第十話
作者 偽貍狸
イエモンの戯言
みんながバーベキューを楽しんでいる頃、現在陸上部の私たちはアリスちゃんに呼び出された。
楽しんでいた最中に渋々来てくれたパンダちゃんには頭が下がる。
そして、全員揃った時のアリスちゃんの第一声が…
「よし。ビンゴやろう。」
私いいこと言っちゃった!とでも言いたげな顔でにこにこと私たちを見回す。
「・・・・・・あ、はは〜・・・」
隣ではパンダちゃんが苦笑いをしていた。
そのまま流れで私に目で訴えられても困る。
「えっと、どうしてビンゴなんですか?」
仕方が無いので何か聞いてみると、彼女は目を輝かせ胸を張って言った。
・・・この子の精神年齢ちょっと心配。
「よーくぞ聞いてくれた!うん、そうそう、そうだよ!ビンゴの景品を、『陸上部入部』にすればいいんだ!最初に『景品はシークレット』って言っておいて!」
違う。この子案外腹黒い・・・。
彼女は、いいよね、いいよね!といぅてぶんぶん頷いている。
肩くらいまでのポ二ーテールがピコピコと揺れた。
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「皆さんお待ちかね・・・でもないか、まぁ、ビンゴ大会の始まりでーすっ!」
「ぅぇ〜〜〜ぃ」
さほど盛り上がっていない、アリスちゃんだけがテンションの高いオープニングを経てビンゴ大会は始まった。
この後は特に面白いこともなかったので略しておこう。
優勝はふたりいた。
ならジャンケンで決めればいいじゃんと思うだろう。
しかしアリスちゃんの運も困った事に、そのふたりとはエンジョイ君とでんじろう君だったのだ。
ほんと、どうしたものだろう。
パーティー系の大好きなエミリちゃんはふたりを全力応援しちゃうし。
そんなの、ふたりともエミリちゃんが大好きなんだから、負けられないよね。
ジャンケン勝負はもう30分以上続いてる。
実質、ビンゴやってたのより多いと思う。
もう・・・眠たくなっちゃうな。
というかアリスちゃん、せっかくどさくさに紛れて2人も部員をゲット出来るチャンスなのに・・・
なんで全力で応援に回ってるかな・・・
もう疲れちゃった。
私の戯言は止めにして、語り部はアリスちゃんにでも戻すとしましょうか。
ではまた。
頑張ってね、アリスちゃん。




