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特殊能力

暗くなった大通り。


目の前で、人が暴れている。

どうやら、酔ているようだ。


中年サラリーマンは、くたびれた背広で顔が真っ赤になっている。

自動販売機の話しかけて、自動販売機を手から血がるほど殴っている。

大通りのため何人も横を通り過ぎるが、見ないフリして足早に去って行く。


携帯電話(スマホ)を取り出して、警察に電話しようと思うが、一旦取り出した所で、元の場所へしまった。


実験をしたくなったのだ。

今にしてみれば、人間を対象にしてよいのかなど、倫理観が消えていたようだ。

中年サラリーマンを見つめて、目を閉じた。

次に目を開けると、中年サラリーマンは消えていた。


少し歩くと警察の派出所がある。

再び目を閉じて開くと、中年サラリーマンが、派出所前に現れた。


周囲を見てキョトンとしている。

派出所の警察官と目が合って、手から血が出ている事に気がついた警察官が、中年サラリーマンに話かけている。


初めて、対象を人間で成功した。


そう、私には、特殊能力がある。

知ったのは、1時間ほどまえだ。


--場面はクルリと変化する--


私は、高校3年生である。

目立たない地味な顔で、特に特徴が無いのが特徴かもしれない。名前は、三根輪(ミネリン)であり、親がなんでも良く回るようにと付けてくれた名前だったが、実際は回らないのが、この世の現実か?

夏休みに入って、受験勉強をしようと机に座った所で、こんな事を知ってしまったら、何も手につく訳がない。


椅子に座って参考書を広げて机の消しゴムを見ていた。

目を閉じて開けたら、無くなった。

へ?あれ?である。


探しても見つからず、あきらめて再び椅子に座って目を閉じた。

目を開けたら、目の前に探していた消しゴムがあった。


え?


目の前の物を気が付かないで、探している時はないだろうか?

そんな、感覚で発見した。


あ!目の前の物ほど気が付かないのだなと思うだろう。

だが、その場所は、参考書の上。

確実に参考書の上は、先ほど調べた。


消えた時、何を考えて目を閉じたか?

思い返すと虚無か?

本当に何も考えずに目線にあった、消しゴムだけを見て目を閉じたら消えていた。


再現しようと試みた。


成功してしまった……再び消しゴムが無くなる。

「マジか!」


出現させるときは、どうだったか?思い返す。

本当に何も考えずに目線にあった、参考書だけを見て目を閉じたら参考書の上に現れた。


再現しようと試みた。

成功してしまった……再び消しゴムが現れる。

「これは!」


未知の能力発見を驚きを持って歓迎したが、いろいろ試さねばいけないと思った。

まずは、消せる個数だ。


なんと、多数だった……さすがに、あまり数は試せない。

シャープペン2本、ボールペン1本、消しゴム、鉛筆1本、参考書までは、消し去った。


さて、出現させようと思った際に、何を出現させるか考えないといけない、どうやって選択すればよいのだろう?


何も考えずに机を見つめて目を閉じる。

開くと、参考書が現れた。

最後に消した参考書だったので、まだ、ランダムか順番なのかは、わからない。


何も考えずに参考書を見つめて目を閉じる。

開くと参考書が消えていた。


あ!消す時と出現させるときの方法が一緒である。

では、今まで、なぜ連続して消せたのだ?


何も考えないのではない、連続して消してみようという願望があった。


次は、ボールペンを出そうという願望を持って机の上を見て何も考えないで目を閉じた。

開くとボールペンが現れた。


難易度が高いが、飯食いながらテレビを見ているが、『何も考えてない』状態で、条件反射で食って情報を頭に入れてる感じか?


感覚をつかむと、細やかな設定もできるようになった、椅子を消して、逆さまに出現させる事や、12色の色鉛筆をきれいに並べて出現させることも可能になる。


ただし、やはり消した物は出現させれるが、消してないものは出現させれなかった。

消しゴムを消して、出現させて、再び出現はできず、消しゴムは1つなのだ。


ちょっとだけ、お金の無限増殖の夢を見た……


まったく受験勉強が、進まないのである。

頭いい奴のテストの回答用紙をテスト終了間際で奪って写して戻す事も可能だな。

なんて、悪いことを考えもした。


よし、決めた。夏休みの初めの一週間は、この能力を調べよう!


そして、私の独断と偏見に満ちた、能力の本格的な調査が始まった。


--場面はクルリと変化する--


コンビニに買い出しに来たわけだが、既に午後10時であった。


人々が、レジで使うお金を見てしまう。

見えるものは、すべて奪えるのだ。

さすがに、ばれないかもしれないが、私の道徳や倫理観と理性がとどまらせる。

ここは我慢である。


さっきの中年サラリーマンの方が人体実験だから数百倍悪いことだった事に、今更気が付いて挙動不審になってしまった。

出現させらなかったら、殺人だったなぁ。良かった...


数個のお菓子と飲み物を買ってレジに持っていく。

先ほど買い物していた先に居たお客が出ていき、店員が夜のため1人であり、お客も私1人であった。


得てして、こんな時にトラブルは舞い込むのだ。

リンの名前は、何を回すのだろう?


コンビニに、お客が一人やってきた。

マスクをして帽子をかぶりサングラスをした男が、包丁持って入ってきた。


ウソだろ!なぜ、私がいる時に!


