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暗躍する能力者

朝起きた、首の周りに違和感がある。

鏡をみたら、昨日取り付けられた、爆弾付の首輪があった。

目を瞬きして、首輪を消し去る。

想像通り、問題なく除去できた。


堂本が、いびきをかいて2段ベットの上に寝ていた。


「堂本さん、これから何かしないとだめなんですか?」


「ん?輪か?特になにもないぞ。携帯電話に集合の連絡がこない場合は、自由だよ。昨日飲みすぎたから、また寝る」


再び堂本が寝てしまった。


夏休みも、残り2週間である……まずい状況だ。


ピロロ!ピロロ!……


携帯電話が鳴る。


「はい、輪ですが?」


『輪か?鈴木だ。お前の首輪の通信がロストした。何かあったのか?』


「すみません、邪魔なので消しました」


『.....簡単に言ってくれる....まぁ構わないがな。首輪は保険なだけだ』


「どういう事ですか?」


『司法取引といっても、花芽利を野放しにできないだろう?先日のお前との会話の時に、言動を縛る能力者によって、花芽利と輪の行動は、既に縛ってある』


「は?」


『言った事を守らせる能力者が立ち会っていてな、【人を殺さずに警察に協力】を花芽利が守る事は無意識下で強制だ。輪の強制は、【13課に所属】だな』


有言実行させる能力って……政治家に使ったら有効な能力だな。

自分で言ったのだから騙されてはいないが、騙された感が凄い。


「13課をや……め……うお!苦しい!!冗談でも言えないぞ!」


13課やめるって言えねーぞ!


『無駄だよ、本人が可能な最大限の努力を強制的に実行させる能力だ。今後も協力お願いする。あと、この事は、花芽利に話してはダメだ。あくまで無意識下で協力してると思わせないと危険だからな。お前の場合は、既に私の部下だ。これからは、私の言う事は絶対服従だと思ってくれ。まぁ既に逆らえないけどな』


大学受験……無理かもしれん……


--場面はクルリと変化する--


図書館で、黙々と勉強していた。

目の前で、花芽利が漫画を読んでいた。

最近の図書館は、漫画も置いてあるために助かったと言えるのか?

どこかの中世のお姫様の様な赤いドレス姿で、意外と可愛いので、目のやり場に困るし、周りからの視線が痛い。


結論は、まったく勉強に集中できない。


「花芽利、どこかに遊びに行ったらいいんじゃないかな?」


「あれれ?輪の目の届く所に居ることが条件だった気がするぞ?友達と言わず付き合おうよ」


目の前で、指で輪を作り指を出し入れしている。


さらに周りの視線が痛い……

勉強道具をしまって、図書館から出ることにした。

13課に顔を出して、まずは花芽利を如何にしなければならない。


「花芽利は、これから何したいの?」


「特に目的はないよ。ただ追われてたから逃げてただけかな?馬鹿にした奴らを、空に飛ばしただけで、誰も殺してないんだけどな……私を馬鹿にしたなら私より優秀なんだから空に飛ばされても平気なんだろう?その点、輪は、生きてるから全然私より優秀ってことだ。馬鹿にしていいぞ!」


ニコニコして、答える。価値観とか考え方が異質だな。

これって大丈夫なのか?本人が殺してるつもりないけど、死んじゃう結果なだけの場合は、有言実行能力発動するのかな?


「首輪、外さないの?花芽利ならすぐ外せるのでは?」


いまだに首輪をしている花芽利を見て違和感を感じたので聞いてみる。

花芽利の能力は、自分を含む触った物の転移だから可能だと思うのだが?


「あれれ?条件が警察に協力だから、外しちゃだめなんでしょ?」

お!有言実行能力が効いてるのか?だが、首に爆弾って物騒だな。

目を瞬きして消し去る。


「え?消えた!輪の能力は転移と言うか消滅?外したら爆発するんじゃないの?」


そうだった……私のアイテムボックスのような所には、いま爆弾が2個あるって事か……

ちょっと怖いな。


「13課に顔を出してこよう」


「輪が行くならついてくよ」


--場面はクルリと変化する--


13課は、警視庁の地下だった。

なんだろう……ダメ部署感を感じる。


ボロい通路の途中に汚い13課と書かれたプレートがある。

何故かレトロ感がある。


ドアを開けて入ると、12畳ほどに机と椅子が並んでいる。

鈴木が奥まったディスクで事務作業をしていた。

電話がコードレスじゃなくて全部コード付いてる……


「お!輪か?」


「他の人は?」


「堂本は、家でゴロゴロしているし、美鈴は部活だ」


本当に仕事してるのか?


「ちょうどいい、実は予告状が届いた。総理大臣を殺すそうだ。いま警備を強化している」


「は?」


「それ面白そう!」


花芽利が、反応している。


「今日の24時に、エレキが襲うようなので、23時に、集合かな」


「なんか、すごい軽い感じなんですが?重大事件なんじゃないんですか?」


「え?日常茶飯事だぞ?」


「え?」


「総理大臣が入れ替わるレベルじゃさほど問題はない。それより世界滅亡レベルの事が重要だ」


なに言ってんだこの人!!


「エレキってなんですか?」


「今は、9人になったが日本で重要度が高い異能者の一人で正体不明だが、自分の体を電気に変える事ができて、電気があるとこには、何処にでも現れて自己表現する愉快犯だな」


「身元不明?」


「身元不明だ。彼も輪が捕縛出来るなら助ける事はできるが、出来ないなら処分対象者だ」


「何か、過去にやったんですか?」


「感電死で7人殺害されている」


まじか!危険じゃないか!しかも電気だと目の瞬きで対応できるのか?


「危険じゃないですか!」


「耐電服を着ていれば、余裕で対応できるぞ?」


何故か、この死ぬかもしれない状況で軽い雰囲気はなんだろう?


--場面はクルリと変化する--


私は23時まで、13課で勉強をしていた。

花芽利は、暇なのでテレビをずっと見ている。

鈴木は、に何をやっているかわからないがディスクでずっと事務作業をしていた。


「来たぞ!お!いつもより2人多いと良いね!鈴木だけだと暗くてかなわない」


堂本が入ってきた。


「じゃぁ行くか」


「あれ?美鈴さんは?」


鈴木が、立ち上がったので私が聞いた。


「あいつは、明日、朝練があるからもう寝た」


「なんだよ!サボりかよ!これも鈴木がダメだからだぞ。俺も帰るかな」


「ふざけるなよ!堂本は職員だろうが!美鈴はバイトだ!」

え?私はバイト扱いなのかな?


「私の立場は?」


「お前は、保護観察期間だな」


堂本が即答する。


「参加しなくても良いとか?」


「それは、ダメだな。期間終了までは、付き合ってもらおうか」


「いつまで?」


「夏休み終わる頃までかな」


やはり、諦めるしかないのか?


--場面はクルリと変化する--


目の前に総理大臣がいる……

非日常過ぎて、頭がついていかない。

警備の人が10人ほど部屋にいる。


こちらの面子は、鈴木と堂本と花芽利と私である。


--場面はクルリと変化する--


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