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宝物の彼女  作者: 近江 由
混沌へ~結末その1~
101/135

父の幻影

この章が、~結末1~の最終章になります。

~結末1~は、あと十数話ほど続く予定です。



 王都のとある建物の屋上から、王城の様子を窺う影があった。


「…嘘だ。イシュが…」

 王城の庭に転がるイシュの首が切断された遺体を見てシューラは愕然とした。


「…なんだよ…あいつ、あんなに強かったのかよ…」

 シューラは親指を噛んだ。


 シューラは警戒するように王城の周りを見た。

 王城の周りには、どんどん騎士が押し寄せて来ていた。


 かろうじて見える皇国兵は、どんどん倒れていく。


 ガタン


 背後から音がして、シューラは腰に付けた刀を素早く抜いた。


「お…お前!!」

 二人の帝国騎士がシューラを指さして叫んだ。


 シュン


 シューラは素早く彼らの首を斬りつけた。


 ヒュッ


 という呼吸音を立てながら二人は首から血を流して倒れた。


「…もうだめだな。」

 シューラは足音を立てずに建物の屋上から飛び降りた。


 彼はいくつかの建物の屋根を伝い、王都の外に向かった。


「…今だけだからな。」

 シューラは王城を睨みながら言った。







 アレックスが敵の大将を倒したことや、増援が駆けつけたこと、生きている精鋭が全員揃ったことで王城の皇国兵は鎮圧された。


 ボロボロになっている騎士に守られながらも王は無事だった。

 騎士団の兵舎に向かった他の王族や貴族や使用人たちも無事だった。


 その様子を見ながらアレックスは安心したように笑っていた。


 マルコムが殲滅の指示をして、リランが生き残っている者の拘束を指示する。


「…休め。アレックス。」

 ジンは気を遣うようにアレックスを見た。

 彼は殲滅に動いている騎士を混乱させないように包帯を軽く巻いていた。


「まだ休めません。小憎たらしい後輩たちがしっかりと仕事を放棄しないかを見ないといけない。」

 アレックスは持っている剣を杖にして立っていた。


 サンズはアレックスの横で彼の様子を見て険しい顔をしていた。


「…あの、アレックスさん。」

 ライガは恐る恐るアレックスを見た。


「おい、ライガ。今はそれどころじゃない。…ほら。」

 アレックスは目を細めてライガの背後を指さした。


 その先には、リランとマルコムに連れられた王がいた。

 どうやら二人とも仕事を他の騎士に押し付けて来たようだ。


「…聞くことがあるんだろ?…お二人さん。」

 アレックスはライガとジンを見た。


「…ああ。だが、お前は…」


「俺も、王から話を聞いていた途中で襲撃された。…聞きたいんだ。」

 アレックスは困ったように笑った。

 彼の口からは、拭いきれない血が滴っていた。


 アレックスの横のサンズは、険しい顔をして居る。


「でも、アレックスさん。」

 ライガはアレックスの容態が心配だった。


「だから…俺も聞きたいんだって…」

 アレックスは俯いて、震える手で口の血を拭った。


「…知りたいだけだ。」

 アレックスは縋るようにライガを見た。


「ダメだ…アレックス!!」

 サンズは耐え切れないように叫びだし、アレックスの腕を優しく掴んだ。


「早く…手当てを…」

 サンズは縋るように見た。


「俺はわかっている。早くしろ。」

 アレックスは首を振った。


「だが…」

 サンズは悲痛な顔をした。


「糸が切れる前に…今の、興奮状態が続いているうちに…」

 アレックスは、息を切らしながら言った。


 アレックス、サンズ、ジン、ライガの前に王を連れたリランとマルコムが来た。


