表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

月と花火と太陽と

星の後悔、花の叫び

作者: 卯侑

菜々(ナナ)へ


君を残して那月(ナツキ)のもとへ行ってから、一ヶ月が経ちました。

後悔、しています。

那月は太陽を忘れられず、俺に太陽を重ねているようです。

俺は間違った選択をしてしまったのかもしれません。那月もお前も幸せにできなかった。

菜々に無視され、初めて気がつきました。俺がしたことはお前を捨てたことも同然だということ。

あれから話すこともままならぬ、きちんと別れることができなかったので手紙を書きました。


別れよう。

振り回してごめん。

お前を優先できなくてごめん。

幸せになってください。


光星(コウセイ)











星は俯いた。

花は前を見据えた。













光星へ


二ヶ月、避け続けてごめんなさい。

私なりに考えたいことがあって、顔を合わせられなくて避けてしまいました。

あなたは前からこうなったら、をよく話してくれましたね。

こういう形になるとは思いも寄らなかったから、すごく悲しかったし、つらかった。

正直、捨てられたと思った。

あなたが、何をしたいのかわからなかった。

彼女は死なずにすんだかもしれないけど、私の心はあなたによってこわされました。

それだけは紛れもない事実です。忘れないで。


でも、私はあなたのことが好きです。

まだ、好きなの。


あなたが、まだ私のことを好きだと……那月さんよりも好きだと言うなら、金曜日の放課後、校舎裏に来て下さい。駐輪場で待ってます。


菜々









二通の手紙の送り主は、お互いを思い合っていた。

星は月になびきかけたが、やはり野の花の素朴な可愛さを忘れられなかった。月は、他に光を見つけるだろう。

星は花と共にありたかった。けれど、花の幸福を願い、身を引いた。


太陽が沈む。


花は頭を垂れる。


星は揺れた。


花は叫んだ。


星は花の叫びに揺れに揺れて、花と共にあることを誓った。


彼らはまだ、幼い。



読んでいただきありがとうございます。

男の子についてはいろいろあると思いますが、作者がはじめに書こうと思った子から離れてしまい最低男風になってしまいました。なんとかおわったのでとりあえずこのシリーズは完結です。

このシリーズを読んでくださった読者様、月編や活動報告に感想をくださった橋本ちかげさん、その他応援してくださった皆さん、ありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 好意を抱いている異性に冷たくする、ってことはよくありますね。 [一言]  ありがちな話です。
2015/11/16 20:31 退会済み
管理
[良い点] 星を揺るがした花の叫びは静かなのに、非常に深く激しく、それでもなお強く相手を求める気持ちが切々と伝わってきました。会わずに手紙の形式にしたのがまた余計に想像力を掻き立てます。 駐輪場で二人…
[良い点] 心に響きました。 御互い行動や気持ち 打ち明けるというのでしょうか [一言] こういう短編大好きです。 物語の人物の気持ちになって 読むとグッとくるのが増しました。 此からも応援しています…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