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成り上がり庶民の英雄伝説  作者: 九十九 薛
王国騒乱編
2/19

叙勲式

少し内容を変更しております

大浴場から上がり、待っていた侍女に案内される形で客人用の部屋へと入る。

そこにはリリシア殿下と数名の人がいた。

「クロア様、お父様からで本日の夕方より叙勲式をするのでそれに相応しい格好をするようにとの事です。今から整髪と叙勲式のための服の採寸です。色々予定が詰まっていますがお許しください」

「それは大丈夫です」

数時間かけてようやく準備が整い、再び侍女に案内され大きな部屋へと入る。

するとそこには大勢の貴族と奥の椅子に王族が座っていた。

「クロア・レディウス様のご到着!!」

「クロア・レディウスよ、前まで来るが良い」

「はっ!」

国王の前まで行き、床へ膝をつき頭を下げる。

一応一通りの礼儀は教わった。

「頭を上げよ。此度はよくぞ我が娘、リリシアを助けてくれた。感謝の言葉もない」

「ありがたきお言葉」

「して娘を救ってくれた君に褒美をやらねばな」

渡されたのは鉄でできた金色の花で真ん中には赤く綺麗に透き通った宝石が埋め込まれている。

「ありがたき幸せ」

「本来であれば王女を救ったことで伯爵までの爵位を与えるべきなのだろうがまだ君は若い。だからそれはおいおいとして。国王の権限によりクロア・レディウスに騎士爵の爵位を与え、リリシアの護衛騎士に任命する」

「我が身我が命、王国と民のために振るわん!」

「何か異論がある者はいるか」

「お待ちください、陛下!」

「なんだ?リンベル卿」

金色の髪をした青年が手を挙げた。

「騎士爵は良いかと思いますが王女殿下の護衛騎士任命は行き過ぎではありませんか?第一その少年はまだ十歳くらいではありませんか、荷が重すぎるかと」

「ほう、確かにそうだな」

「お父様っ!?」

リリシア様が不満そうな顔をしている。

「王宮直属騎士団騎士団長、宮廷魔法師団師団長、共に前へ来い」

「「はっ!」」

クリスティーナさんともう一人俺と同じくらいの少女が出てきた

「突然だが、王宮直属騎士団騎士団長、クリスティーナ・ヘルブレム、宮廷魔法師団師団長、ルミア・ヴィレットをクロア・レディウスの教育係へ任命する。ルミア・ヴィレットはクロア・レディウスが護衛騎士として十分と判断できるまでリリシアの護衛騎士補佐として動いてもらう。二人ともよいな?」