 二人は気を遣うようにアレックスを見た。


「悪いな。我儘を聞いてもらって…」

 アレックスは申し訳なさそうに笑いかけた。


 リランとマルコムは顔を伏せた。


「…話の途中だったな…アレックス。」

 王もアレックスを気遣うように見た。

 守られ、目の前で戦いを見ていたため、アレックスに対して恩義と尊敬の念を抱いたようだ。


「ああ。ここにいる息子どもが聞きたいことがあるようだ。」

 アレックスはジンとライガを指した。


 ジンとライガは驚いたようにアレックスを見た。


「…団長の顔を見たらすぐわかりましたよ。」

 アレックスは呆れたように言った。


「…っと…」

 身体を支えている剣でのバランスを崩し、アレックスは地面によろめき倒れた。


「おい!!」

 寸でのところでサンズが受け止めた。

 彼の顔は真っ青だった。


「悪いな。…話をしてくれ。」

 アレックスはサンズの腕にもたれたまま、目だけライガたちに向けた。


 そんなことを言われても、アレックスの容態が心配でそれどころではない。

 サンズは首を振った。

 マルコムもリランもだ。


「先輩命令だ。」

 アレックスは血を吐きながら言った。


「話を聞かせろよ…」

 アレックスは目を細めて言った。


 興奮状態が解けつつあるのだろう。彼の顔は苦痛に歪み始めていた。


 サンズは頑なに首を振った。


「俺を優先しろ。」

 アレックスはサンズの腕を掴んで、彼を睨んだ。


「王城を守ったんだ。我がまま聞いてくれよ。」

 アレックスは口元を歪めながら言った。

 その口からは、やはり血がとめどなく流れていた。



「…最後まで聞けよ。」

 ジンは少し沈んだことで言った。


「意見もさせてください。」

 アレックスは笑いながら言った。




 彼等の様子を見ていた王は、悲痛な顔をしていた。

 彼もこの状況には思うところがあるようだ。




「…では、聞きます。」

 ライガは、アレックスから視線を逸らした。


 彼を見ていると、話しは出来ないと思った。



 王はジンとライガを見ていた。


 ライガも王を見た。

 何度か見たことのある、この国でいると雲上人のような存在だが、今のライガにとっては違った。


 ジンはそっと、包帯を外そうとした。


「…そんなことしなくても、話す。」

 王は諦めたように俯いた。


「…アレックスに免じて、全て話す。」

 王はライガとジンを見た。

 その目には、恐怖があった。


 二人を通して誰かを見ている。


「…お前らの父…レイ・タイナーのことだな。」

 王の言葉にサンズとリランは目を見開いた。


「後で話す。」

 ジンは二人を見てそれだけ言った。


「お前の知っている通り、彼はジンの王族の父を殺した。」

 王は滞ることなく言った。


 サンズの顔がさらに青ざめた。彼の抱えられるアレックスは悲しそうな顔をした。


「…何だよ。それ…」

 リランは考えが追い付かないようで、独り言のように呟いていた。


「…団長から聞きました。…その後のことです。」

 ライガは王を睨んだ。


「…」

 王はライガを見た。


「俺と、母を捨てた父は…どこに…」

 ライガは言った後、首を振った。


「いや…父は、本当に俺達を捨てたんですか?」

 ライガは訊き方を変えた。


 王は険しい顔をした。


「…王。」

 アレックスは王を見た。


 王はアレックスを見て頷いた。

「話す。…そう言ったからな…」

 王は再びライガを見た。


「お前の父は、確かにお前とお前の母を捨てるような形で王族にたてついた。」


 王の言葉にライガは顔を歪めた。


「だが…彼が本当に壊れたのは…違う。」

 王は悲痛な顔をして首を振った。


「本当に…?」

 ジンは眉をピクリと動かした。


