表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/37

ファリス VS 清廉騎士団

ファリスは片目が潰れながらもようやく回復した視界でハインリヒたちを探すが、その姿はない。




「いおfgj」



 歯茎を覗かせてだらしなく開いた口から涎を垂らし、獲物であるハインリヒを探して辺りを見渡す。

辺りを包む黒い霧以外に視界はなく、遠くから何か獣の叫び声が聞こえる以外には森は静まりかえっていた。



 辺りを見渡していたファリスであったが、鼻をひくひくと鳴らして臭いを嗅ぎ始める。

木々や地面を鼻を鳴らして嗅ぎ、ハインリヒたちの後を追おうとする姿勢を見せる。そのとき。




「今だ、いくぞ」



 ファリスの左右の脇の茂みから音もなく伸びる4本の剣。 

フレデリックたち団員4人は同時に、ファリスのブヨブヨと脂肪の付いた脇腹へと剣を突き立てる。



「おぢうhg;おsr!」



「「「おおおっ!?」」」



 ファリスは雄牛のように跳ね、吼える。

団員たちは吹き飛ばされまいと柄を持つ手に力を込め、剣を捻って少しでも深くファリスの体内へと切っ先を送り込もうとする。



「ああっ!?」



 1人は勢いに耐えきれずに振り落とされ。



「ぅ……」



 1人は巨体に押しつぶされ。



「ぐぅ……」



 1人は地面へと叩き潰され。




「は、ハイン、リヒ団長……」



 残ったのはフレデリック唯1人。

フレデリックはファリスの4対の腕に捕らわれ、フレデリックの四肢と首にファリスの腕が絡みついて段々と力が加わる。



「……っ……っ」



 ぎしぎしとフレデリックの体から嫌な音が聞こえ始める。

最初のうちはフレデリックもまた渾身の力を込めてその手から逃れようとしていたが、それもつかの間のこと。ファリスの規格外の怪力にただただオモチャの様にされるがままになっていた。



「ふ……ぅ~! ぅう~」



 フレデリックの関節が裂け始める。

ギチギチと血が滲み、筋肉は悲鳴を上げる。




「そこだぁっ!」 

 


 ハインリヒが木の上からファリスの頭頂部へと飛び降りる。



「くらえっ!」




 ハインリヒは木から飛び降りると、ファリスの顔面へとその剣を突き立てる。

ファリスは大暴れをしてハインリヒを振り払おうとするが、ハインリヒははしっかりと剣の柄を握り、振り落とされまいと踏ん張っていた。



「これで終わりだっ! ”凍てつきマイナ・ガガン”」



 剣を伝って、極寒の冷気が直接ファリスの体内へと流し込まれる。

血は凍り、筋肉はこわばり、脳を凍てつかせる。




「tぎゅおぃ」



 ファリスは小さくいななきを残すと、力なく倒れるのであった。

ファリスの頭部に乗っていたハインリヒもまた地面へと投げ出されるが、なんとか受け身を取る。



「フレデリック、大丈夫か?」



「は、は、は……。ハインリヒ団長。お、遅いですよ」



「悪かったな。あの化け物の隙を窺っていたんだ。 ……皆、歩けるか?」



 ハインリヒのかけ声に団員は力なく手を振る。

それを見るとハインリヒはフレデリックに肩を貸すと歩き始める。



「木の上から、向こうに建物が見えた。僕らが探してるエルフの村はすぐ近くみたいだな」



「へ、へ。早くこの痛みともおさらばしたいですよ、団長」



「なあに、あとちょっとの我慢さ。皆、歩けないヤツには肩を貸してやれ。村はあと少しだ、早く行くぞ」



 ハインリヒと団員たちは息も絶え絶えになりながらも、ようやくエルフの村へと到着するのであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