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成り上がり庶民の英雄伝説  作者: 九十九 薛
王国騒乱編
4/19

卒業試験


王宮に来てから五年が経ち、

ついにクリスティーナ先生とルミア先生から受ける鍛錬最終日となった。

今日は卒業試験である。

場所はもちろん郊外にある廃坑だ。

「クロア、前回も言ったけど今日は卒業試験。出した課題覚えてる?」

「王級以上の魔法を自作し今日使うこと、ですよね?」

「その通りよ。あ、でも前みたいにやり過ぎないようにね」

「それは大丈夫ですよ。周り一帯に魔法障壁をかなり張ったので」

「ちゃんと教えた魔法は使えるようになったみたいで良かったわ」

「では、、ふぅ」

目を閉じ全身に意識を集中させ、魔力の流れを感じ取る。

「摂理は円環し、森羅万象は循環せん

混沌は破滅を呼び、神は破壊を成す

肯定せよ、一掃せよ

【破滅ノ光芒インディクザ・レイ】」

【光弾】を超圧縮し、更に付加魔法である【威力増加】で一気に放つ魔法。

その威力は山一つ吹き飛ばす。

何重にも張った魔法障壁を壊し、山を吹き飛ばした。

「ーっ!?、えっ!?その威力おかしくない!?魔法障壁を破ってしかも山を吹き飛ばすって、、、」

「ほう、これは王家筆頭魔法使いとして雇いたいものだな」

声のした方を向くと陛下が立っていた。

「へ、陛下っ!」

「かしこまる必要は無い。国王ではなく一人の人間としてここに来ただけだ」

「わ、分かりました」

「しかし本当に凄い魔法だな。この魔法一つで勢力が大きく変わる」

「それは大袈裟では?」

「大袈裟なわけないでしょ。魔法障壁を壊すこと自体普通有り得ないのにその上山一つ吹き飛ばすって異常よ」

「この魔法は帝級と認定して構わんだろ。クロアよ、この魔法は無闇に使わぬようにここで誓え」

「それは構いませんけどなんででしょうか?」

「この魔法を使えるだけで一国の戦力と言っても過言ではないだろう。それに他国に知れればお前を殺すものが現れるやもしれん」

「分かりました。この剣に誓います」

「合格よ、クロア。正直に言えばもう少し加減はいると思うわ」

「気をつけます」

「陛下、お話はお済みですか?」

「おっとすまない、今度はヘルブレム騎士団長による試験であったな」

剣を鞘から抜き構える。

「よろしくお願いします、クリスティーナ先生」

「行くぞ、クロア!」

その声と同時にクリスティーナ先生が数歩手前に現れ、剣戟を放ってくるが宙に飛び避ける。

付与魔法の一つ【身体強化付与(フィジカルエンチャント)】で身体能力を底上げし、クリスティーナ先生の背後を取り蹴りの一撃を与えるがかわされる。

「そう簡単には勝たせてはくれませんか」

今度は昔通っていた道場で教わった柔道技を使って接近戦に持ち込む。

しかしカウンターを喰らい仰け反る。

「もっと殺す気でこい」

少し距離を取ってから剣先に力を込め突きの一撃を放つ。

「この程度っ!!」

突きの一撃をクリスティーナ先生は剣の腹で防ぐが剣は真っ二つに折れ、クリスティーナ先生の首元寸前で剣先を止める。

「はぁはぁ」

「私の負けだ。参った」

クリスティーナ先生は諦め両手を上げた。

「これで正式にクロア・レディウスはリリシアの専従護衛騎士だ。おめでとう」

「はっ!ありがとうございます」

「これからの活躍楽しみにしているぞ」

「必ずや陛下の期待に応えてみせます」

数ヶ月前に学院の試験を受け合格し、今日はそのまま入学式だ。

学院は寮となっており、生徒以外は立ち入り禁止だ。

そのため、アリシア殿下とリリシア殿下二人の護衛を兼任することとなってい

る。

校舎に着き、馬車から降り周りを警戒しながら二人の後ろを歩いていると貴族達に睨まれる。

「おい、庶民のくせに調子乗るなよ?」

「気を悪くされたのであれば謝罪します。申し訳ありません」

「てめぇ、なめてんのか!」

金色の髪をした少年が殴りかかってくるがそれを振り払い、地面に叩きつける。

「学院での私闘は禁じられているはずですが?」

「ふ、ふざけやがって!覚えとけよっ!!」

それ以降もなんどもその少年と取り巻きから嫌がらせを受ける。

その少年はかつて自分の護衛騎士任命を止めようとしたリンベル卿の弟でアルグ・リンベルというらしい。

かなりしつこく、呆れていたある日そのルーガ・リンベル卿御本人からの決闘を申し込まれ仕方なく受けることにした。

「お久しぶりですね、リンベル卿」

「たかが庶民風情がいきがるのも大概にしておけよ」

「御忠告痛み入ります」

試合開始の合図とともにルーガの懐へ入り、剣戟を放ち気絶させた。

それ以降アルグと取り巻きたちからの嫌がらせは減った。



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