「ああ。彼は、お前の母の復讐を終えたら…帝国から逃げるはずだったのだろうな…」

 王はライガを見た。


「そんなこと…だいたい俺は騎士団に入団したんだから…」


「そうだな。だが、そうならなかったのには理由がある。」

 王は言いにくそうな顔をした。

 その顔にあったのは罪悪感だった。


「まさか…」

 ライガは顔を青くした。


「…不審に思っていたのか?」

 王はライガの表情を見て、気まずそうに訊いた。


「彼は何も知らない。俺の推測です。」

 ジンが付け足すように言った。


「やはり、お前は王族を信用していないのだな。…いや、今回はお前が正しい。」

 王はジンを見て悲しそうに言った。


「じゃあ…まさか。」

 ライガは口元を歪めた。


 彼の表情の変化を見て、サンズとアレックスは何かを察したようで悲痛な顔になった。


 ライガに対して冷たいリランもライガの表情の変化が気になるようだ。マルコムはライガと王を交互に見ている。


 王が話し出そうとした。

 ライガは深呼吸をした。


「…お前の母は、王族の手によって…報復として殺された。」


 王の言葉は、ライガが予想していたことだった。いや、ジンが怪しんだことで、ライガも次第に怪しく思い始めたことだった。


 だが、これで父が完全に壊れた理由が分かった。


 かつての最愛の女性を奪われ、その復讐をしてしまった。

 その時点では、父はそれ以上を止めることを考えていた。


 それ以上を決意させること。


 自分に忘れられない女性がいても、自分を愛してくれた人、それが奪われた。


「…父さんは、帝国を憎んでいる。」

 ライガは確信を持って言った。

 ジンも頷いた。


 サンズとアレックスも険しい顔をしていた。


 リランとマルコムも何か思い至ったのか、険しい顔をしていた。


「…皇国とのつながりを持ち、帝国内部を知り、帝国を憎んでいる。」

 ライガは拳を握った。


「…だけど、自分と愛した女性の子供である団長を殺すような作戦を…」

 アレックスは納得していないのか、信じたくない様子だった。


「落ち着け。アレックス。」

 サンズはアレックスを落ち着かせるように彼の背中をさすった。


「大きな組織になれば、頭が意図していない動きをするものが出る。団長の正体を知らないのなら…そうなってもおかしくない。」

 マルコムは首を振った。


「…そうですね。…王族を滅ぼしたいものにとっては、団長は邪魔者です。」

 リランも確信を持っているようだった。


 王はライガから視線を外してアレックスを見た。


「…あの時言いたかったのは…私は、この件の黒幕はブロック伯爵も絡んでいると思うが…」



「レイ・タイナーこそが…黒幕だと思っている。」

 王は曖昧な表現を使いながらも確信を持った口調だった。


 あやふやだった父が、初めて実体を持った気がした。


 王の言葉は、ライガの中に生まれた父の幻影を形にした。



「…ありがとうございます。」

 ライガたちは王に頭を下げた。


 王は首を振った。


「…では、避難所に…」

 マルコムとリランが王の横に付き、再び彼を案内しようとした。


「いや、いい。」

 王は首を振った。


 彼はアレックスを見た。


「ありがとうございます。」

 アレックスは目だけ王に向けた。


「…君を、見届けたい。」

 王はサンズに抱えられたアレックスの元に近付いた。


 アレックスは困ったように笑った。


 アレックスは弱っていた。

 興奮状態にあったことで戦い抜いたが、矢を射られ、腹部を強打された彼の体はボロボロだった。


 サンズがアレックスを抱えたままその場に座り込んだ。

 彼等を囲むようにライガ、ジン、リラン、マルコム、王は立っていた。


 



