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第四十二話
作者 栗原雪
数日後・・・。
僕とアリスは、演劇をする為に、演劇部を見学することにした。
「ごめんなさい・・・。私もう行かなきゃ・・・。」
感情のこもった、台詞が流れる。
「待ってくれ! 君の名前だけでも・・・。」
この男女のやり取りから見て、僕の推理だと、シンデレラだ!
そんなことを考えながら、演劇部の部室のドアを開ける。
ガラスの靴を履いている、あの女子生徒、名前は確か・・・
本田翼!
学年屈指の美人だ。
まあ、絵美里には劣るが、タイプではあるかもしれない・・・。
って、今はそんなこと考えている場合じゃない!
「あの、どうしたんですか?」
本田に話しかけられた。
勢い良くアリスが答える。
「私たち、陸上部に演劇を教えて下さい!」
「良いよ!!」
快く引き受けてくれた本田だったが、これは罠だった。
第二の陸上部により、本当の陸上部は危機に陥ることも知らず。
本田に頼ってしまったのだ・・・。




