と緑色の瞳で顔立ちがはっきりしている。



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