 与えられた仕事を終えた騎士たちが次々と彼らの周りに集まった。

 人が集まるにつれて、アレックスの呼吸は弱まってきた。



 彼を抱えるサンズは俯いた。


 ジンは包帯を外して、アレックスを見た。


「最後の剣撃…見事だった。あれだと、俺も勝てるかどうかわからん。」

 ジンは本音を言った。


「ああ。でも、あれ普段使えないですよ。だって、あんな少し動いただけで左腕はもう使えなくなりましたから…」

 アレックスは重そうに左手を持ち上げて言った。


「わかっていれば、俺だってアレックスさんと沢山手合わせ…」

 マルコムも王に寄り添うようにアレックスに近付いた。


「だから…使えないって言っているだろ。ぶっ壊れていんだから…」

 アレックスは困ったように笑った。


「…でも、あの奇抜な戦い方…あれ、教えてくれても」

 リランもアレックスに近付いた。


「あれは感覚でやっているから教えられないって、俺が教えられるのは…つまんねー右手での戦い方と…」


 アレックスはライガを見た。

「挨拶の大切さとか…」

 アレックスの言葉にライガは俯いた。


 アレックスはジンを見た。

「頭に血が上りやすい奴に静まり方と…」

 ジンもライガと同じように俯いた。


 アレックスはリランを見た。

「仲間を思いやることや…」

 リランも二人と同じように俯いた。


 アレックスはマルコムを見た。

「仲間を殴るときは優しく殴ることや…」

 マルコムは他の者たちと同じように俯いた。


 アレックスはサンズを見た。

「優し過ぎないこととか…」

 サンズはアレックスを二度見した。


 アレックスは重そうに左腕を持ち上げた。

「…俺の…これは、お前のせいじゃない。」

 アレックスの言葉にサンズは首を振った。


「違う…俺のせいだ。俺が、20年前、俺のせいだお前の腕は…」

 サンズは歯を食いしばって絞り出すように言った。



「…俺のせいだ。…そして、お前のお陰で…」

 アレックスは先ほどまで杖にしていた剣を見た。


「俺は…勝てた。」

 アレックスは嬉しそうに微笑んだ。


 アレックスは王を見た。


「最期に無礼を承知で言います…」


「かまわん。」

 王は俯いて言った。


「…王子、きちんと教育してやってください。」

 アレックスは文句を言うように口を尖らせた。


「…無礼だが…お前の言う通りだな…」

 王は悲しそうに笑った。


 アレックスは溜息をついて空を見上げた。


「…団長、俺には…荷が重かったです。」

 アレックスは目だけジンに向けた。


 ジンは何も言わず、アレックスを見た。


「…お前らも、暴れるなら…もっとうまくやれよ…」

 アレックスは憎まれ口を言うように言った。


 彼の声は、徐々に弱くなっている。

 彼の声を聞き取るためにライガたちは皆アレックスに近付いた。


 アレックスはその様子を察して嬉しそうに笑った。


「また集まることを期待していた…俺はこの隊が好きだからな…」


 アレックスは目を細めた。


「…だから、…誰かいるべきだと…思っていた。」

 アレックスは目に涙をためた。


 リランはアレックスの言っていることが分かったのか、手を震わせて、彼の力なく垂れている右手を取った。

「…あんた…馬鹿ですよ…」

 リランは声を震わせた。


 アレックスは目を不自然に動かして笑った。

 もう、周りが見えなくなっているようだ。


「…激務だった…」

 アレックスは溜息をつくように息を吐いた。


「…俺の後始末…いつもやらせて悪かった。」

 アレックスは上を向いて言った。

 おそらくサンズに言っているのだろう。


「今更なんだよ…それ…」

 サンズは首を振った。


「また…頼む。」

 アレックスはいつもの気軽な口調で笑った。


 サンズは歯を食いしばり、頷いた。


「…何だよ、サンズ…聞こえねー…ガホッ」

 アレックスは口から血を吐きだした。


「アレックスさん!!」

 リランは悲痛な顔をしている。


「アレックスさん!!」

 マルコムもリランと共に彼の右手を取った。


「アレックスさん。」

 ライガもリランとマルコムと同じように彼の右手を取った。


「…アレックス。」

 ジンはアレックスを抱えるサンズの横に付いた。


 アレックスは彼らの声を聞いて満足そうに目を細めた。そして、上を変わらず向いている。


「…任せろ…アレックス…先輩。」

 サンズは絞り出すような声で、アレックスに応えた。


「先輩は…止めろよ…」

 アレックスは満足したように微笑んだ。


