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HELD  作者: 恋夢
中盤
16/19

彼女の内にあるもの(1/2)

リアは病院は足を運ぶ、昏睡状態で意識の戻らない恩人リネルの見舞いに来ている。

「ねぇリネル。どうして目覚めてくれなかったの?」

返事なんて返ってくるはずなんてないのはわかっている。

神霊水使ってなお目覚めることが無かった。どんな病でも治すと言うのは嘘だったのかと怒りもした。

しかし、色々調べる上で病じゃないものがこの世には存在するらしいということがわかった。

私はリネルの病室を後にする。

ギルドホームに戻って皆に聞いて見たが誰も知らないと答える。

一般的に規制されている情報があるんじゃ無いだろうか。と考える。

それを皆に伝えた所ジルが図書館の禁書部屋があると教えてくれた。

「あの、禁書部屋に行きたいんですが……」

「はい、階級証明証証をお持ちですか?」

私ではなくルネミアが証明証を提示する。

「黄金階級ですね。でしたら、レベル1のお部屋までですがよろしいですか?」

「はい」

禁書部屋にはどうやらレベル分けがされているらしい。

黄金階級(ゴールド)ならレベル1。

白金階級(プラチナ)ならレベル2。

英雄階級(ヘルト)ならレベル3。

と言った様に、三段階に分けられている。

禁書部屋には一般の人が目に触れると身体に害を及ぼす書物も存在するらしい。

主に情報規制のかかった書物が保管されている場所ではあるが一部そういった物も存在する。

禁書部屋に案内されている道中にいた警備の人達はどれもただ者ではないような雰囲気が漂っている人達ばかりだ。

それだけ厳重に警備されている所なんだと改めて思う。

「こちらがレベル1の部屋になっております。どうぞ、ごゆっくりお読みください」

中に入るとそこは一つの家とも言える場所だった。

食事が用意され、寝るところも用意されている。

本が置いてある場所は筒状になっており、壁にズラッと並んでいる。

ここに置かれている本は数千を優に超える程に膨大な量だ。

ここから探し出すのは骨の折れる様な話しだ。

しかし、やらなくてはならない。リネルの為にも……。

取りあえず手当たり次第に本を漁る。

主に身体に害を及ぼすタイプの物を中心に漁り始めた。

黙々と探している中でルネミアはしびれを切らして休憩している。

もう、5時間は経っているのだ。休憩を取ってもおかしくは無い。

だが、私は必死に探した。

「リア、今日はかなり探した。一旦休もう?」

「でも、早く見つけないと……」

「そんなに、焦らなくても良いじゃない。張り詰めすぎてリアが身体を壊しちゃう方が心配」

「でも……」

「また、明日探そう。ありがたい事にここは快適に色々揃っているんだから」

「そう……だね……」

この日リアはあまり良く寝付けないでいた。

リネルには早く目を覚まして欲しい。なのに、何故こんなにもリネルに拘るのか私にはわからない。

恩人だから?多分、それだけじゃない。

私も覚えていない何かがある。そんな気がしている。

記憶を探っても出てきやしない。

この違和感の正体がわからない不安感に捕らわれる。

翌日、四人で探すがめぼしい書物は見つからなかった。

その翌日も、そのまた翌日も……。

四人は次第に疲れが溜っていく。

誰も文句は言わないものの内心かなり負荷がかかっているんじゃないかと思っている。

特にルネミア。彼女は見つからない事に飽きを感じてやる気が感じられなくなっている。

当然本人はそんなことを言わず黙々と探してくれてはいるものの態度がそう言ってるようになっていた。

私自身ここまで見つからないものなのかと苛立っている。

それから更に数日が経ったあるとき、リアは一冊の書物を見つける。


『呪術書』


なんとも言えない書物だ。

と言うのもこの世に魔法なんて存在しないのが一般常識なため。呪術書と言ってもいまいちピンと来ない。

しかし、リミルは属性付与を使えることはここにいる皆が知っている。

あれは魔法の類いの物だと認識しているし、神霊水を取りに行った時に見えた幻覚は幻術というもの属する物なんだと言う書物も存在したため一概には嘘の書物だとは思えなかった。

第一禁書部屋に偽りの書物が存在するのかと疑問に思う所もある。

リアは恐る恐る呪術書を開く。

するとどうだろう突然視界を奪われ、意識が朦朧とし始める。

三人が呼びかけている声が聞こえるがやがてそれすらも聞こえなくなってしまった。

徐々に視界が戻り辺りが見渡せる程度にまで回復した。

しかし、一面黒の何も無い所に私だけが存在した。

「ここは、どこ……?」

不意にそんなことを漏らす。

返事なんて返って来るはずがない。

ここには多分私しか居ないのだから……。

しかし、そんなことは頭で理解していても三人の名前を呼んで近くに居ないか探してしまう。

「ルネミア!リミル!ジル!居るの?居るなら返事をして!」

一切反応が無い。

まぁ、わかっていた事ではある。

しかし、ここで何をしたら良いのかさっぱりわからない。

仕方無く辺りを見渡しながら歩き始める。

少し歩いたところで物音が聞こえた。

コツコツと歩いている様な音だ。

何かの手がかりになるかもしれない。

私は物音のする方向へと走った。

はい、恋夢です!

今回はかなり短めに書いてます。

次の後編は長くなるかと思います。

物音は何の音なのか、そしてあそこは何処なのかと言った事をですね、考えて見ては如何でしょうか。

それでは、また次の作品でお会いしましょー!

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