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部屋の模様替えをしますがそれが何か?

今回は部屋の模様替えです

ニート艦はどんな方法で部屋の模様替えをするのでしょうか

では、どうぞ

 朝も夜もない宇宙空間──時間の概念はあるにはあるけど、それはこのニート艦において人それぞれなので当てにならない


「で?どうして美空と美瑳は水着姿で俺の寝床にいるのかな?」


 どうして俺の個人部屋にいるんだというツッコミはしない。だって、するだけ無駄だもん


「拓真に喜んでもらいたくて来ちゃった♡」


 美空、俺は水着フェチじゃないって言ったよね?誤解が解けてないのかな?


「俺は水着フェチじゃない。次」


 どうせ美瑳の方もまともな理由じゃない。どっかのバカがある事ない事吹き込んだろうな


「たっくんに襲ってほしくて来ました!」


 うん、どっちも似たような理由だ。俺ビックリだ。いや、本当にビックリだよ……しかも、大昔に流行ったスク水だし


「俺は水着姿だから萌えるわけじゃありません!!」


 まったく、この姉妹は俺にどんなイメージを持っているのやら……1度ゆっくりじっくり話し合う必要があるみたいだ


「「ぶ~、ぶ~」」


 ぶー垂れてもダメ! 見てる奴こそいないけど、完全に誤解されるから!


「ぶー垂れてもダメ! 着替えてきなさい!」


 このままだとこれからの活動に支障をきたす。この2人には着替えてきてもらって、活動はその後にしよう。うん、そうしよう


「えー、せっかく着たのにー」


 この中で1番年上の美空が子供みたいに文句を言ってるが、作業が終わった後でいくらでも水着の感想言うから勘弁してもらえませんかね?


「そうか、今日は俺達の部屋を1つにしようとしたんだけど、個人部屋のままがいいか。そうかそうか」


 今回の活動は俺達の個人部屋を1つにする。正確には今、俺達の部屋の間を隔てている壁を取り除くだけだし、やる事と言えば棚とかを移動させるだけだからそんな手間でもないんだけど


「「すぐに着替えてくる!!」」


 俺の言葉で自室にダッシュで戻る美空と美瑳。本当にお嬢様なのかと疑うレベルで単純な姉妹だ。嘘じゃないからいいんだけど


「単純な姉妹」


 美空と美瑳がいなくなった部屋で1人呟く。あの姉妹が単純なのか、それとも、好かれているが故なのか……できれば後者の方が嬉しいぞ


「「着替えてきたよ!!」」


 早いな!まだ1分と経ってないぞ?活動に支障がないならいいけどな


「お、おう、お帰り……」


 自分でもわかるくらい俺の顔は引きつっているんだろうな……美空も美瑳も出会った時はもうちょっとお淑やかだったような気がする。まあ、過ごしているうちに素が出せるのはいい事だからいいか


「たっくん! 早くお部屋を1つにしようよ!」

「そうよ! 拓真!早くしなさい!」


 言われなくても今、壁を収納するスイッチを押すから。だから、そんなギラギラした目で俺を見るな。肉食動物に睨まれた気分になるから。っと、その前に確認しておく事があるんだけどな


「2人とも自分の部屋の壁に何かを貼ったり、壁際に棚とか置いてないよな?」


 俺の私室を中心に右に美空、左に美瑳の部屋がある。俺の部屋に面している壁に何かを貼りつけたり、本棚とかが置いてあったりすると壁を収納する時に引っかかる


「「大丈夫! こうなると思って何かを貼ったりとか本棚を置いたりしてないから!!」」


 左様でございますか……なら、スイッチを押しても問題ないな


「ならいい。じゃあ、さっさとやるか」


 パソコンの前に行き、俺の部屋と美空達の部屋を隔てている壁を取り除く為にスイッチを押した。スイッチをしたら俺達の部屋を分断していた壁は地面へと入り、3つの部屋が1つになった。


「さて、部屋も1つになったし、次は物の配置だけど」


 ドアは自動の為、電顕を切っておけば問題ない。物の配置だってそのままでもいいんだけど、できればこの機会に模様替えしておきたい


「はい!」

「はい、美空さん」

「ベッドは拓真のを真ん中にして左右に私達のを置きたいです!」


 却下する理由は特にない。それに部屋をまとめてしまった今、侵入もヘッタくれもない


「俺はベッドからモニターが見れればいいから却下する理由はないな」

「「じゃあ!」」

「ああ、採用」

「「やった!」」


 ベッドはモニターが見える位置に俺のベッドを真ん中にして右に美空、左に美麗という配置になった。あれ?ベッドの配置さえ決まればもうよくね?


「ベッドの配置は決まったし、寝るか」


 棚とかの配置は今までと同じでも特に困る事なんてない。ベッドの配置さえ決めてしまえばこれといってやる事なんてないし、変えるものもない。あー、早起きして損した


「たっくん、何か通知が来てるよ?」

「あ、ホントだ」


 モニターには『新着メッセージ1件』の文字が表示されていた。これから寝るというのに誰だよ?


「あー、櫂かぁ……読みたくねーよなぁ……放置かなぁ」


 櫂からのメッセージとなると碌なものがない。アイツ、唐突に何か言ってくるし……今度は何だよ?あれか?流しそうめんでもしようってか?


「拓真、無視をするなんてお姉さんは感心しないな」

「たっくん、私もだよ」

「わかったから、読むから睨まないで」


 彼女達に睨まれたら仕方ない。俺だって命は惜しいんだ!文句あっか?


