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成り上がり庶民の英雄伝説  作者: 九十九 薛
王国騒乱編
7/19

シラサギ皇国


転移して落ちた先はどこかのゴミ山だ。

臭いが強烈で鼻がもげてしまいそうだ。

どこか知るためにゴミ山から離れ、歩いていると街が見え門前まで来たところで意識を失った。

目を覚ますと懐かしい畳の匂いがした。

この世界に来てから初めての日本ぽい部屋だ。

(懐かしい畳の匂い。でも俺は確か)

「御目覚めになられたようですね」

正座で座る着物姿の少女と男性がいた。

「ここ、、はっ!!」

失った右腕に激痛が走り、呻く。

「まだ傷口は完全に塞がってませんから無理に体を起こさないでください」

「助けていただきありがとうございます。ではこれで。この御恩はいずれ返しに来ますので」

激痛の走る体を無理やり起こし、その場から去ろうとしたらあまりの痛みに耐えきれず倒れ込む。

「傷が治るまでここにいてください」

「それはさすがに」

「その傷で追い出したとなればシラサギ皇国の名折れです」

「シラサギ皇国?」

聞き覚えのある国の名前だが思い出せない。

「ここはシラサギ皇国です。そして私は、このシラサギ皇国第一皇女のシュカ・シラサギと申します」

「私はシュカ皇女殿下の護衛兼大臣をしております。コウジ・ムラサメと申します」

「自分はクロア・レディウスと申します」

「それでどうしてあの場所に?」

「それは、、、」

(あの件は王国の信用問題になる。ここが他国なら下手に言うべきじゃないな)

「お話したくなければ構いません。無理に聞くつもりは無いですから」

そう言ってシュカ様とコウジさんは部屋から出ていった。

数日経ちシラサギ皇国の両陛下に呼び出された。

「シュカ皇女殿下、レディウス様がお越しになられました」

「入りなさい」

侍女が大きな襖を開け、シュカ様に続き部屋へとはいる。

「両陛下並びにシュカ皇女殿下、この度は時間を取って頂きありがとうございました」

深々と頭を下げる。

「頭を上げよ。そなたは客人だ。頭を下げる必要などない。そなたを呼んだのは少し聞きたいことがあっての」

「はっ。その前にお話したいことがあります。これからの話は内密にお願いします。王国の今後に関わってきますので」

ここに至った経緯を全て説明した。

「クロア様は苦労なされたのですね」

シュカ様が袖で涙を拭う。

「それを何故我々に?」

「自分を敵意のない者として扱っていただいたので私も害のない存在としての証明したまでです」

「信じよう」

「ありがとうございます」

「ではクロア殿、そなたに聞きたいことというのはな。そなたの持つそのペンダントじゃが」

「これは母の形見で、母はこれを父から貰ったと言っていました。これがなにか?」

「実を言うとそれは旧シラサギ皇族を示す秘宝なのじゃ」

「旧シラサギ皇族?」

「ああ、かつてこの皇国では皇族同士の争いが起きて敗北した旧シラサギ皇族はこの地を去り我々の先祖である現シラサギ皇族がこの地に残った。そして恐らくそなたの父親は旧シラサギ皇族の生き残りであるキョウゴ・シラサギで間違いない」

「私が奪ったという説は?」

「いやないじゃろうな。そなたの目を見ればわかる。それと良かったらしばらく滞在してもらって構わない。さあ、クロア殿の歓迎だ!宴の準備をせよ!!」

「ありがとうございます」

宴を終え綺麗な夜景を見ていると隣にシュカ様が座った。

「みなさん酔っ払って寝てしまいましたね、クロア様」

「みたいですね。わざわざ自分のために宴を開いてもらいありがとうございます」

「昔はどうであれ今の皇族は旧シラサギ皇族派の方々ともちゃんと分かり合いたいですから」

「実は気になることがあるんです」

「なんでも仰ってください」

「母はなにも自身の過去を喋らなかったので父親のことも含め何も知らなくて」

「ごめんなさい、恐らく父の話によればキョウゴ・シラサギ様がその方と結婚したのは皇国を出たあとだと思いますので何も情報はないかと、、」

「分かりました」

眠たくなってきたというシュカ様を部屋まで送り自分も客間へ戻り眠りについた。


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