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HELD  作者: 恋夢
序章
7/19

望まぬ再会(1/2)

巨人種(ギガント)を無事倒し報告を終えた二人は組合を後にした。

二人は今ルネミアの家で今後どおするのか話し合うはずだった。しかし、何故かこの場にジルがいる。

人魚種の調査依頼を出したのはジルだったらしく依頼結果を直接聞きに来ているわけなのだが、それよりも驚く事があった。

ジルがリミルの師匠だったのだから……。

「まずは銅階級(ブロンズ)昇格おめでとう。それで、調査結果はどうだった?」

「実は――」

私はありのままの事を話した。巨人種のこと人魚種のこと、そしてリミルの能力のことを。

ジルはなるほどといったようにうなずいていたがリミルの能力を聞いたときは驚きを隠せかなったようだ。

それはそうだと思う。私だって未だに信じられない。

経緯が経緯なだけにジルも信じることを受け入れにくいように感じる。

しかし、こればっかりはこれ以上何を言っても変わらないのだ。リミルの内側に一体どんな物が秘められているのかリミル自信全くわかっていないのだから……。

「それにしてもあの巨人種を倒してしまうのか。すげえな」

「そうね。私も凄いと思うわ」

「そ、そんな。ルネミアのサポートのおかげだよ」

リミルはそんなことを言うが実際に凄い。いくら私の指示があったからといって一言も聞き間違えず正確に把握し、攻撃を避けていたのだから。

常人には普通出来ない。それだけ、彼女の身体能力が優れているのだ。

「俺はやることがあるんでこれでお暇させて貰うよ」

「なら、丁度いいわ。私もこれから出かけるところがあるの」

リミルは「え、聞いてない」と言ったような顔をするが前にも言ったように武器を買いに行くのだ。

「わ、私も着いて行く」

私が何をしに行くのか理解したみたいだ。

家を出たところでジルとは別れた。行く目的の場所がお互い逆方向だったみたいだ。

買いに行くといってもどんな武器にするか未だに悩んでいる。

「リミル、私どんな武器が良いかな?」

「えーっと、動きやすい武器とかが良いんじゃないかな?」

確かにその方が良いかもしれない。それなら扱いに慣れている短刀が良いかな?

