第一話 「森からの目覚め」
「ん...ここは、どこだ」 気がつけば自分は見知らぬ森の中で倒れていた。
「えっと...これは、よく漫画とか小説にある展開だよな?」
...十分後
自分は少し現実逃避をしていたようだ。
...改めて自分の現在の様子を確かめる。
・ 知らない森に倒れていた。
・・現実逃避をしていた。
以上。...イヤイヤイヤイヤちょっと待て、なんで自分の現在状況を確かめるのに二つ目の確認に...現実逃避...があるんだよ!
確かに現実逃避はしたけど、確かめるのに必要ないだろ!
...数分前の自分はとってもバカだった。
このとき同じ時間...別の場所で...
「こらー!待ちなさーい!」
「ちょっと!ストップ、ストップ!」
「うるさーい!今日という今日は絶対許さないからね!魔理沙!」
「だあ~ごめん、ごめんってマジでさ~許してくれよ~霊夢」
夏の暑い日にここ博麗神社でドタバタ騒ぎが起きていた。
「霊夢がこんなに怒ったら手はだせないわ」
「だからってよ~、一人で優雅にお茶をのんでるのはおかしぜ、アリス」
「魔理沙」
「なんだ、ハッ...まさか霊夢を止めるの手伝ってくれるのか!」
目を輝かせて魔理沙がそう言うと...
「...後ろ」
「へ...」
魔理沙が後ろを振り向く前に...
「夢想封印!」
チ~ン
魔理沙終了のお知らせ。
・
・
・
同時刻...幻想郷・魔法の森
「つ...疲れた~」
疲れた..と言ったと同時に奥の茂みから...
「そーなのかー」
ビクッ!...少しビクッた。
「誰だ!」
「私だ!」
「知らんわ!」
...そう言いながら茂みの奥から出てきたのは。
可愛らしい女の子だった。
「なんだ...かわいい女の子か」
そっと胸を撫で下ろした。
・・・いや、ちょっと待てよ。
な...なんでこんなところに女の子が?
そんなことを考えていると、女の子が...
「いただきま~す♪」
・ポクポクポク
・チ~ン
・ここでようやく理解した。
死ぬ。
そんな時、自分の頭には選択肢が出ていた。
選択肢
・ダッシュで逃げる。
・・諦める。
・・・『ヤバいよ、ヤバいよ』と言う。
...最後の選択肢はいるのか。
ここは、普通に1を選ぶだろ。
そう思いながら逃げた。
ダッシュして逃げる・
を選んだ結果。
・逃げ切った。
・森を抜けた。
・やった。
とにかく逃げ切れた。
逃げるのに必死になっていて気がつかなかったが、森もプラスでぬけていた。
森を抜けたその先には、神社に続く階段。
とっくに体力は無くなっていたが、『この階段を登らなくては』
という感じがしたのだ。
...五分後
「やっと着いた」
特別な神社かな?と思ったが、全然違った。
「まぁ、せっかく来たんだし賽銭ぐらいはやろうかな」
そう言いながら賽銭箱があるところに向かった。
ズボンのポケットに手を突っ込みお金がないか探した。
あった。
あった...が汚い。
「まぁ、いいや」
そんなことを口にしつつお金を賽銭箱めがけてなげた。
カッ...
外した。
そう、それはまるで賽銭箱自体がお金を拒否しているかのようだった。
そんなことを思いつつもう一回お金を入れようとすると、
「ちょっと、アンタ今賽銭箱にお金入れようとした?」
「あぁ、そうだけど」
「そっかあ~、良かった~まだ私の賽銭箱にお金を入れてくれる人がいたか~」
何が何だかよく分からない。
そう、今は。