さっき、中年サラリーマンでの実験に成功していたので、冷静にその男を消し去った。

店員は、私のレジをしていたので気が付かない。

まぁ、包丁もってるの見えたし……


再び帰り道、警察の派出所前に来る。

酔っ払い中年サラリーマン対応の為か、応援の警官が3人ほど集まっていた。

中年サラリーマンは、派出所内で取り調べを受けている。


ちょうど、警官3人の真ん中に、先ほど消した男を出現させる。


「え!」


いきなり目の前に警察官で、自分は包丁を持っている状況下である。

かなり困惑する男。


「な!なんだお前は!」


すぐに、包丁を取り上げられて警察官につかまった。

万が一で、包丁だけ消そうとおもったが、大丈夫であった。


騒ぎをよそに家に帰るのだった。


--場面はクルリと変化する--


3日ほど、勉強が手につかなかったが、4日目から受験勉強を始めた。


結局、この能力があっても受験には関係ないし、悪いことはできるが、私の理性だとイタヅラまでで使い道がないのだ。周囲にばれたら大変だし。

ただ、将来は手品師の選択肢ができた。


勉強していたが、息抜きにテレビを付ける。

ワイドショーがやっていた。


防犯カメラから、消える男と、私の後ろ頭が映っている。

この前の出来事が、世界へ配信されていた……

しかも、最近の防犯カメラのフルハイビジョンクラスの高画質じゃないか。


動画の再生が終わり、評論家がテレビでコメンテーターと討論している。


「いやぁ、突然人が消えるってあるんですね。ここまで、はっきりして録画されてるの初めてじゃないですか?」


「心霊評論家のランさん、どうでしょうか?」


「この、頭だけ映ってる男の人、消える人を目撃してますよね」


「そうですね、位置関係からそうなります」


「この人、消えても平然とレジで買い物して、出ていきました」


「そうですね、これは、おかしいですね?」


「この消えた男性は、合成ですね」


「と、いう事は偽物?」


「そうでなければ、おかしいですね」


「あれれ、ランさん、実は、もう一個の動画があるんですよ」


動画が再生される。


警察派出所で、警察官3人に取り押さえられる男の動画だった。

それを遠くから見つめる私が、顔に暈しが入っていたが映っていた。


心臓が、ドキンと高鳴る。

まさか、ここまで高画質で、あちこちにカメラがあるとは思ってもみなかった。


動画が終わる。


「先ほど、消えた男と同一ですな」


「そうなんですよ、ランさん。不可解なのが、この暈しが入っている少年です。服装から見て両方に写っているんですよ」


「つかまった男が、合成した記録を作ってワザと逮捕された説が高そうですね。意味なくつかまる必要ないですよね?少年は、偶然では?」


「やっぱ、そうなりますよね」


ドキドキしながら、テレビを消した。

これ以上みていると外に出た時に動揺しそうな気がしたのだ。


うん、悪用しなくてよかった!と心の底から思うのだった。


--場面はクルリと変化する--


人物紹介


三根輪(ミネリン)


現役高校生であり高校三年生

17歳 男性

身長170cm

目立たない地味な顔で、特に特徴が無いのが特徴かもしれない。

家が、裕福ではなく、国立以外の大学は、学費が足りないため入れない故に、受験勉強に励む。

性格は、正義感が強いが、自己中である。

大学生を夢見るが、受験に失敗したら就職コースに既に家族会議で決まっているので、焦っている。


彼も能力者であり、物体を消失、出現できる。

ゲームで例えて言えば、アイテムボックスを持ってる奴



鈴木輝(スズキヒカル)


公安13課の課長

41歳 男性

身長175cm エリート風な風貌で眼鏡を着用

普段から背広を着ているが、普段着は、ラフである。

性格は、温厚だが理不尽な行動に対してキレる。

彼も能力者だが、彼が持っている能力は、能力者に出会いやすいと言う物である。


異能者対策用の課の課長であり、能力を発見して秘密裏に処分もしくは、保護する組織

判定は、上司の部長が情報をもらって法務省の大臣の権限で記録が残らない処理で行なっている。

内閣調査委員会にもパイプを持っている。



櫨美鈴(ハゼミスズ)

17歳 女性

身長161cm

現役女子高生であり、高校二年生。

親が離婚していて、母親に引き取らている。

家計が厳しく家計を助けるため、保護対象でも異例な力を持っていることから公安13課でアルバイトをしている。


境遇により守銭奴であり、大変ケチである。

性格は、怒りっぽいが理性は失わない。

彼女も異能者で、物体の温度を好きな温度に変更できる能力である。


堂本進(ドウモトススム)

20歳 男性

身長179cm 公安13課の職員。

クールビズを勘違いして、服装がチャラい。

冬になると背広をちゃんと着るが、色が赤や緑で公務員には見えない。

鼻ピアスをしてるしサングラスをして出勤もする問題児。


性格は、面倒くさがりである。

一つのことが片付かないとイライラして次が出来ないタイプ

彼も能力者である。対象を沸点温度まで上昇させる能力であるが、美鈴の能力には勝てず、先に温度を固定された物の温度は上げれない。

彼の能力にかかれば、全ての物は蒸発する。

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