リミルの時もお世話になった武器屋に行くことにした。

「よぉお前達久しぶりだなぁ」

店に入るなりドスのきいた声が響く。

「お久しぶりです。ヴィルイドさん」

「お、お久しぶりです……」

リミルが声の迫力に負かされおどおどしているのはいつもの光景だ。

「しかし、聞いたぜ。あの巨人種を倒したんだってなぁ。ここら辺じゃもう有名だろうよ」

もう、広まっているのか。それで、ここに来る途中何人かから見られているように感じたのか。

「そんなこと無いですよ。あれだって、私一人じゃダメでしたからね」

それを聞いて「良いねぇ」なんて良いながら盛大に笑っている。何が面白かったのか私達にはわからなかった。

「今日は武器を新調に来たんです」

「おう、そんなことだろうと思ってたよ。それで、どんな武器がいいんだ?」

「軽めで動き安い武器が良いです」

それを聞いたヴィルイドさんはカウンターの奥に行ってなにやら探しに行ってしまった。

数分して戻ってきた彼の手には三種類の武器が抱えられていた。

「左から短剣、短刀、双刀だ。双刀は一見動きにくい武器に見えるがこのタイプの双刀はかなり軽めだ。気になるなら実際握って試して見ればいい」

短刀と短剣はやはり安定した重さだ。前から使っていた分感覚的にもわかりやすい。

対して双刀は思っていた以上に軽かった。試しに降って見たが重さ的には問題無く動けるだろう。ただ、扱うのが難しいなと感じてしまった。

どれにしようか悩む。しかし、どうしても双刀に目が行ってしまう。

悩みに悩んだ結果好奇心に負けて双刀にしてしまった。

しかし、武器選びはここからが重要だ。武器に使われている素材、出来上がりの質をしっかり見ていかなくてはならない。

ヴィルイドさんが色々な双刀を持ってきてくれる。しかし、どれもいまいちピンと来ない。

選ぶのに悩んでいるとヴィルイドさんが急に「そー言えばこないだ面白い武器が出来たんだ」などと言って私に笑いかけてきた。

もちろん気になるので見たいと言った。

持ってきてくれた武器を鞘から抜いて刀身を確認する。

すると、片方ずつ色が違うのだ。

双刀の特徴は片方が長くもう片方が短い、簡単に言えば短剣と短刀を片手ずつに持っているようなものだ。

そしてこの武器の刀身は短い方が真紅の輝きを放っているような赤、そして長い方は漆黒の闇のような黒。

私は魅入ってしまった。なんと美しい武器なのだろうと。

「ヴィルイドさん私これが良いです」

「ほう、良いが高いぞ?いくら持ってる」

この王国の流通硬貨はリユールだったっけ。

「一応今手元にあるのは300万リユール」

その値段を聞いてヴィルイドは不敵な笑みを浮かべた。

「足りんな」

「そうですか……」

「しかし、お前達の活躍は知っている。それに、俺とお前達の仲だ。出世払い100万リユール必ず払うというならば売ってやっても構わん」

それがどおいう意味なのか私はわかっている。必ずこの先生きろ、彼はそう言っているのだ。

「わかりました!必ず払います!」

「そうか、期待しているぞ」

頭に響きそうなくらい大きな声で彼は笑った。そして「よし、売った」と言ってこれを私に渡してくれた。

受け取った私は左右の腰に武器を携える。

ルネミアはこの武器に使われている素材が何なのか知らない。だが、彼女は私が持つべき武器だと思っていた。

武器を携え町に出る。向かう先はもちろん組合だ。

組合に入ると周りがざわつく、さっきヴィルドさんも言っていたがやはり冒険者の間で有名になっているようだ。

別に悪い事では無いがここまでたくさんの人に見られるのは正直恥ずかしい。

リミルも大衆の目は慣れていないのか少しおどおどしている。

恥ずかしいがこんなところで恥ずかしがっていられない。私は早くこの武器を使って見たいのだ。

端から見れば堂々とした態度に見えたのだろう。

ゆっくりと揺れる白髪。それを見た周囲の男達がその凜々しさに魅入っている。もちろん、彼女はそんなこと知らない。

知ってしまえば顔を真っ赤にしてしまうだろう。

「受付嬢さん討伐依頼今ないですか?」

「今は山賊種(ゴブリン)小人種(ドワーフ)くらいしか無いです」

「わかりました。山賊種の討伐依頼を見繕ってください」

「かしこまりました」

見繕ってくれた依頼は山賊種の住処の破壊。簡単に行かないだろうけど武器を試すにはいい依頼だ。

わくわくしてしまう。

「リミル早く行こう?」

「今用意してるから待って」

「先馬車に乗ってるよ」

「はいはい」

半ば呆れ口調で返事するリミル。

こんなやりとりが出来るのは今だけなのかもしれない。そう思うと今あるこの時間を大切にしていきたいと思う。

馬車に乗っている間はこれから戦いに行くにもかかわらず他愛もない会話で盛り上がる。

私はリミルに出会えて本当に良かったと思っている。リミルはどうだろうか?聞いてみたい気持ちを私は堪えた。

理由はない、ただ今聞くべきでは無いなと思っただけだ。

そうこうしているうちに目的の場所に着いた。

ここは山賊種がかなり多いことで有名だ。

住処にたどり着くまでの間で戦闘なしでは進めないだろう。

かなり危険な場所だ。しかし、だからこそ私はこの依頼を受けた。

やりがいがある。それにこの先上を目指すのであれば山賊種を複数相手にすることは多いだろう。言い練習になる。

森の中を進めば案の定山賊種達が徘徊している。これは、この武器を試すチャンスなんだ。

「リミル右任せたよ。私は左の二匹相手にするから」

「わかった。気をつけてね」

お互いどうするのかの確認を取りそれぞれ山賊種に向かって走り出す。

両腰に携えていた双刀を抜き構えながら走る。

攻撃すると同時に目を解放する。

行ける。確信はした。しかし、甘かったこの武器が思った以上に扱いづらい。

中々思っていたように武器が動いてくれない。これは完全に不慣れな武器だ。

頭を軽く傾げている間だに山賊種達が一気に攻撃をしてくる。もちろん見えているため回避を行うが反応が遅れたせいで攻撃を食らってしまった。

「かはっ」声にならない声を出してしまった。

攻撃は痛いものの動けない何てことにはなって無い。

再び山賊種に攻撃を仕掛ける。左右から来る攻撃に対して私は後ろに下がる。

山賊種達の目の前からは突然消えたように見えただろう。

奴らの戸惑っている隙に私は攻撃をした。

「せいやああああ」

一匹に対して一気に飛びかかり山賊種を両断する。そして、双刀を力任せに抜きその反動でもう一匹に飛びかかる。

二匹の山賊種が無残にばらけてしまっている。

山賊種を攻撃した際に何か違和感があったように感じたが多分気のせいだろう。

気がつけばリミルの方も終わっていたみたいだ。

二人はこのまま山賊種達の住処に向かって行く。

何か不穏な空気をただ寄らせているように感じるが、多分大丈夫だろうと甘く見てしまっていた。

はい、恋夢です!

しばらく妹が俺の事嫌いなんじゃ無いかと不安です。を休んでこっちに専念しようかなって思ってます。

その分こっちの作品の投稿頻度も上げて行けたらなと思います。

それでは、また次の作品でお会いしましょー!

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