「…なら、俺は…」



「…疲れ…た…」


 アレックスは眠るように目をゆっくりと閉じた。


 微かに聞こえる呼吸音が、弱まっていく。


 ライガたちが握るアレックスの手の鼓動が弱くなっていく。


 彼の手に縋りつくように、ライガとリランとマルコムは、互いの手を気にせずに引き留めるように彼の手を強く握った。


 サンズはアレックスを抱えて彼を見ていた。


 手の鼓動が消えていく。

 呼吸音も、消えていく。


「…おい、アレックス…おい…おい!!」

 サンズは目を閉じたアレックスをゆすった。


 アレックスは返事をせず、ただ揺さぶられるだけだった。


「…ぐ…う…」

 リランが歯を食いしばり、嗚咽を漏らし始めた。


 マルコムは放心したように口を開いたまま涙を流している。


 ジンは俯いて額に手を当てて歯を食いしばっていた。


 ライガは最後にアレックスと手合わせしたことを思い出した。

 彼とは何度か手合わせをして勝ったことがあったが、あの時は



「…負けたままだ…」

 ライガは呟くと、涙が溢れた。

 アレックスとの思い出が蘇った。


 騎士団に入る前に絡んでも構ってくれたこと。


 挨拶の大切さ


 それはおそらくライガが何も言わずに裏切ったことを言っているのだと思った。


 少し意地の悪いいい方だが、彼の思いが、考えが分かった。


「…優し過ぎるのは…お前だ…」

 サンズは返事のしないアレックスに縋りつき、泣き叫んだ。



 皇国の襲撃を受け、一時占領されかけた王城は、皇国軍を無力化して取り戻すことができた。

 だが、守りについたアレックスを始めとした帝国騎士たち、避難の遅れた王族、貴族、使用人、町の者など多大な犠牲の傷跡は大きい。


 王城や王都全体では、犠牲を嘆く声が響いた。



ライガ:

主人公。帝国騎士団の精鋭部隊に所属する。小さいころからミラを守る立場にいた。短い栗色の髪をした茶色の目をした青年。ミラと深く愛し合っており、彼女が絡むことには若干頭に血が上りやすい。ミラと逃げる。彼女に求婚し晴れて結ばれる。父が前騎士団団長で行方不明。マルコムとの戦いで重傷を負う。


ミラ:

ヒロイン。「お宝様」と呼ばれ、鑑目を持つ少女。真っ黒な髪と真っ黒な目をしている。王子に嫁ぐことが決まっていた。ライガと深く愛し合っており、彼と逃げる。晴れてライガと結ばれる。


ジン:

帝国騎士団団長。歴代最強と言われた前騎士団団長であるライガの父を決闘で破り、最年少で団長に就く。栗色の長い髪を束ねており、瞳の色は顔にかかる包帯のせいで分からないが、色が白く線の細い輪郭をしている。剣の腕はまさに帝国一と言われるほどである。母親は王族に嫁いだお宝様であり、表面上は王族の人間。その実、父は前団長であり、ライガの兄にあたる。副団長のヒロキに精神的に依存していた。


マルコム(マルコム・トリ・デ・ブロック):

精鋭部隊の一員。瞳も髪も茶色で中性的で幼い顔立ち。オールバックの髪型で、優し気な顔立ちをしている。ライガとの戦いで右頬から右耳にかけて残る傷を負った。国境の貴族ブロック伯爵の息子。槍使いで、顔からは想像し難いほど筋肉質で高い身体能力を持っており誇っている。力主義が強く、弱い者を尊重しない面が強い。尊敬していたライガの裏切りに激怒していたが、騎士として彼に戦いを挑み彼に敗れたことや、自分の父が騒動の黒幕に加担していると考えたことから、騎士を辞めることを決める。


アレックス

精鋭部隊の一員。ライガの先輩。ジンの代理で全体の指揮を任され、新団長として指名される。長い金髪と緑色の瞳で顔立ちがはっきりしている。普段の生活態度とは違い、堅実で手堅い戦い方をする。その実元は左利きであり、かつては天才とまで言われていたが、ケガで右で使わざる得なくなった。また、派手な様子からは察せられないほどの苦労人。サンズ同様に戦場経験者。自分よりも若い隊員の死や、それによって追い詰められている仲間達を見て心を痛めている。頑なに帝国騎士団としての行動にこだわる。


サンズ(サンズ・デ・フロレンス):

精鋭部隊の一員。ライガの先輩。硬そうな短い黒髪をして目も黒く、彫が深くて眉が太く骨骨しい輪郭をしている。見た目通り力が強く、騎士団一の怪力を誇る。王都の貴族で父が公爵だが階級意識が無い騎士団を好む。文学青年でロマンチスト。先輩のアレックスは親友であると同時に命の恩人であり尊敬している。精鋭では数少ない戦場経験者。仲間の死で精神的に参っているのに加え、自分が面倒を見ていたアランの死で本格的に心を病むが、王城と王都の襲撃や母の言葉で騎士団として動き出す。


