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待って!?

作者: 影月 
掲載日:2025/10/28

 はぁ、はぁ、はぁ。

息をあげて、階段を駆け上る。


 遠くから見えた君の影を追い、俺は走る。

君の帰り道なんて知らない。でも……

 俺は今、君を見かけた。たまたまと偶然だ。

しかし、今を逃したら、ダメな気がした。


 っと、いちいち段差を見てはいられない。

早く、早く、間に合わない。

 こんな場所で躓いている暇はない。

俺は君を……

 階段を登り終える。


 立ち並ぶ民家、ここが全くどこだか分からないが、冷静に考えはいられない。


「――おかえりなさい」


 存じ上げないおばあちゃんからの挨拶、無視する訳にはいかずも、何と返せば良いか分からず、

ただいま、とだけ返して、俺は駆け抜ける。


 えっと、この道を、

足踏みを止まず、止まることを知らない俺はまるでマグロのようだ。


 そして坂道を走る。

中腹くらいで、限界になって、膝に手をつけてひと休憩。

 それでも足を止めることなく、思い足をゆっくりだけど、一歩ずつ確実に踏み出す。


 はぁ、はぁ、はぁ、つっ、疲れ、


 横を自転車が通り過ぎる。中学生くらいの少年が電動自転車を坂道を容易く登る姿。

 追いかけるしかないでしょ。

俺だってまだ行ける。

 覚悟を決めた俺は最強だ。


 また現れた階段。こっちの方が近道か?

数十段をすぐさま駆け上がり、次の場所へ。


 彼女は今、のんびり歩いているのだろう。

一人で……


 待ってろよ、もうすぐでそこに着くんだ。


 そこ先ほどの少年が。


 早い、やっぱり、早い。そんな感想しか出ない。

頭に酸素が回ってない。

 走る間も呼吸を大切に、大きく息を吸う。

しかし、意識しても呼吸というのは難しく、吐きだす息は小出しになってしまう。


 でも、もう大一番。この先に彼女はいるはず。


 ラストも走り終わり、そこにいたのは彼女だった。髪を靡かせ、街を眺めている。


 手を銃の形にして、他所を向く彼女へ発砲の動作をする。


「――止まりな、そこの君」


「……何でいるの?、、」


 俺は、大きく胸を張った。そこに彼女が飛んでくる。


「何で、何で、いっ、いるの……?」

 溢れるのは涙だった。


「待ってくれたか?」

「うん!!」

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