彼の決意(1/2)
四人のギルドホームに珍しく組合長が来ている。
何しに来たかのかと言うと、緊急の依頼を持って来たから是非とも引き受けて欲しいとのことだそうだ。
依頼内容は、無人島の長期調査。
何でも、ここ数日前に無人島だと思われる島が発見されたらしいのだ。
とても面白そうな依頼だ。俺たちは断る理由もなうから、引き受けることにしたが何の身支度をしていないため出発に時間がかかる。
早めに出発して欲しそうだったんだが、流石に身支度は大事だ。
それを伝えると、近くまで送って行ってくれるそうだ。
そのために、俺たちは準備を始めた。
「なぁ、ルネミアしらないか?
「え、知らないわよ」
「しらないよ」
ジルの質問に二人は知らないと即答する。
これから、長期調査に行くってのに一体何処で何をしているのか。
「ルネミア!どこに居るんだ?」
「ごめんごめん、忘れ物しちゃって」
「組合長が途中まで送ってくれるらしいからな。早く行くぞ」
「はぁーい」
こんな締まらない雰囲気で大丈夫なのか。
未開の地に足を踏み入れるってのに……。
組合長が手引きしてきた馬車に乗り俺たちは未開の地に向かった。
無人島だといってもかつて人が住んでいた可能性だってあるわけでどんな所なのかとわくわくが止まらない。
冒険者にとって未開の地の探索は胸が踊る物になるだろう。
驚いたのは王都からあまり遠く無い位置にあったことだ。
誰かが見つけて探索しててもおかしくないのにどうしてここが無人島だと判断したのか少し疑問に思う。
取りあえず探索はしてみるものの若干の怪しさは拭えなかった。
「取りあえず、キャンプを建てれそうな所を探そう」
「日が沈む前には見つけたいね」
「そうですわね」
草むらをかき分けて進むが特に何かが居るような気配はない。
少し進むと何かの足音が聞こえた。
「皆止まって」
「近いな……」
「山賊種ですわ。何処にでも居ますわね」
「どうする?」
「こっちに気付いて無いみたいだし、先にキャンプの確保を済ませよ」
「そうだね。今なら、行けるんじゃ無いかな」
足音を殺し慎重に進む。
更に先へ進むと大きな穴蔵を見つけた。
「あそこ良いんじゃないか?」
「周りの安全を確保してあそこにキャンプを建てるのが良さそうね」
リアとリミルは頷いて返事をする。
穴蔵の辺りを見て回るも何も無く普通にキャンプを建てることが出来た。
そうしている内に日は沈み始めた。
何日か分の食料を四人で分け二人交代で見張りながら夜を過ごす。
「ねぇ、ジル」
「どうした、ルネミア」
「ここ何か変じゃない?何というか、静か過ぎる」
「そうだな、俺も怪しいと思っている。だから、一通りの探索を済ませばぱぱっと帰った方が良いかもしれない」
「組合長には特に何も無かったとだけ伝えればいいしね」
「あぁ、そうだな。そもそも、こんな依頼を何で俺たちに持って来たんだ?」
「わからないわよそんなの」
「だよなぁ……」
「一応探索はしておきたいから明日は手分けして探索しましょ」
「そうだな。っとそろそろ交代かな」
「師匠、ルネミア休んでていいよ後は私達が見張りするから」
「二人ともしっかり休むんですわよ」
「へいへい」
明日活動する為に俺は眠りについた。
翌朝、目を覚ますと三人が俺を囲んで座っている。
「あ、やっと起きた」
「師匠寝過ぎだよ」
「そんなに寝てたか?悪いな」
「それじゃ、言っていた通り一旦皆別行動で日が沈む前にここへ集合ってことで」
「「「了解!!」」」
さてと、俺は昨日来た道を覚えている範囲で確認するかな。
しかし、ここは草木がほんとに多いな。こんなに多いくせに何も無いのはやはりおかしい。
何かを隠すためにこんなに草木は生やしているとか?
いや、そんなことは無いだろう。我ながら、つまらない妄想だった。
草木をかき分け辺りを見ていると奥に続いてそうな洞窟を見つける。
それに奥の方から音が響き渡ってくる。
進んで見るか。
薄暗く視界が悪いため慎重に壁に沿って歩いている。
付けている防具がたまに壁に擦れて音が聞こえるが多少は仕方無いと割り切るしか無い。
足音が聞こえたかと思えば身体に鈍い物がぶつかる。
山賊種だ。2、3匹程度居るみたいだがその対数なら余裕だな。
俺は、大剣を構え臨戦態勢に入る。
「ぬんっ」
正面か突っ込んで来た山賊種を大剣で振り払いその勢いのまま左にいた山賊種に攻撃をする。
「はぁっ!」
流石大剣と言うべきだろうか、山賊種は吹き飛びあっけなく散ってしまっている。
後一匹居るはずなんだが何処に消えた。
集中し耳を澄ます。
後ろか!
「ぐっ」
大剣を盾に山賊種の攻撃を受ける。
山賊種を弾き、体勢が崩れた所を狙い倒す。
やはり山賊種では相手にならない。
俺は更に奥へと進んだ。
はい恋夢です!
久しぶりの投稿ですね
最近忙しくて書けて無かったですがやっと書けました。
受験って大変……。
それでは、また次の作品でお会いしましょー!