リラン:

精鋭部隊の一員。ライガの後輩。アランと双子。長い赤毛をポニーテールにして全部束ねている。瞳の色は茶色で髪を留めている紐の色は赤。アランと二人で「赤蠅あかばえ」と呼ばれるほど戦いにくいと騎士団内で有名。双子の弟アランの死に精神的に崩壊し始め、マルコムと共に騎士団とは別に動く。兄。


チャーリー:

フロレンス家の執事。精鋭部隊に協力的。


アシ:

隣国の皇国の者。黒髪と褐色の肌、グレーの目をしている。大きい目と大きい鼻が特徴的な顔の造りをしている。小刀を使う。ライガの逃亡に協力的だが、真意が測れず怪しい。ヒロキに剣で追い詰められたことや、彼の剣技に魅せられ囚われている。


イシュ(イシュ・ガイン第二将軍):

隣国の皇国の者。黒髪と褐色の肌、グレーの目をしている。彫が深く、目が細く鋭い。弓を使う。ライガとマルコムの潰し合いを望み、隙を見てミラを奪おうと画策したが、バレて二人に返り討ちにされ重傷を負う。皇国二番目の軍人、将軍らしく腕が立ち、兵からの尊敬を集めている様子。


シューラ:

隣国の皇国の者。白い髪と赤い目をしている。牙のような八重歯が特徴的。長い刀を使う。襲撃時にマルコムの攻撃を真に受け、ケガをしたことにプライドが傷ついた様子。


モニエル・デ・ブロック(ブロック伯爵)

皇国との国境を統治する地方貴族。皇国の事情に詳しい。マルコムの父親。三人の息子がいたが、マルコム以外を亡くす。彼を跡取りにするため、アレックスに交渉するなど動いていた。皇国の襲撃犯などと接触をしており、黒幕に近い人物。


レイ・タイナー:

元帝国騎士団団長。ライガとジンの父。ジンとの決闘に敗れ団長を退いたが、歴代最強と言われるほどの剣士だった。団長時代は敵国である皇国の大臣と交流を持つなど帝国の命令から反する行動をしていた。最愛だったジンの母の死の真相を聞いて王族を殺害するなど、精神的に崩壊する。現在行方不明。



ヒロキ:

帝国騎士団副団長。精鋭部隊の副隊長でもある。長い濃い茶色の髪で切れ長の目をしている。女性顔負けの端麗な容姿故に飾り物と陰口を言われることが多い。ジンとは付き合いが長い。流れるような剣術で他の騎士に比べて非力だが、目の良さと器用さがあり、確かな実力を持っている。皇国の元大臣の息子。一族の失脚の際、ジンとライガの父に命を助けられた。アシたちの襲撃を受けて死亡。ジンに看取られる。


ミヤビ:

精鋭部隊の一員。隊の紅一点。赤みがかかった金髪で、目はグレーで中々の美人。厚みのある唇がチャームポイント。剣の腕は他の精鋭に比べると劣るが、弓の名手。ライガに片思いをしていた。ライガの裏切りに激怒し、非常に荒れ、暴走していた。ミラを襲ったことをライガに憎まれ、それに耐えられず自死する。


アラン:

精鋭部隊の一員。ライガの後輩。リランと双子。長い赤毛をポニーテールにして全部束ねている。瞳の色は茶色で髪を留めている紐の色は黒。リランと二人で「赤蠅あかばえ」と呼ばれるほど戦いにくいと騎士団内で有名。ヒロキが襲撃を受けたことを自分のせいだと責めていた。弟。リランと間違われ捕らえられ、その際に黒幕たちの会話を聞き、それが見つかり襲撃され死亡。サンズに看取られる。


キョウ:

鑑目の一族の族長。ライガたちを匿ってくれていた。ジンの祖父。一族の者によって殺害される。ジンに看取られる。



コマチ:

ヒロキの母でヒロキそっくり。皇国前大臣の妻。傾国の美女と言われるほどの美貌を持っていた。ヒロキが見ているところで首を刎ねられ死亡する。現在も皇国の支配層に影響力があるらしい。


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