詩 死ぬだけだって言ったのに
「死ぬだけだって言ったのに」
亡骸の前で呟いた
馬鹿なことをしたもんだ
「死ぬだけだってちゃんと言ったのに」
とんだ愚か者がいたもんだ
笑ったはずなのに 声がでなくて
乾いた風が 吹き抜けた
この国の外には 何もないんだよ
人の生きていける環境じゃないんだ
いつかの僕はそう言ったよね
君はちゃんと聞いてたろ
それでも どうして 国を出た
世界の果て なんて馬鹿げてるだろ
夢なんかじゃ 生きてはいけない
亡骸はもう 語らない
何考えてたのか 分からない
どうしようもない 愚か者だ
「これじゃあ」
そう結論付けるしかないじゃないか