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第三十三話
作者 栗原雪
悪い、アリス。
これで、響奏を入れることが出来るかもしれない。
それに、またアリスと勝負したい。
「協力しよう。」
静かに私は言った。
「交渉成立ね。 もし私たちが勝ったら、陸上部は廃部にしてもらうわ。」
ニヤリと笑う響。
嘘でしょ・・・?
廃部?
「おい、そこまでするのか!?」
急展開についていけない。
「勿論。 あの部活も、アリスも名前を聞くだけで嫌な気持ちになるの。」
吐き捨てるように、言った。
「いくらなんでも、そこまで・・・」
「そこまでやんないと気が済まないの。」
真面目な顔だ。
しかし、自分も陸上部の一員だ。
廃部なんて、喜べない。
いつの間にか、部活が楽しいと思えるようになっていた。
「実はね、メンバーはもう、集まっているの。」
「何だと・・・!?」
その時、ガラガラっと扉が開いた。
「私と、あなたと、葉月弓さんと、萩野詩織さんと・・・」
「本田翼くんよ。」




