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こよみさんは勝たせてくれない~完璧美少女な幼馴染が僕だけに甘い勝負を仕掛けてくる~  作者: maricaみかん


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4話 一緒の買い物

 こよみと一緒に、これから夕飯とその他いろいろなものを買っていく。スーパーでの僕の役割は、荷物持ちだ。

 今のこよみは、比較的動きやすい格好をしている。しっかりした生地の上と、ジーンズっぽい下。おしゃれというよりは、楽に買い物ができるようにってことかな。

 まあ、それでも信じられないくらいに魅力的なんだけど。他の客が、振り返っていたりするくらいだし。


 とりあえず、僕がカートを押してこよみについていく。僕個人として買いたいものは、歯ブラシとか洗顔料とかくらいだし。


「せっかく来たんだし、夕飯だけを買うのもね。1週間分くらいは、そろえちゃおっか」

「そうだね。こよみさんに毎日付き合わせるのも、悪い気がするし」

「別に、気にしなくても良いんだけどね。それとも、ふたりだと恥ずかしい?」


 こよみはニマニマしながら僕を見ている。でも、大きな反応はしないぞ。人前でわちゃわちゃしてしまえば、目立ってしまう。注目の的なんて、僕はゴメンだ。


「僕の買い物に合わせてもらっているのに、恥ずかしいなんて言っていられないよ。でしょ、こよみさん」

「ふふっ、なるほどね。はると君らしいや。じゃあ、しっかり良いものを買わないとね」


 少しだけ笑って、こよみは買い物に移っていく。とりあえず、いくつかの飲み物がかごに入っていった。

 こよみと僕がよく飲むお茶が2本と、たまに飲むジュースと、そして牛乳。とりあえず、1週間分というのなら必要な範囲かな。ちょっと重そうではあるけれど。


 続いて、はちみつとホイップクリームも手にとってカゴに入れる。たぶん、お菓子でも作ってくれるんだと思う。こよみは料理もお菓子も得意だからね。僕も、いつも美味しくいただいている。

 それから、いくつかの種類の肉もカゴに入っていく。まあ、何にでも使えるものだよね。

 次はお菓子と調味料のコーナーに移って、醤油とカレールウ、マヨネーズとケチャップ、そしてチョコレートなんかを入れていた。まあ、定番だ。そろそろ切れていたのだろう。


「はると君は、何か食べたいものとかある? あったら、今日作るけど」

「カレーとかどう? ルウを見てたら、食べたくなってきちゃった」

「じゃあ、そうしようかな。はると君が喜んでくれるものを、作らないとね」


 こよみはぎゅっと両手を握っていた。その様子からも、気合いを入れてくれていることが分かる。やっぱり、こういうところには敵わないよね。

 いつだって、こよみは僕のために全力を尽くしてくれている。だからこそ、少しくらいは何かを返したいものだけれど。

 とりあえず、今すぐできることはお礼というか感謝の気持ちを伝えるくらいかな。


「ありがとう、こよみさん。いつも、とっても美味しい料理を作ってくれて」

「気にしないで、はると君。私も、好きでしていることだから」


 そう言って、ふわりと微笑む。こよみの優しい顔だけでも、お礼に釣り合うどころか倍以上に返されたくらいというか。

 僕はうまく返事もできないまま、野菜と果物が並んでいる場所まで歩いていった。


 こよみは、玉ねぎやにんじん、じゃがいも、白菜とキャベツ、りんご、みかんなんかが入っていく。

 カレーとは関係ないものもあるのは、1週間分だからだろう。よく使う食材ばかりだからね。


「はると君は、自分で買いたいものはないの?」

「洗顔料と歯ブラシとか? シャンプーは、まだ残っていたと思う」

「じゃあ、次はそれだね。最後にお米を買って、帰ろっか」


 ということで、残りをカゴに入れてレジへと向かう。セルフレジで、基本的にはこよみがレジに通していく。お米とかペットボトルとかの重いものだけ、僕が通す。そして、支払いを終える。

 こよみがふたつのエコバッグに荷物を詰め込んでいって、詰め終わった段階で両方とも僕が持つ。


「こよみさん、帰ろっか。後は任せて」


 持ち上げてみたけど、かなり重い。指に食い込んでくるのが分かる。お米と具材の他にも、ペットボトルの飲料だけでも3本は入っている。だから、当たり前なんだけど。

 だからといって、こよみに運ばせるなんて論外だ。ご飯を作ってもらって、掃除もしてもらって、その上荷物まで運ばせるなんて冗談じゃない。

 腕がパンパンになるのは分かりきっているが、知ったことか。そうだろ、僕。


「軽い方くらい、持とうか? ちょっと、顔がこわばってるよ?」


 こよみは心配そうな顔をして言ってくる。つらいと言えば、荷物を持ってくれるのだろう。でも、お断りだ。いつもこよみに甘えてばかりの僕だって、少しくらいは活躍できる。そう証明してみせないとね。

 僕は重い方の荷物を握り直して、しっかりと笑顔を見せた。


「気にしないで、こよみさん。力仕事くらい、させてほしいんだ。少しくらい、カッコつけさせてよ」

「そっか……。なら、頼っちゃおうかな。ありがとう、はると君」

「こっちこそだよ。いつも、本当にありがとう。こよみさんには、とても助けられているよ」


 こよみは、僕の方を見てふわりと笑う。その姿は、夕焼けに照らされていた。もっと見ていたいくらいだけど、こよみの顔ばかり見ていると手の力が緩む。残念だけど、前を見ないとね。


「ふふっ、カレーだけじゃなくて、飲み物も用意しないとね。頑張ってくれたはると君を、癒やしてあげるからね」


 しっとりと微笑むこよみは、何度でも見たいくらいに綺麗だった。それを最後に、家まで前だけを見続けたんだ。

 それからこよみは、そっと僕に肩を寄せてくる。触れるギリギリまで、近く。実際に当たらないようにしているのは、きっと僕に負担をかけないようにってこと。

 やっぱり、こよみは優しいよね。だからこそ、僕も良い格好を見せたいって思うんだ。


「ありがとう。おかげで、もっと頑張れそうだよ」

「荷物がない日は、また手を繋ごうね? 重い荷物より、よっぽど嬉しいでしょ?」


 そう語る瞬間のこよみの顔を見られなかったことだけは、残念だったかもね。でも、カレーだけでもご褒美としては十分かな。


「ポニーテールにエプロンで、作ってあげるからね。楽しみにしててね、はると君」

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