6/6
おわり
「あの子、死んでたんだね」
家に帰ったメニィは、母親にポツリと漏らしました。
「なかなか受け入られないものよ。娘の死は。でも、冬が来る度に会えるんだから」
メニィは部屋にひきこもることはせず、台所に立つ母親の背中を見て、立ち上がりました。
「お母さま、あたしに料理教えて。あと畑仕事も。釣りでもいいよ」
「急にどうしたの?」
「別に。季節のように、あたしの気まぐれが終わらないうちにね」
にこり、と笑うメニィの笑顔は、この数年で一番魅力的な、可愛らしい女の子に見えたのは、母親は内緒にしておくことにしました。
春の神様と出会い、メニィは行動力を身に着けた。
夏の神様と出会い、メニィは他人との交流の大切さを知った。
秋の神様と出会い、メニィは自らを戒めた。
冬の神様と出会い、メニィは思いやりの心を知った。
全部、ひねくれ者のメニィに足りなかったものです。
1人で部屋にひきこもっていては、決して知ることのなかった、大切なこと――。
季節の神様は、季節を運んでくるだけでなかったようです。
おしまい。