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弱虫バトン  作者: oga
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第十七話

作者 oga

 気づけば響とは全く会わなくなってしまった。

学校に来ているのかすら分からない。

連絡先を聞いていなかったのが致命的だった。


「私って、ほんと馬鹿だ……」


 せっかくの縁が切れてしまった。

私にとって、これは2度目の経験だ。

翼の時も、響の時も、私がしっかりしていれば引き止められていたに違いなかったんだ。


「アリス、部室行かないの?」


 放課後の教室にパンダとイエモンがやってきた。


「アリスちゃん、寝不足?」


「ああ、パンダにイエモン…… ちょっと響のことで凹んでてさ」


「まだ言ってるの? 一人入らなかったくらいでよくそこまで落ち込めるわね」


 確かに、部員集めが必ずしもうまくいくとは限らない。

相手の気持ちを変えることが難しいのはよく分かっている。

それでも……


「アリスちゃん、響さんを無理に部員にしても、どの道後悔することになってたと思いますよ」


 ……!

イエモンの言葉は寝耳に水だった。

響にとって、この部活に入れることが必ずしも良いこととは限らない。


「響さんは、口ではああ言ってましたけど、まだ吹奏楽を諦めたくないのかも。 それだったら、アリスちゃんはそれを応援してあげればいいんですよ」


 ……私は少し自分勝手だった。

響のやりたいことを後押ししてあげれば良かったんだ。


「イエモン、ありがと! 響の所に行ってくる!」


 冷静になったら、響の居場所もおのずと分かった。






 私は音楽室にやって来た。

後ろの扉をそっと開けると、案の定響が練習に参加していた。


(やっぱり、吹奏楽を続けたいのね……)


 私は、心の中で響にエールを贈った。


 




 その後、私はエミリー、でんじろう、エンジョイたちにラインをして、部室に集めた。


「少人数駅伝に参加してみない?」


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