「「御意」」

「リンベル卿もそれでよいか?」

「ぐっ、、は、はい」

リンベルと呼ばれた男は悔しそうな顔をし、こっちを睨みつける。

「叙勲式、臨時任命式は以上とする!!明日クロア・レディウスの歓迎パーティーをする。時間がある者はきたまえ」

と陛下が言い放つと貴族達は去っていった。

「ふぅ」

「すまんがクロアよ。これから時間を貰ってもよいか?少し話があるのだ」

「は、はい」

「すまぬがヘルブレム騎士団長とヴィレット師団長も来てくれ」

「「わかりました」」

王族の方々は着替えてから戻るとのことで少しクリスティーナ様とヴィレット師団長と話をする。

「初めまして、私はルミア・ヴィレット。宮廷魔法師団師団長をしてるわ。クリスティーナとは同期なの。気軽に私のことルミアって呼んで」

「はい、ルミア様」

「様付けはしなくていいよ」

「いえ、そういう訳には」

「もうっ、様付けしなくてもいいのに」

ルミア様は不満そうに頬を膨らませる。

「クロア、私とルミアは君の教育係となっ訳だが一応、私が剣、ルミアが魔法だ」

「はい」

「毎日日替わりで教える形でも構わないか?」

「それで構いません。これからよろしくお願いします、ルミア先生、クリスティーナ先生」

「よろしくね、クロアくん」

二人と握手を交わしていると陛下とリリシア殿下、アリシア殿下が入室した。

「その様子だと挨拶は終わったみたいだな。改めて私はこの国の王、ガルド・リム・ラクルティアだ」

「クロア・レディウスです。この度は護衛騎士に任命頂きありがとうございます」

「まぁ、座りたまえ。さてと尋ねたいのだが何故私の娘を助けてくれたのだ?それなりに恐怖もあったはず。それに無関係な人間だ」

「これはアリシア殿下にも言いましたが最初は助ける気なんてありませんでした。でもきっと助けなかったら母は俺を軽蔑しますし、何より助けないで後悔するより助けてから後悔した方がマシだと思いました。それで助けただけです。大した理由なんてありません」

「いや、十分大した理由だ。私なら同じことは出来ない。やはり私の見立て通り君は護衛騎士に相応しい」

「そう言って頂けると光栄です」

「これからが本題なのだが、今この国は未曾有の危機が迫っていてな」

「未曾有の危機?」

「ああ、南にあるイスラティオ帝国は何やら裏で動いていてな。数年後には大きな戦争が起きると私は見ている。その時になったら君には娘二人を連れて極東にあるシラサギ皇国へと亡命してもらいたい」

羊紙に王国の紋章と国王の血印、長い文章が書かれていた。

「王国には最高戦力があると聞いていますが?」

「確かに存在はする。しかし、あれは危険だ。使えば殺戮の限りを尽くし一切の生物がこの世界から消えることになる」

その羊紙を魔法で解けないように封をすると渡された。

「その時が来たら必ずお二人をシラサギ皇国へ連れていくことをお約束します」

「よろしく頼む。言い忘れるところだったが部屋は今使ってる客室用の部屋を使うといい」

「ありがとうございます。あと王宮には図書館あったりしますか?」

「あるが?」

「使ってもよろしいでしょうか?」

「構わんぞ」

「ありがとうございます」

話が終わりリリシア殿下に案内され、大図書館に入る。

「クロア様は本がお好きなのですか?」

「ええ、まあ。よく母が本をたくさん読みなさいと言ってましたから」

「いいお母様なのですね」

「はい、いつも優しくて大好きな母親でした」

「羨ましいです。私の母親は私が物心つく前に亡くなって顔もわからないです。ご、ごめんなさい、私変なこと言ってしまって」

リリシア殿下は反対側を向いた。

「変ではありません。自分の方こそ不躾な話をしてしまい、申し訳ありませんでした」

「い、いえ。ところでクロア様は何を読みに来られたのですか?」

「えっとですね。この国の歴史とあとそうですね、、魔法のこととか」

「それならおすすめの本がありますので少し待っててください、クロア様」

そう言うとリリシア様は走っていったが司書に歩きなさいと言われ、歩いていく。

しばらくすると大量の本を持ったリリシア殿下が戻ってきた。

「あ、危ないですよ!」

崩れかけた本の山を支え、半分以上を机の上に置いた。

「ごめんなさい」

「怪我がなくて良かったです。でも気をつけて下さいね。リリシア様に怪我なんてあったら夜も眠れません」

「は、はい、気をつけます」

「リリシア殿下がおすすめという本は?」

シュンと項垂れていたリリシア殿下が一瞬で笑顔に変わった。

「こちらなんてどうでしょうか!」

リリシア殿下から渡された本のタイトルは『平民騎士と高貴な王女』。

「どう言った話なんですか?」

「これはですね。田舎町に生まれた少年がある日お忍びで下町へ来た王女様に一目惚れして一流の騎士になる為いろんな剣の使い手の元で修行するというお話です。諸説ありますが主人公の少年は初代ラクルティア王というのがかなり有力な説ですね」

「ではこれにします。あと、魔法関連の本とかあります?」

「それならこれとかおすすめです!」

リリシア殿下から受け取った二冊の本を借り、部屋へと戻った。

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