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女神と騎士とカレーな世界で





「えーと、スパイス各種持ったし…着替えと書類持った。忘れ物はないよね?」




 一人リュックの中身を確認すると時計を見る。あと五分かな。

 五分後には、私は再び異世界に呼び出される。



 カレー共和国。



 新しく迎え入れられた国の名前はなんとも香しいものになってしまった。





 陛下達がくっついた後、あれよあれよと言う間に共和国の手続きや細かい取り決めがされ、国民にも受け止められて陛下達の立派な結婚式後正式に国として認められた。

 結構アッサリと他国に共和国、という制度を受け入れられたことに驚いたが、イオン君の言っていた通り異世界人である私の提案だったことが決め手となったらしい。女神とか呼ばれるだけあるわぁ…。



 ティマさんに関しては進展なし。姿を消したまま行方を眩ませてしまった。国境に置かれた検問にも引っ掛かっていないらしいから、まだ国内の何処かにいるかもしれない。手配書を確認している陛下は、寂しそうな顔をしていた。






 そしてそして…何故か私が共和国代表に。






 言い出しっぺの法則か。散々拒否したわけだがサイシャが言っていた通り共和国の知識を私しか持っていないわけで。

 しかも両陛下ご推薦。自身の世界が気になるのなら、周期で召喚をかけるとのこと。お陰様で行き来が楽になりました。一度繋げた世界。しかもひと月異世界で過ごした事で体が馴染んだらしい。問題なく指定され召喚されます。ご都合主義で。他にも色々召喚出来るのかと思ったけど、私だけらしい。魔力の限界とか諸々な理由だ。



 なので必要なものはリュックに積めて背負っておく。このくらいの負荷なら大丈夫だろう。何故推測なのか。それは私が自分の世界に戻ってから初めての再召喚だからです。

 …ふ。帰って来てからまだ一週間しか経過してないわけだが、負けず劣らず濃い一週間だった。ひと月家を空けていたわけだし?カレーも作りかけのものが凄い色になってお出迎えしてくれたわ。火は安全装置のお陰で助かってたけどね。



 大学に至っては出席数が足りなくて留年決定。少し名残惜しいが、こうなっては退学するつもりだ。向こうでいい給料貰えるようだし。寧ろ出勤だろこれ。働かざるもの食うべからず。



 それに私はあの世界が嫌いじゃない。暮らしている人達も大好きだ。遣り甲斐のある仕事もあることだし。遣り甲斐がありすぎる気もするけど。



 でも、独りじゃない。国は王達が管理して、私はその橋渡し。そして支えてくれる各国の重臣達。応援してくれる国民の人。




 カレーから始まった、私の未来。壮大なものになったよなぁ。思わず小さく笑った所で視界が歪む。

立ち眩みか?と疑問に思った所で目の前の風景が変わった。



 以前と同じ、きらびやかな場所。囲む神官と魔術師達。そして跪く――…









「ようこそ、お越しくださいました。女神よ」









 私の騎士。


 出会った時と同じ場面。でも向けられる目は全く違うもの。



 また、ここから始まっていく。









「私を呼んだのは、あなた?」









 私と、彼と、世界より。



 変わっていく未来を。






 END

第一部完結しました!読んでくださった方々ありがとうございました!

あとがきも読んでくださると幸いです。

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