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勇気のありか  作者: やまはぬん
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バイト戦士のプロローグ

 勇気とはなんだろうか。みんな一度は考えたことはあるだろう。「意中の人に告白する勇気」、「何かに踏み出す勇気」などなど数を上げればきりがない。


 そんな数多くの種類の勇気の選択で我々は日々暮らしている。


 この物語の主人公、「上木勇之助」も様々な人と等しく勇気の選択で暮らしている人の一人である。


 

 オレは上木勇之助20歳。どこにでもいる普通の大学生である。趣味はバイト、特技はバイト。よく見るバイト戦士型の大学生だ。


 こんないつの時代かわからない自己紹介を脳内で済まし、彼の日常が始まった。


 「いらっしいませー。」


 入店音と共に上木はいつも通りテンプレ化された言葉を発する。このバイト戦士のバイト先はコンビニである。コンビニというのは基本的にマニュアル通りの仕事の連続だ。たとえ、イレギュラーな出来事が起きたとしても、大体はマニュアルに書いてある。


 そんなコンビニで上木がバイトをしている理由だが、バイト先のオーナーの娘さんに一目惚れしてしまったからだ。元々は一人暮らしをしているアパートに近いということで通っていた上木だったが、ある時ふと、買い物をしているとそれはそれは上木のどストライクな女性がレジに立っていたため、家に帰った後に速攻でバイトの申し込みをした。


 その結果、バイトを始めてから約一年ほど経ったが、娘さんとの会話はおろか、同じシフトにすら入れていない。


 なぜかというと、娘さんは普段、大学前の早朝に働いているのだが、上木は引き継ぎがある夜勤などではなく、夕勤で働いているからである。


 よってこれらのことから、上木は一目惚れした女性と何も進展がないまま立派なバイト戦士へとなったのである。


 そんな悲しきバイト戦士こと上木勇之助だったが、一つの転機が訪れた。


 「上木くん、急で悪いんだけど明後日の早朝入れない?一人欠員が出てしまってね。」


 「わかりましたオーナー。土曜の朝は僕もやることないので大丈夫ですよ。」


 「ありがとう。上木くん。助かるよ。」


 「いえいえこちらこそ。」


 急にオーナーに呼ばれて何事かと思ったが、まさかこんなにも嬉しい話だとは思ってもみなかった。普段なら、夕勤の穴埋めの話だが、今回は早朝の穴埋めだった。


 「よしよし。」


 ニヤついた顔で退勤を済ませバイト先から家までの5分少々の道のりを歩く。


 家についた上木だったが明後日のバイトが今から楽しみすぎてしょうがない。感覚的には遠足前の小学生の様な感覚だ。


 「おっと。いかんいかん。楽しみすぎて今日の貰ってきた廃棄を冷蔵庫に入れるの忘れてた。」


 思い出したかのように冷蔵庫を整理する上木だったが、すぐに頬が緩んでしまい気持ち悪い顔をしている。

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