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L  作者: さくなり
7/11

風呂

 ドアを閉めて赤いラベルのついた方の蛇口をひねる。古いと言ったら失礼だが、様式が古い風呂なんだろう。水道からは冷たい水が出てきた。おい。しばらくすると生暖かくなり、最後は暖かいお湯が出てきた。良かった。

シャワーヘッドを手に取る。蛇口などに比べ新しく感じた。もしかしたら、先生が自分で付けたのかもしれない。ここのハイツは住人に優しいようだったからね。あまり当たり障りのない改修なら多少目を瞑ってくれるそうだ。これは、大家さんから聞いた。やまもんへの愛が尽きないね!

事前に下調べ、私賢い。本当、愛が尽きないね。

切り替えのレバーをシャワーに合わせてお湯を出す。水が通った瞬間手の中が重くなった。

水の出る先を顔に向けてしまっていたせいで、思い切り顔面にかかった。メガネレンズに水滴が付いて役に立たない。シャワーヘッドを固定して、風呂の淵にメガネを置く。石鹸を泡立てて、顔を洗った。石鹸もオレンジシトラスだった。やまもん、可愛い。いい香りに包まれて、そのまま風呂場を楽しんだ。同じ石鹸、同じシャンプー、同じ空間。素晴らしい。こんなにも素晴らしいものなのかと思うほど素晴らしい。

 棚の上にあったタオルを勝手に使ったが、多分これは洗濯済みのタオルだ。いい香りするし。体を拭いて全裸でリビングまで向かったが、これといって何も恥ずべきものはない。ひとつ強いて言うなら、もしもやまもんの幽霊がこの部屋に居たら自分のこの格好はかなり恥ずかしいなぁと思う。

まあ、自分が幽霊とかそういったたぐいのものが見える人じゃないからね。たとえ見られてたとしても、別になぁ。きゃー、えっちいーとでも言ってスルーしとけばいいだろう。

 さあ、風呂に入ったことだし、着替えて買い物に行こう。


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