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シノノメナギの恋わずらい  作者: 麻木香豆
第二章

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独身会

「ちょっとそれってさー共依存じゃない?」

 共依存? わたしと常田くんの関係が? そんなことはないわ。


 今日は例の独身会。薫子が辛辣な顔でそう言う。隣でサアヤもウンウンとうなずく。

「まぁ梛は恋に溺れるとズブズブに溺れるからねぇー」

 もう、二人してっ。


「まー、とにもかくにも初彼氏おめでとうー」

「脱、処女おめでとー」

 何という雑な祝い方っ! それに人がいるところで処女がなんたら言わないでよ、薫子!

 昔から二人には恋の相談やわたしの妄想、暴走によく付き合ってくれてたわけだし。


 集まったお店はあの小洒落たバー。美味しいピザとパスタをシェアし合う。常田くんは家にいる。気にせず行ってきて、とのこと。帰りに3人で写真撮ってそれ見せればホッとするかな?

「薫子はどうなの? 彼氏とは」

「うーん、ぼちぼち。今はスマホ一台で繋がっちゃうから寂しくないけど肌寒いわー」

 一応彼氏がいる薫子。でも仕事が忙しくてなかなか会えない。そして相手は外国人。結婚するなら同性同士の結婚が認められる国でしたい、日本だけでなくて世界を飛び回る薫子にとっては日本以外で結婚しそうな気もする。


「サアヤはヨガ教室のオンライン始めたんでしょ」

 サアヤは大阪に住んでいて、自分でヨガ教室を開いているのだ。

「そうなのよ。最近は仕事終わりのサラリーマンとかさ、あと特に目立つのは子育てで出られないママさんたち。家でヨガをしようというコース作ったら大人気でさ。一緒に子供がヨガをしている様子が映し出されて微笑ましいー。あー子供だけ欲しいよ」

 子供ねー。人の子は可愛いのよ、それはよく聞く話。確かに子供は可愛い。私も産めたらいいのにな、と思うけど育てられる自信はない。

 仕事ができなくなるじゃない、体型も崩れるし、てか子育てで家から出られない? 不自由! それにわたしの子供だなんて……どんな子が生まれるのかしら。

 って、サアヤがわたしをじーっと見る。


「梛、痩せたっぽいし、肌艶いいし。やっぱり恋をして彼氏もできたからかな」

「そ、そうかなぁ……」

 と肌をトントンと触ってみる。よくわかんないけどそういうふうにいう人もいるし、わたし自身もちょっと化粧ノリよくなったなぁって思う。


「あと、たくさん愛されてるからでしょっ。わたしも早くジェイムスと会いたいわ。会って抱かれて交わって乱れるとぉー全身ツヤッツヤ、プルップルになるのよー。どの美容液にもそんな効果ないの、ああ、梛が羨ましいっ」

 薫子は全身うねらせる。そんな効果あるのかしら、本当に。しかも男同士で。なーんてね。

 そいや常田くんとすこし話してたけど……彼も欲しくないって。目の病気遺伝したらかわいそうだって。

 それに子供できたらわたしが子供に気を取られて嫉妬しちゃうって真剣に言ってたけど、どんだけ嫉妬するのよ、常田くん……。


「でもその彼、目が見えなくなったら梛は支えていける?」

 ……サアヤの目が真剣だ。

「結婚して夫婦でも色々起きるけどさ、病気とかリストラとかさ。最初から分かっているのならその結末を覚悟していかないと。並大抵のことじゃないよ、いくら彼が大丈夫だとかさ、点字とかの設備整っててもさ」

「私もそれ思ったけど、梛が今幸せだから良いけどそのあと梛が苦しい思いするって思うと……」

 ……分かってるよ。それ分かってて、といいつつもどこまで覚悟が必要なんだろう。


 いっそのこと別れて他の言い寄られている人に乗り換えても良いのよ。でも常田くんはどうするの? 彼を誰が支えるの? 

「大丈夫……二人で乗り越えるって決めたから」

 そんな言葉しか絞り出せなかった。


「梛がそう言うなら……」

 ああ、いつもなら活発な独身会もだだ下がり。ムードメーカーの薫子もすこししょんぼりしてる。

 二人は私のことを心配してるのはわかるよ。合コンで男に馬鹿にされてさ、泣いてたときに二人がその男たちをコテンパンにやっつけてくれて、わたしには幸せになって欲しいって言ってくれたっけ。


「あ、見てみてぇー。私好みのちょーイケメンがカウンターに座ってるわぁー」

 薫子、ムードメーカーね。さすが。この雰囲気を頑張って盛り上げようとしてくれてる。

 わたしは薫子の指差すカウンターを振り返って見た。


 ……仙台さん? 他の人から見てもイケメンに見えるってさすがね。彼はわたしには気づいてない。カウンターでマスターと話をしてる。薫子はうっとり見てる。サアヤは

「背が高くてまぁイケメンの分類だけどモヤシみたいだな。でも結構遊んでそう」

 と冷静に分析してるけど、わたしこの人に惚れられてるなんて言えないっ。

 どうしよう、挨拶するべきかな。いっそのこと仙台さんのことを話したら二人は彼にすべき! と、押されるのだろうか。


「まさか知り合い? 梛」

 わたしは頷こうとした時だった。バーの玄関のベルがなった。


「なーんだ、女がいたのかー」

 薫子はがっかりした。


 わたしもがっかりしてる。仙台さんの元にやってきた女性は……。


「夏目さん、待ってたよ」

「ごめんなさい、お待たせしちゃって」



 夏姐さんだった……。





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