間違えて屋上に呼び出された
見切り発車です
私立黄瀬希高校。
規模は千人程度のマンモス校だ。
俺はその高校の割と勉強はできるが全くモテない人生の負け組に所属している。
そして、今日も今日とて楽しく登校してオタ話で仲間内と盛り上がりなぁなぁでこの高校生活を無難に終えていくそんな予定だった。
ああ、もちろん彼女は欲しいがそんなものはとうの昔に諦めている。というかそんなもの作るくらいなら二次元の方がコストパフォーマンスがいいし俺みたいな人間にも他の人たちと同様平等に笑顔を振りまいてくれるからむしろこっちの方がいいと思っているくらいだ。
そんな少子高齢化の解消に躍起になってる政府に真っ向から喧嘩売っているような俺だったのだが、人生どこで歯車が狂うかわかったものじゃないとこの日思い知らされることになった。
『放課後屋上で待ってます』
というメールが全く知らないアドレスから届き困惑しながらも一縷の望みにかけて俺は屋上へ周りの目を気にしながらささーっとさながらゴキブリのように歩みを進めていったわけだが、そこで待っていたのは息をのむほどの美少女だった。
だが、しかし、俺を待っていた運命はなんとも残酷なものだった。
「あれ、間違えた」
あぁ、わかってたさ。
だけど、こりゃないぜ神さま……。