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神官長と魔術長





「歓迎会?」




 またもや違うフリルのついた真っ白のミニドレス。レースには黒を使っていて、可愛らしい。

 それに合う髪型にフィノアが整える中、何故こんな格好をしないとならないのか教えてもらった。




「はい。ハナ様がこの世界に来てくださり、尚且カレーまでも作ってくださる。これを祝わずどうします?」


「そんなもんかなぁ…」


「隣国のトストンからも王や宰相方がいらっしゃいますよ」


「へぇー…え?今敵対してる…カレーを指定してきた国じゃないの?」


「女神を一目見たいそうです」




 成程。偽物だとイチャモンつけにくるのか。


 それはまた面倒な…確かに私は女神じゃない。カレーを作れるだけで不思議な力とかチート能力はないから、イチャモンつけられても正直言い返せないものがある。

 これはハッタリ効かせないと不味いだろうか。嘗められるのはごめんだが、かといって必要以上に重要視されるのも面倒だ。女王に丸投げしちゃおうかな…。




「…はい、ハナ様。出来上がりましたよ」


「ありがとー」




 モヤモヤと悩み始めた所でフィノアが髪をまとめ終えてくれた。

 本日は上に一つで縛り上げお団子にした髪型で、サイドはチョロリと髪を下げたもの。散りばめられているパールのようなキラキラした髪飾りが可愛い。


 薄く化粧も施され、準備完了。うん、綺麗にしてもらった。

 やっぱり自分でやるには限界もあるから、こうして人にしてもらうと嬉しい。それが自分に似合っているのなら尚更。






「準備は出来たか?」






 ノックもなくガチャリと扉が開いた。

 確かに準備は整っているが、もし下着姿とかだったらどうするんだ。


 文句を言ってやろうと振り返り口を開きかけ…目が点になった。




「?なんだ」


「い、いや…その…声を聞いた限りじゃアスナかなーって思ったんだけど…」


「私以外に誰がいる」




 いや、確かに…アスナだけども。


 前に見た衣装ではなく、真っ黒なローブのようなものを主体にした衣装。しかし地味ではなく、金の刺繍が施され複雑な紋様を描いている。他彼自身髪と揃えたのか、がプラチナっぽい装飾品を頭、首、腕、足にジャラジャラと着けているが、それがまた黒の衣装に合っていた。

 流していた髪も上げていて、気品と色気のようなものを醸し出している。は、反則だろー?!




「あ、悪の王子…」


「は?」


「いやいや、何でもない何でもない。ちょっとした妄想デス」




 神官というより悪サイドっぽいよアスナさん。似合ってるから始末に終えない。

 魔術師というか…あ、そういえば。




「あのね、私聞きたい事があるんだけど」


「なんだ」


「自己紹介して貰った時、アスナは神官って言われたり魔術師って言われたりバラバラだったよね?どっちが本当?」


「どちらも真実だ。我々神官にとって魔術は必要不可欠なもの。私は元々神官長に就任していたが、魔術長が空席になった為兼任している。魔力が現在この国で強いのは私だけだからな」




 うーん?


 神官と魔術師なんて、やっぱり正反対に思えるんだけどなぁ。

 私の世界の常識とこっちの世界の常識とはまた違うのだろう。でも不思議だな、うん。




「神官と魔術は何で必要不可欠なの?魔術長は何で空席なの?」


「時間がない。移動ながら説明してやる」




 お。面倒だとはね除けられるかと思ったけど説明してくれるらしい。

 フィノアに見送られ廊下に出ると二人並んで歩き出す。時間がないのは事実らしく、結構はや歩きだ。




「神官とは名の通り神に遣える職業だ。過去この大陸や世界を作り出した神々は様々な文献を残していった。それを解析し、今この世に読み解き役立たせるのが仕事といえる。文献には神々の力が宿っている事が多い為、魔術を行使しなければ触れる事さえ叶わない。魔力の弱い者は読み解く処か触れるだけで力尽きるだろう」


「はー…そこで魔術が出てくるんだ」




 どうやら私の想像する神官とは全く別物らしい。

 どちらかと言えば孝古学者みたいな職業と言えるだろう。


 遺跡とかあるのかなー…楽しそうだから行く機会があれば連れてってもらおう。




「魔術長は国で魔力が一番強い者がなるのが主だ。例外もあるが、二年程前に持病を悪化させた前代が席を空けた際に私に押し付けて行ったんだ。現在魔術長候補を育てながら兼任している。理解出来たか?」


「うん、大体」




 つまりアスナは次代が席につくまでの仮代表みたいなものか。うわぁ、面倒臭そう。

 しかし一番魔力があるって凄いな。確かにアスナの瞳は濃い真紅だけど…まさかダブルトップとは恐るべし。まだ若いのに…若いよね?




「私からも質問がある」


「え?なになに?」


「ジャガイモがカレーの材料だと告げ、実際持ち帰ったのは魔物の卵。それを城内に持ち込ませるとは何事だ。孵化でもしたらどうする。それに魔物など陛下の口に入れて本当に平気だという保証はあるのか」




 それ、質問か?文句に聞こえる。


 魔物の卵と称された澱粉は、私にしてみれば大きめのジャガイモくらいにしか思えない。味とかは調理してみないと分からないが、抵抗は少ない。

 こっちの世界の人にとっては未知のものではあるから警戒する気持ちは分かる。が、カレーを作れと言ってきたのはそっちだ。いざ作って食べれませんと言われたら私はキレる自信がある。




「私が試食してから食べさせるから問題ないよ。他にも先に味を確かめたいから何か作るつもりだし…孵化する、のは…寒い所で保管して貰ってるから大丈夫」




 芽が生えてくるジャガイモは駄目だし、日の当たらない涼しくも寒い場所、保冷庫の隅に置かして貰っている。芽がウネウネ動き出したら私も流石に嫌だしね。




「陛下に害がないのなら私は文句ない。が、何か起きれば例え異世界人だろうが女神だろうが化け物だろうが覚悟しておくといい」


「化け物ってなんだ化け物って。失礼だなおい」




 私の認識ってどんなだよ。

 そんなやり取りを繰り返しているうちに辿り着いたのは召喚された時にいた大きなホールの扉前。左右に騎士の人達がいて、私とアスナを確認すると背筋を伸ばした。






「神官長、兼、魔術長のアスナ=リヒル様、女神ハナ=ミズキ様、ご入場です!」






 …いきなりか!


 迎えに来たなら迎えに来ただの歓迎会に入るだの言ってよ!






他にも大神官などもいます。それは今後で説明を。

読んでくださりありがとうございます!

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