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強引な選択

先程いた取調室よりも、強固な取調室室らしき所に閉じ込められる。


扉は、潜水艦の入り口の様な、厚さだった。

金庫の中に入れられたイメージだな。


『こちらからは、モニターで見ている。その部屋は、異能者が脱出する事が出来ない用に作られているのだが、花芽利のテレポートには、対応が出来るか不明だ。だが、君が本当に花芽利を捕縛しているか、確かめなくてはいけない為に許可が出た。司法取引の件は、受理された。説得してみてくれ』


鈴木が、スピーカー越しに話してくる。


「私一人?」


『君も色んな事を疑われている。立会いは、モニター越しになってしまった。すまない』


仕方ない。花芽利を出現させる事にした。

瞬きは、100 - 150ミリ秒だと言われている。

攻撃されてもコンマ1秒の刹那さえ耐えれば全て消せるはずだ。

特にテレポート能力と聞いたが、それであれば大丈夫だろう。


目を瞬きした。

目の前に花芽利が現れた。


「え??あれれ!!?ここは何処?君もテレポート出来るの!?全く能力わからない!素敵!付き合っちゃおうよ!」


花芽利の機嫌が物凄い良い。


「ええと、ここは警察で、実は捕まってて、司法取引で無罪になるから、今後、人を殺さずに警察に協力して欲しいんだけど?」


「ああぁん?警察?!ゴミ警察?お前、警察の奴だったのか?」


物凄い形相で睨まれた。

表情の変化が極端すぎてついていけない。


「一般人だけど、巻き込まれた感じですかね?貴方を警察の人が処分すると聞いたので、助ける方法が無いか聞いたらこうなりました」


「いいなそれ。もう糞警察に追われないし、好きな時に、君とデート出来るなら、そうしても良いよ」


「だそうですが、鈴木さんどうなるんですか?」


『き、君の能力に驚いた。私の13課に、君が勤めてくれれば可能だが、どうする?』


え?巻き込まれてる……デートは、少し嬉しいが仕事は嬉しくない。


「私が関与しない方法ないですか?」


「それは無理だな。君は現時点を持って13課に配属される。拒否するならば、国家と対決してもらう」


鈴木でも、美鈴でも、堂本でもない女性声が聞こえる。


「え?勉強があるんですが……」


『『『は?』』』


「あははは!君イイね!」


スピーカーの向こうで唖然とする複数の声が聞こえる。

目の前で花芽利が、腹を抱えて笑っている。


唖然とされても受験は、迫ってきている。

夏休みになってから、勉強の英単語の暗記する進行が遅くてヤバイ!


「……ええと、私は、自衛隊特務機関の長谷川涼子(ハゼガワリョウコ)だ。能力者は、国の国力にも関わってくる為に現在は、国家公務員になるか、処分されるかの二択しか選べない」


「事情は、わかりませんが、それって就職先が確定と言うことですか?」


『そうなる』


「それって大学受験が出来ないって事ですか?」


『防衛大学に推薦で入る事が可能だ』


いや……お気楽な大学に入ってサークル活動に参加して楽しむ夢があるんだが……防衛大?物凄いハードルが高いし推薦でも落ちる未来しか見えないし、難くて入学してから、ついていけるか自信がないんですが……


「少し考えさせてください」


『駄目だ。君達を既に野放し出来ない』


「処分ってどうなるんですか?」


『拘束して隔離か、抹殺だ』


重い……17歳に何を選択させるつもりだ。

国が正しいとも限らない……逃げたい……


「普通の生活をさせてくれる条件なら、言う事を聞きましょう」


『それは出来ない』


うわ!無理って?……


「それって、選択肢が無いのでは?」


『そうだな……そうだ花芽利を捕獲した君の能力は驚くべきものだった。日本には、残り9人の危険な異能者がいる。全て確保出来たら考えても良い』


ちょっとまて!

それって選択肢が変わってない……結局、巻き込まれて脱出不能なのか……


「わかったので、ここから出してください」


『では、そこにある首輪を付けてくれ』


いかにも、外したら爆発、逆らったら爆発しそうな首輪が出入り口のドアの横に並んで置いてあった。


「輪?これ付けるの?私も付けるの?」


「とりあえず付けて、ここでましょう」


「それもそうね」


首に付けたが、結構重い……


ガチャ!


