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成り上がり庶民の英雄伝説  作者: 九十九 薛
王国騒乱編
14/19

帝国の陰謀


シルフィア神聖国に来て一週間が経った。

シルフィア神聖国にある図書館で調べたがあの空中要塞都市と呼ばれる物の詳細は分からずじまいだ。

「クロくん、これからどうするの?」

「とりあえず今日にでもここを発って"精霊の森"へ一度戻るつもりです」

「そう、もう行っちゃうのね。お姉ちゃん、寂しいわ」

嘘泣きしながら姉さんが抱きついてくる。

「あ、暑苦しいんで離れてください」

「私決めたわ!」

「え、無視ですか?無視はさすがに酷くないですか?」

「私もクロくんと一緒に行くわ!」

ぶはぁっ!と飲んでいた紅茶を吹き出してしまった。

「ゴホッゴホッ、な、何言ってるんですか!絶対にダメですよ!」

「えー、なんで?も、もしかして、クロくん、お姉ちゃんのこと嫌いなのっ!?」

「そうじゃなくて、そんなことしたらシルフィア教の騎士団が動くに決まってるじゃないですかっ。姉さん一応大司教ですよ?分かってます?」

「てへ」

「可愛く言っても無駄です。絶対に連れていきませんからね」

「クロくんのケチっ」

「駄々をこねないでください。子供じゃないんですから」

「だって!クロくんエネルギーないと私生きていけないわ」

犬のようにくんくんと人の首筋を匂ってくる。

「はぁ、分かりました。分かりましたよ、これを差し上げますから我慢してください」

前世の時に好きだったマスコットキャラのぬいぐるみを渡す。

「それクロアが昨日徹夜で縫ってたぬいぐるみ?」

いきなりエルミアが出てきた。

「クロくんもしかして、私のために!?大好きっ」

「〜っ!べ、別に姉さんのためじゃないですからっ!」

「もう照れちゃって、可愛いんだから」

「う、うるさいなぁ!」

「クロくん、真面目な話するけど君に対してシルフィア教は異端者として扱うことになったの」

「えっ?」

「魔法を自分でいくつも作った上に魔王であるイヴちゃんに最高位精霊のエルミアちゃんを従えているクロくんは"人類の敵"として認識され始めてるのよ。皇国は沈黙を貫いているけれどそれも時間の問題。これから先今まで以上に危険な目に遭うわよ。それでも行くの?」

「はい。俺にはまだ救わないといけない人達がいます」

「そう、それがクロくんの選択なのね?」

「はい、これが俺の選択です。俺は二度と大事なものを失いたくありません。その為なら世界だって敵に回します」

「ここで説得できたら良かったんだけど」

はぁと姉さんが悲しそうな顔でため息をついた。

「ごめんなさい、、でも後悔したくないんです」

「クロくんが謝る必要なんてない。全ては私の弱さが原因よ」

「クロア・レディウス、テレジア大司教、貴方方を異端者として捕らえさせてもらいます」

周りを見渡すと大勢の騎士に囲まれてしまっていた。

「どういうつもり?レブト神父」

「どういうつもりもありませんよ。我々はこの時を待っていたのです!貴方の力は強大すぎるのです、大司教。筋書きはこうしましょう。大司教は勇敢に戦った末、クロア・レディウスに殺されそこへ駆けつけた我々がクロア・レディウスを討ち取ったと完璧でしょう?」

「それが貴方の真意なのね?私を大司教の椅子から引きずりおろしその椅子に自身が座るために」

「ええ、その通りです」

「イヴティアさん、姉さんを連れてこの国から脱出してくれ。時間は俺が稼ぐ」

姉さんの前に出て、剣を抜いた。

「な、何言ってるの!クロくん!」

「大丈夫です。すぐに追いつきますから」

イヴティアさんが姉さんを連れていったのを見送り、向き直る。

「何をしている!貴様らは大司教を追わぬか!」

慌てて騎士たちは姉さんを追おうとした。

「させるか!」

土魔法で地面を隆起させ、誰も追えない状態にした。

「こ、小癪な!」

「悪いな。お前らに姉さんを追わせない」

「ガキの分際で私の邪魔をするなぁ!!」

襲いかかってきたレブト神父と騎士達を斬る。

「皇国流剣術奥義"真空烈火斬"!」

「ぐぁっ!」

「まだこんなにいるのか!?」

未だ騎士は何十人も残っている。

「ここは我らにおまかせを」

声のした方を振り向くと騎士達が立っていた。

「まさかまだいるのかよっ!」

「いえ、我々は大司教直属騎士団であります。ご安心ください」

「大司教直属騎士団?」

「はい、私は筆頭騎士、オーヴェル・ジンジャーと申します。クロア殿、大体の事情は大司教より伺っておりますので大司教をよろしくお願いします」

「は、はい、オーヴェルさん。どうかご無事で」

「はっ!」

オーヴェルさんに後は頼み、姉さんを追う。

(姉さんっ!イヴティアさん!)

【身体強化付与】と【瞬足】でスピードを上げ、急いで向かう。

「クロくん?」

「姉さんっ!!」

城門を抜けるとイヴティアさんと姉さんを見つけた。

「ご無事でなによりです、主様」

「姉さんの護衛ありがとう、イヴティアさん」

「いえ。主様!、我のことはイヴとお呼びください。我は主様が剣ですゆえ」

「では、イヴ、改めて感謝する」

「はっ、勿体なきお言葉」

「姉さん、なんで彼らは裏切ったんですか?」

「さっきも言ったでしょ?レブト神父が大司教の座を欲しいからよ」

「それもあるでしょうけど他にもあるんじゃないですか?それだけの理由で大司教を暗殺するということを起こすとは思えません。それはあまりにリスクが高い」

「言われてみれば、、、失敗したらそれこそ反逆者として扱われる。彼らも直属騎士団の存在は知ってる」

聞いたところによれば大司教直属騎士団は優秀な剣士ばかりとのこと。

いわばこの国の最高戦力。

「誰かがレブト神父を焚き付けた。例えばローカリア・ガット」

「確か帝国の枢機卿団で、クロくんを殺そうとした人よね?」

「はい、帝国は何かを企んでいる。一つは恐らく王国の転覆、、、最終的な目的に大司教暗殺が繋がるとして、、、世界の実権を握ることだとするなら今回の一件も理解出来る、、、」

「うん、素晴らしいね。まさか帝国が繋がっていると分かるなんて」

城門の前に三人の人影が立っていた。

「ーッ!誰だあんたら!」

(いつの間に!気配に全く気づかなかった)

「我々は皇帝陛下に従えし"三獣士"だ。クロア・レディウスとお見受けする」

「"三獣士"?姉さん知ってる?」

「ええ、皇帝陛下が最も強いと称する者たちのことよ」

「帝国の戦力か、、。どうすれば大人しく撤退するしかない」

【光爆】で"三獣士"の目を潰し、魔法で'精霊の森"へ二人を転移させたのと同時に"三獣士"の一人に襲いかかられ、逃げ遅れた。



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