第十五話
作者 栗原雪
「私、やらない。」
え_____
「何で? 部活に嫌気が差しているんじゃないの?」
「うん。 今はやりたくない。」
「じゃあ、何で?」
「そもそも、私、足速くないし。」
「別に大丈夫だよ!」
「それだけじゃない。」
「本当に勝てる見込みがあるんだったら、入る。」
===
「そんな奴、うちの部活に要らないよ。」
顔をしかめて、パンダは言った。
「・・・。」
確かに、やる気が無いのは困る。
でも、奏を見て重ねてしまう。
この部活に会う前の自分と。
「救ってあげたい。」
そういった私に、イエモンは提案をしてきた。
「この前、先生が言っていたんですけど・・・」
イエモンは鞄の中からチラシを取り出した。
「少人数駅伝というものを開催するらしいんです。」
「少人数・・・?」
「学校によっては、部員が足らなくて本戦に出場できないって言うところもありますよね。」
「まあ、そりゃあ・・・」
パンダは眉間にしわを寄せた。
「そういう学校のために6人制で行う、珍しい駅伝らしいですよ?」
ん? 待てよ? 6人・・・。
私、イエモン、パンダ、エミリー、エンジョイ、でんじろう
「参加できるじゃん!」
「そうです! ここで勝って、響さんを引き込みましょう!!」
そこで、パンダは口を開いた。
「ちょっと待って、その前にエミリー達、まだ陸上部入ってないけど・・・。」