ドアのロックが外れた音がした。


ドアを開けて2人で外に出た。

花芽利が、ドアを出る時にニヤリと笑ったのが印象的だった。


--場面はクルリと変化する--


そのあと、別の部屋で花芽利と一緒に鈴木から色々な説明を受けた。

やはり首輪は、高性能小型爆弾であり、外すには、暗証番号が必要。間違えても爆発、無理に外しても爆発、命令に逆らっても爆発と言う事だった。


それと、特殊能力者に対応する公安は、鈴木と美鈴と堂本のみであった。想像以上に人が少ない。

特務機関にも5人しかおらず、国側には、8人しかいないという戦力の少なさに驚く。

犯罪者の方が多いって……


能力者の存在は、1960年代から極秘裏に各国で認識し始められ2015年以降には、裏で国力を示す指標になりつつある。


「それで、花芽利に首輪は、理解出来ますが、私に首輪の意味がわからないのですが?」


「長谷川局長の能力は、危険予知らしいんだが、輪君は見たこともない値だったそうだ。君の能力をこちらが分かるまでは、外せない」


……なんだそれは……人体実験に付き合えば、外しますって事かな?実は、鏡があれば、すぐにでも目を瞬きすれば外せる自信があったりする。まぁ、自分でも自分の能力の可能性は未知数だな。応用すれば、風使いだしな。


「長話終わった?輪とホテルにしけこみたいんだけど?」


「な!未成年だろ!自重しろ!」


鈴木が唖然としている。

私は、動揺!


「もう!私の能力を喰らって生きてる奴がいたら、身も心も捧げるつもりだったんだよ!今までの奴らは、みんな赤いトマトになっちまいやがる。興奮すると飛ばしちゃう時があるから全員死んじゃったんだよ!その点、輪なら死なない。最後までイケる!」


さすがに、童貞のわたしには、キャパシティーオーバーな話だ!嬉しいけど、怖いし!


「と、友達から始めましょう?」


「あはは!輪は、本当に面白い!!絶対に今日ホテルでイカせる!!」


胸の谷間を誇示して抱きついてきた。

もう、私の顔は赤くなってしまっていると思う。


「まぁいい、堂本が増えた感じだな。今日は、遅くなったこれを持って、公安の寮があるから、そこへ行ってくれ。鍵はこれだ」


携帯と鍵を2個渡された。


「鍵は、一個でいいのに、気が利かねーな」


寝てたら空に飛ばされたらたまらない。別々の部屋がよいです。


--場面はクルリと変化する--


晩御飯を花芽利と食べている。

ファミリーレストランである。

花芽利の外見が、結構な美人で髪を金髪に染めており目には青いカラーコンタクトで、胸を強調する赤いゴシックファッションのドレス姿である。

目立つ……周りの視線が痛い。


しかも、食ってる量が半端ではない...

財政ピンチで、携帯の電話帳に入っていた鈴木に電話する。


「助けてください。お金がないです」


「え?」


「ファミレスに来て食事したんですが、花芽利の食べる量が凄きて支払い不能になりました。このままだとテレポートで食い逃げします....」


「わ……わかった。その携帯は、お財布携帯機能がある。使え……だが、無駄使いするなよ!飯だけだぞ!!」


「了解です!」


すぐさま切って、確認。

なるほど!


「すみません!ここのお店のメニュー全部ください!あと持ち帰り用メニューも全部!」


「え!?は、はい!」


ふふふ、鈴木に嫌がらせしよう。巻き込まれたのだからな。

出された料理をドンドン消していく。


「輪!?何してるの?能力か?食べる能力なのか?私は輪に食べられたのか!!」


顔が興奮して火照っていく花芽利の目がヤバイ!

無視して黙々と食料を消していった。

これで当分食料に困らない。


携帯電話の支払い装置を使って支払いを済まして、公安の寮へ向かう。


--場面はクルリと変化する--


部屋の前で花芽利と別れることになった。

「輪?本当に分かれるの?捨てるの?」

「いや、寝るだけだから……じゃあ!また」

逃げるように自分の部屋に鍵を開けて入った。


「遅かったな!輪!これからよろしく!」


何故かジャージ姿で、薄い色のグラサンをしている堂本が、二段ベットの上で挨拶した。

なんだと!!こんな落ちなのか!

しかも、この部屋に机がない!勉強は図書館コースだな……

大学への夢が遠のく気がした。


「なんで、テメーがいるんだよ!聞いてないぞ」


薄い壁の向こうから花芽利の声が聞こえる。

予想だと、美鈴と相部屋だな……


そして、初日が終わる。

さ、参考書を取りに行かなければ……


--場面はクルリと変化する--

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