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プロローグ
少年は旅に出てしまう
過去を悔いてこの地を去る
少女はそれを待つばかり
いつ戻るともしれぬ 夢の跡地
いくら泣いてすがっても
悲しみも見せずさよなら と
背中を向けて歩き出す少年を
許してほしいとは 言えない
前へ 前へ
小さくなりゆくその背に 少女は
かける言葉も見つからなかった
少年は旅に出てしまう
過去を悔いてこの地を去る
少女はそれを待つばかり
いつ戻るともしれぬ 夢の跡地
一生会えないかもしれない と
微かに思ってしまう少女を
許してほしいとは 言えない