「“たす……け……”って来ているが、これはどう解釈したらいいの?」


 開封したメッセージはまるでダイイングメッセージみたいな感じのメッセージだった。これは……放置でいいよね?


「たっくん」

「拓真」

「ああ、そうだな」

「「「これは放置しよう!」」」


 櫂のメッセージは放置する方向で解決。このニート艦において刀傷沙汰などの人命に関わるものや、人としてしちゃいけない事をしない限りは艦長の俺が何かするなんて事はない。櫂のメッセージはそりゃ不気味だけど、どうせネタだろう


「拓真……」

「言わないでくれ」

「たっくん……」

「嫌だ聞きたくない」


 俺はメッセージだけじゃなく、櫂からの通話の呼び出し音がなっているなんて事は知らん!! いや、そんな現実を俺は見たくない!!


「拓真、このままだと永遠になり続けると思うんだけど?」

「たっくん、うるさいから一応、出てみようよ」

「…………ものすっごく嫌だ」

「「おねがぁい」」


 上目遣いで彼女達にお願いされたら出るしかない。櫂! 俺の彼女達が優しくてよかったな!!


「わかったよ」


 俺は仕方なく通話ボタンを押した。櫂を邪険に扱うわけじゃないけど、嫌な予感しかしない


「何だよ櫂?彼女達と喧嘩でもしたか?」

『違うわい! 俺が! 彼女達に! 物理的に! 食われそうなんだよ!! 助けてくれ!!』

「俺はガニバリズムは守備範囲なんで、それじゃ」


 櫂の彼女達の趣味・趣向なんて俺には関係ないとは言い切れないけど、愛し方は人それぞれだ。


『待て待て!! 切ろうとするな!』

「何だよ?俺の事はいいから彼女達とイチャイチャしてろよ」

『俺の貞操の危機なんだよ!! 助けろよ!!』


 いや、彼女が3人もいる奴が貞操の危機とか……笑えるんですけどぉ~?


「そうか、子育て頑張れよ」


 何が悲しくて他人の惚気話なんて聞かなきゃいけないんだか……


『待って! ねぇ! 見捨てないで! お願いだから!』


 通話を切ろうとする俺を引き留める櫂。その表情からは必死さを感じる。全く、好きな人と結ばれるのに何を抵抗しているんだか


「何だよ?」

『お願いだから助けてくれ!!』

「断る。俺は馬に蹴られたくない」

『そ、そこを何とか……な?』


 好きな人と愛し合えるチャンスをどうしてコイツは手放すのやら……理解に苦しむ


「櫂だって彼女達と結ばれるのは嬉しいだろう?何が不満なんだ?」

『惚れ薬の影響で求められても嬉しくない!!』


 惚れ薬を使った事まで俺が知るか!! そんなの自分で何とかせい!!


「知るか!! 自分で何とかしろ!! じゃあな!」

『あ、ちょ─────』


 櫂が何かを言う前に通話終了。同時に櫂の顔が画面から消える。残念ながら俺は馬に蹴られたくないからな。頑張ってくれ櫂


「たっくん、いいの?」

「何が?」

「櫂君、困っていたみたいだけど?」


 美瑳は優しい。優しいが、時には見捨てるのも優しさだぞ?今回は櫂が男になるかもしれないんだ。俺的にはおもしろ───じゃなかった、恋人との聖なる一時を邪魔しちゃ悪いと思ってあえて見捨てたんだ


「美瑳……、美瑳は優しい」

「きゅ、急に何?どうしたのたっくん?」

「美瑳は優しいけどな、今回ばかりは見捨てるのも優しさだ。わかったか?」

「う、うん……」


 わかってもらえて何よりだ。さて、邪魔者も消えたけど、どうしよう?


「さて、美空と美瑳はこれからどうしたい?飯?それとも娯楽スペースに行って遊ぶか?」

「「寝る!!」」


 女性の口から寝るという答えが出るのもどうかと思うが、このニート艦は原則として好きな時に好きな事をするというのをモットーにしている。寝る事も例外じゃない


「じゃあ、寝るか」

「「うん!!」」


 このニート艦内で起きている人間がどれだけいて、寝ている人間がどれだけいるかは知らない。時間の概念があっても部屋によって設定している時間はバラバラだからな。この部屋の時計で午前3時でも別の部屋で午後1時っていうのは当たり前の事だ


「寝る前にベッドを連結させて固定しないとな」

「「うん!!」」


 ベッドをモニターが見える位置に移動させ、その場所で連結させる。そして、ベッド同士もそうだが、ベッドが動かないように固定する。常にステルスモードを稼働させ、防御バリアを張っているが、いつどこで攻撃を受けたり、障害物にぶつかり衝撃を受けるかわからない


「固定も連結も完了したし、寝るか」

「「うん!!」」


 俺のベッドを真ん中にして右に美空、左に美瑳のベッドという配置になっている。他の部屋がどういう配置にしてあるかは知らないし、必要ない時以外は他の部屋を覗かない俺は他の部屋の配置を知らない


「「「おやすみなさい」」」


 起きたばかりだろ!! なんて無粋なツッコミを入れる者がこの部屋にはいない。少し作業をし、櫂と通話しただけだが、俺は美空と美瑳がいるおかげで安眠できるような気がすると思いつつ眠りについた



今回は部屋の模様替えでした

いつの日かボタン1つで部屋の模様替えができる時代が来ればいいですね

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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